受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

大宮開成中学校

2022年7月11日(月)

成長に合わせた人間教育と手厚い進路指導で、調和のとれた人材を育てる

 今年で創立80周年を迎えた大宮開成中学・高等学校は、東大を含む国公立大学や難関私立大学、医学部医学科への合格実績が近年、急激に伸びている進学校です。校訓「愛・知・和」の下、「調和のとれた人間教育」を実践しています。

 初めに、今年校長に就任した松﨑慶喜先生が教育内容について説明しました。松﨑先生は、埼玉県内でGMARCHは1位、早慶は5位という合格者数実績に触れながら、「現在、中高一貫部では3名に1人が国公立大学に合格しています。過去10年間で飛躍的に国公立・私立の難関大学への合格者数が伸びましたが、その理由は、潤沢な授業時間を確保し、教員のフォロー体制を整え、6年間で『進路を拓く力』を培っているからだと自負しています」と力強く語りました。

 たとえば、同校では中学入試での成績に応じて、発展的な内容を扱うTクラスと、復習を重視するSクラスに分かれて学習を進めます。いずれも授業は1コマ50分で、平日は6~7時限まであり、土曜日は1コマ90分で2時限と、全体の授業数を多く設定しています。また、中1・2の段階では「授業」「予習・復習」「小テスト」のサイクルを繰り返し、春・夏の長期休暇中に講習を行うことで学習の定着を図ります。松﨑先生は「学習面のフォローはもちろん、頻繁に二者面談を行って生徒の目標をしっかりと把握するよう心がけています。こうして学習意欲を高めたうえで、生徒一人ひとりに寄り添った手厚い進路指導を実践しています」と述べました。

 続けて、6年間で培うべき重要な要素の一つとして、「社会を動かす力」を挙げました。そのために実践しているのが、プレゼンテーション教育です。現在は、SDGs(持続可能な開発目標)を主軸に、学年ごとにテーマを設定し、年間を通して探究活動を行っています。松﨑先生は「ただし、自分の考えをまとめて、発表するだけでは問題解決できる人材を育てられません。本校では、学年の枠を超えた教員たちで、探究のプロジェクトチームを作り、学年のレベルに見合った内容を、常に議論しながら決めています。『探究の質を高める』ことこそが大切なのです」と強調しました。

 このほか、外国人留学生とディスカッションする2泊3日のグローバルビレッジや10泊11日のオーストラリア海外研修をはじめとした「異文化理解を深めるプログラム」、毎週2時間・年間約30種類の実験を行い、仮説を立ててレポートにまとめる実験専門授業「科学実験」など、特徴的なプログラムも紹介。「異文化理解こそ、社会を『知る』ことや『動かす』ことにつながるでしょう。また、サイエンスを通じて、自分の目で確かめ、実感することも、インターネットで多様な情報が飛び交う現在では重要だと考えています」と松﨑先生は述べました。

 一方、同校では「人を育てるのは、人」という考えから、自習室や職員室の前にホワイトボードを設置し、教員と生徒、生徒同士など、誰もが学び合える空間を設けています。また、「生活記録ノート」もコミュニケーションツールとして役立っています。これは、自分の目標や学校生活について記録するほか、小テストの結果や自習計画、その日の反省点なども毎日記して提出するもの。受け取った担任はフォローのコメントを書いて返却し、週に1回は保護者もコメントを記入します。これを継続することで、生徒の自己管理能力を養成するとともに、生徒・教員・保護者の信頼関係も築けるそうです。

 2023年度入試については、一貫部教頭の小林佑樹先生より、新たに実施する項目として、「既存の3年特待制度に加えて、6年特待制度を導入」「合格発表専用サイトでは全日程で得点開示」といったことが伝えられました。最後に「一般入試は各教科65%以上の点数を獲得すれば、例年合格ラインに達します。基礎・基本を大事に、知識・読解力・計算力を身につけ、スピーディーに解くよう心がけてください」とアドバイスを送りました。

イメージ写真 部活動も盛んで、今年、インターハイに出場したアーチェリー部、関東大会に出場した薙刀部、西関東大会に進出した吹奏楽部などが実績を挙げています

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