受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

跡見学園中学校

2022年7月13日(水)

創立以来大切にする「本物」に触れる情操教育で、自立した女性を育成

 跡見学園は、明治時代の教育者であり、画家や書家としても活躍した跡見花蹊(かけい)が、1875年に創設しました。東京で最も古い女子校の一つとして知られ、「ごきげんよう」というあいさつ、芸術を通して豊かな知性と情操を育む伝統の人間教育、年長者が年少者の面倒を見る「あね・いもと」の校風が受け継がれています。

 この日のオンライン説明会では、最初に校長の松井真佐美先生が動画を通じてあいさつした後、入試広報主任の小河先生が教育内容について説明しました。同校では、創立当初から「『本物』に触れ、豊かな心を育てる」教育を実践しています。小河先生は「頭で理解するだけではなく、心に刻む学びを重視しています」と述べ、実験・実習・フィールドワークを多く取り入れていることを紹介しました。たとえば、中3の「SDGs探究」は広島・九州・沖縄への修学旅行を軸としたものです。能・狂言などのさまざまな古典芸能を鑑賞する機会が多く、毎年ホールを借り切って、クラシック音楽やバレエといった西洋の芸術に触れる機会も設けています。理系分野では、自然のなかでフィールドワークに取り組む「サイエンス探究教室」をはじめとした実験・実習も数多く行います。

 また、多彩な講座群から自由に選択・受講できる「放課後プログラム」も特色の一つです。有料プログラムには、茶道・筝曲・華道の作法と品格を身につける伝統文化系講座、ネイティブスピーカーが指導するコミュニケーションを中心とした「English channel」などがあります。伝統文化系講座は同校が創立当初から行っている歴史ある講座であり、部活動と両立させて受講する生徒も多いそうです。学習系講座としては、中学では国語・数学・英語の補習授業、高校では「難関大学受験クラス」が受講可能です。

 小河先生は、こうした「本物」に触れる教育について、「内面に蓄積された気づきや感動が、その後の人生を選ぶ際の軸となると信じ、さまざまな仕掛けを用意しています」と強調しました。

 教科学習については、中1では学びの「型」の習得を通して学習習慣を確立し、さらに中2から英語・数学、高校では古文の習熟度別授業を実施し、生徒一人ひとりに適した学習環境を用意し、きめ細かい学習指導を行っています。さらに、中3・高1では選抜クラスを1クラス設置しています。

 進学指導では、「安心してチャレンジできる環境」を整えています。併設する跡見学園女子大学への優先入学制度があり、内部進学の権利を保持しながら他大学受験も可能な制度もあり。指定校推薦枠も500枠以上あります。大学進学者の約8割は他大学に進学しており、その進学先は医療系から芸術系までさまざまです。医療系を志す生徒も増えており、大学の先生を招いて面接のシミュレーションをする「医療系面接ガイダンス」など、生徒が希望する進路を実現するためのサポートに力を注いでいます。

 最後に、生徒が制作した校内施設紹介の動画が流れ、「ごきげんよう」のあいさつの後に、本格的な茶室を備えた作法室や、インターネット接続環境を完備したマルチルーム、温水プールなどが映し出されました。在校生インタビューでは、「先輩や後輩と協力し合って、一つのものを作り上げていく委員会活動が楽しいです」「芸術鑑賞やテーブルマナー講座など『本物』に触れる教育が魅力です」などのコメントがありました。

 2023年度入試については、大きな変更はありません。特待入試の受験者は一般合格へのスライドが可能とのことです。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 キャンパスは東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅から徒歩2分、有楽町線「護国寺」駅から徒歩8分。都心では珍しい土のグラウンドを備えた校舎で、中高一緒に学びます

www.atomi.ac.jp/jh/ 別ウィンドウが開きます。

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