受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

開智日本橋学園中学校

2022年9月7日(水)

国際バカロレアの理念を取り入れ
「探究型の学び」を強固なものに

 2015年に埼玉県にある開智学園と教育提携し、中高一貫の共学校として新たなスタートを切った開智日本橋学園。教育理念に「平和で豊かな国際社会の実現に貢献できるリーダーの育成」を掲げる同校は、国際バカロレアの理念を取り入れ、6年一貫の「創造的」な学びを通して、生徒一人ひとりの人間力を鍛えようとしています。

 あいさつに立った校長の一円尚先生は「自ら考え、判断し、主体的に行動する」という同校の合言葉に触れ、「これからの時代、ロボットや人工知能に負けない人材となるためには、指示されてから動くのではなく、自分で考えて行動できる力を身につける必要があります」と語りました。

 生徒の主体性を伸ばすために、全教科で導入されているのが「探究型の学び」です。教員は生徒たちの思考を促すファシリテーター役を務め、自分たちで調べ、疑問を持ち、話し合い、結論を導き出していくよう指導しています。

 また、国際バカロレア(IB)のMYP(中等教育プログラム)とDP(高等教育プログラム)の認定校でもある同校は、すべてのコースの教育課程が、日本の学習指導要領とIBが定めるMYPの要件との双方を満たしています。中1~高1の4年間をMYPで学び、高2以降もDPを選択することが可能です。一円先生は、「IBは、海外大学への進学を目的とした教育プログラムではありません。本質は『探究』であり、世界中にある認定校のノウハウを本校の教育に生かしていけば、『探究的な学び』をより強固なものにできると考えています」と強調しました。

英語レベルに応じた3コース制を導入
段階的に英語力と主体性を身につける

 次に、広報部長の井田貴之先生が、教育内容について説明しました。MYPに相当する最初の4年間は、三つのコースに分かれて学びます。母体の開智学園が重視する探究型学習を数多く取り入れ、IBの国際的要素も加味した「リーディングクラス(LC)」、LCの内容に加え、一部の科目を英語で学ぶ「デュアルランゲージクラス(DLC)」、帰国生など英語力の高い生徒を対象とした「グローバルリーディングクラス(GLC)」があります。

 どのコースも“英語を使う環境”を重視し、総合・美術・技術・社会も徐々に英語で学んでいきます。高1までには、ネイティブ教員との日常的なやりとりが英語でできるようになるそうです。LCでは、中1・2の2年間は日本語で探究型の学びを実践し、中3から美術・技術を英語で学びます。DLCでは、日本語と英語の両方で探究型の学びを実践し、GLCでは、数学・理科・国語以外はネイティブ教員が英語で指導しています。

 MYPでは、主体的に学習に取り組むための「学び方」を習得する「ATL(Approaches to Learning)」の手法を取り入れ、コミュニケーション・思考・リサーチ・社会性・自己管理の各スキルを、授業や探究プロジェクト、行事、部活動などを通して体系的に身につけていきます。高2・3では、「国際バカロレアバイリンガルDP」「国際バカロレア日本型DP」「国立理系」「医学系」「国立文系」「私立系」などのクラスに分かれ、希望進路の実現をめざします。

 2023年度入試については大きな変更はありませんが、注意点として、2024年度から「適性検査入試」が廃止されることが発表されました。

イメージ写真 授業では1人1台のChromebookを活用し、探究的な学びに取り組んでいます

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