受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

文教大学付属中学校

2022年7月15日(金)

「人間愛」を軸に、世界標準の貢献力を育成する新たな取り組みがスタート

 「人間愛」を教育理念に掲げる文教大学付属中学校・高等学校は、「慈愛の心」「輝く知性」「世界に飛翔する力」を兼ね備えた生徒の育成をめざし、さまざまな改革を推進しています。

 この日の説明会であいさつに立った校長の銅谷新吾先生は、アクセスの良い立地や充実した施設、コロナ禍の前から整備されているICT環境に触れ、「このほかにも、本校には魅力ある新しい取り組みがあります。本日の説明会を通して、理解を深めていただければと思います」とメッセージを送りました。

 次に、副校長の神戸航先生から教育内容の説明がありました。同校は、教員養成に定評がある文教大学の付属校ですが、内部進学率は卒業生の1~2割程度で、近年は国公立大学のほか、早慶上理やGMARCHといった難関私立大学に多数の合格者を輩出する進学校として評価を高めています。神戸先生はその背景の一つとして、「中1から徹底したキャリア教育を行っていること」を挙げました。企業と共同制作した文教版キャリアノート「NEWTON」を活用しながら、将来の進路選択へとつながる体系的なキャリア教育や進路指導のプログラムを用意しています。

 他大学受験に必要となる学力の養成に関しては、特色ある二つの教育活動を紹介しました。一つ目は、中1から高2までが参加する放課後の自立学習支援システム「文教ステーション(B‐ステ)」です。中学生は午後7時30分まで、高校生は午後8時まで学習できる環境を整え、理解度に応じて専任チューターがサポートします。神戸先生は「学習習慣が身につくのはもちろん、連携している学習塾のスタッフと本校の教員が毎日コミュニケーションを図っているため、生徒一人ひとりの理解度に合わせて学習サポートができます。B‐ステを取り入れたことによって、生徒たちは学習に励む友人の姿を見て刺激を受け、『部活や行事と同じように勉強もがんばるのが当たり前』という雰囲気が校内に醸成されました」と話しました。自学自習力が身についている高3では希望制となり、大学入試に向けた志望理由書の作成や面接の練習などの指導にも対応しているそうです。

 二つ目は、生徒全員が1人1台保有しているタブレットパソコンの活用です。授業では、ICT機器を利用して調べたことを発表する機会が増え、生徒たちは主体的に学習に取り組み、社会で必要となる力を培っています。また、情報の共有や家庭との連絡、教材のやり取りなどでは学習支援ソフトを活用。クラブ活動のミーティングや家庭学習で会議アプリを取り入れるなど、生徒たちはICTツールを自在に使いこなしているそうです。

 社会で求められる人材像が変化しているなか、同校では「発見力」「思考力」「実行力」「探究力」「表現力」の五つの力を育成する「文教ユニバーサルコンピテンシー」を策定し、今年度から二つのプログラムを新たに導入しました。その一つである「グローバルコンピテンスプログラム」(中2~高2)は、ネイティブ教員と日本人教員のチームティーチングによってグローバル社会に必要なスキルや知識、価値観などを英語で学ぶ授業。もう一方の「クリエイティブチャレンジ」(中1~高2)では、中1・2で探究学習に必要な力を習得し、中3以降は学年を超えた縦割りクラスで、みずから設定したテーマについて1年間かけて探究活動に取り組みます。神戸先生は、「自分がどのように社会に貢献できるかということがこの活動のポイントになります。まだ始まったばかりですが、生徒が大きく成長できるきっかけになると考えています」と力強く語りました。

 2023年度の中学入試では、日程と募集人員に変更はありませんが、第5回入試の入学手続の締切日が2月10日から2月8日になることが伝えられました。

イメージ写真 校内にはWi-Fiを完備し、全教室に電子黒板を設置。2019年度から1人1台のタブレットパソコンを導入して、双方向授業を展開しています

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