受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

函館ラ・サール中学校

2022年8月29日(月)

「ラ・サール精神」に基づく教育と大部屋での寮生活で人間力を培う

 函館の閑静な住宅街に位置する函館ラ・サール中学校・高等学校。世界約80か国で1000を超える学校を運営するラ・サール修道会によって設立されたカトリック・ミッションスクールです。1960年には高校が、1999年には中学校が開校し、学生寮を持つ道内有数の進学校として、全国から優秀な男子生徒が集まっています。

 この日のオンライン説明会には副校長の齋藤瑞木先生が登壇し、同校の三つの特色について詳しく説明しました。一つ目に挙げたのが、「聖ラ・サールの精神に基づく学校」です。齋藤先生はラ・サール校共通の理念である“Special Care for the Poor”に触れ、「本校では、私財を投げ打って貧しい子どもたちのために教育の機会を提供した聖ラ・サールの精神を受け継ぎ、悩み苦しんでいる生徒たちに『ラ・サール・ファミリー』として、それぞれの立場から寄り添っています。中高6年間はさまざまな葛藤を抱える時期でもありますが、どんな生徒も切り捨てることなく、大切に育てていきます」と語りました。

 二つ目は、「高いレベルでの人間教育と進学教育の両立を図る学校」です。中学のカリキュラムでは授業時間をしっかりと確保し、英語・数学の2教科は中3で高1の内容に入ります。高2からは文系・理系に分かれ、高3では大学入試に特化した授業も設定しています。また、2021年度より、高校に東大・京大・医学部への現役合格をめざす「特進コース」が新設されました。高2からは中学の内部進学生の成績上位者も合流し、1期生に当たる現高2では、約40名のクラスが編成されているそうです。

 それぞれの進路に向けて充実した学習指導が行われている同校ですが、ラグビー部が全国大会に過去3回出場するなど、部活動も盛んです。齋藤先生は、勉強だけではなく、やりたいことに打ち込める環境があることをアピールし、「部活動や生徒会活動など、好きなことに集中して取り組む時間をたくさん持つことで、豊かな人間へと成長します。頭でっかちのエリートではなく、挫折も含めてさまざまな経験を積み、仲間と協力して何かを作り上げていける人が、社会でも通用する人材になるのでしょう」と強調しました。

 三つ目のポイントは、「教育力の高い寮がある学校」だということ。同校では、全生徒の約6割が寮生です。首都圏からも毎年約30名が入学しており、関西や九州など全国各地から生徒が集まる“ダイバーシティ”に満ちあふれた環境は大きな魅力です。さらに、全国唯一の「大部屋生活」であることも特徴の一つ。中学では1学年約50名を1単位として集団生活を送っています。齋藤先生は、「プライバシーはなく、スマートフォンなどの情報端末の持ち込みもできません。現代の子どもたちにとっては不自由な環境といえますが、今の時代だからこそ、生身の人間同士の濃密なぶつかり合いが必要だと考えています。異なる者同士で一つのコミュニティを作るために、相手を認めて協働する力が身についていきます」と話します。さらに、「過保護や過干渉で子どもを潰さないよう、本校の寮にお任せください。子どもたちは、寮生活で必ずたくましく成長します。学校の学びだけではできない経験を通して、一生の友だちができ、寮で培ったことは人生の財産になっていくでしょう」と力強く語りました。

 2023年度入試は、例年どおり第1次試験が1月8日、第2次試験が2月3日に、本校会場のほか東京・名古屋・大阪などで行われます。出願はウェブと郵送の2段階方式になっているとのこと。齋藤先生からは、「第2次試験は、2022年度入試から半数の問題が教科書レベルの内容になっています。教科書の章末問題や単元テストはしっかり確認しておいてください」とのアドバイスが送られました。

イメージ写真 野球・サッカー・ラグビー・テニスを同時に行うことができる広大なグラウンドや二つの体育館を整備。充実した施設に支えられ、クラブ活動でも好成績を収めています

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