受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

順天中学校

2022年9月21日(水)

系統学習・探究学習・統合学習を柱とした学びで真の学力と人間性を養う

 1834年に和算家の福田理軒が創設した「順天堂塾」を起源とする順天中学校・高等学校。校名は「自然の摂理に従って真理を探求する」という意味のことば「順天求合(じゅんてんきゅうごう)」に由来し、建学の精神として大切に受け継がれています。また、「英知をもって国際社会で活躍できる人間を育成する」という教育理念を掲げ、国際教育にも力を入れています。

 説明会の初めに学校紹介の動画が上映され、同校の学びの特徴である「系統学習」「探究学習」「統合学習」の三つが紹介されました。中学では、英語・数学・国語の主要3教科においては基礎から応用へと体系的に知識を深める「系統学習」を行うとともに、「生徒同士の学び合いを通して、学習意欲を高める指導」を心がけているそうです。一方、理科・社会の授業では、みずから問題を発見し、解決する力を培う「探究学習」に力を注ぎ、思考力や表現力を養成します。芸術・技術家庭・保健体育・道徳では、福祉や国際活動と関連させた「統合学習」を実践。そこでは、保育園の園児や高齢者に贈り物をするという視点で“ものづくり”を行うなど、人と人とのつながりのなかで人間性を高めていきます。

 続いて、副校長の片倉敦先生があいさつに立ち、同校が育てたい力について説明しました。片倉先生は「人生100年時代」「AI」をキーワードに挙げながら、「これからの社会で必要とされるのは、『創造的学力(主体性)』『国際対話力(多様性)』『人間関係力(協働性)』という三つの資質・能力です。大学合格をゴールとするのではなく、探究力を持って未来の課題を解決できる人材を育成します」と力強く語りました。

 そのための取り組みとして、2022年度からニュージーランド短期留学(中3の希望者対象)、カナダ語学研修(高2の希望者対象)、オーストラリア海外留学(高1・2の希望者対象)を実施したことを紹介しました。また、現在、海外から5名の留学生が同校に在籍しており、「コロナ禍でもオンラインでの国際交流を積極的に取り入れてきました。状況を見ながら、あらためて国際教育に力を入れていきます」とのことです。

 このような充実した学びの成果として、文部科学省主催の「トビタテ! 留学JAPAN」に採用された5名の高校生の活躍を紹介。留学の目的は、「カンボジアで子どもたちに英語を教える」「ドイツで動物学を学ぶ」など、生徒によってさまざまです。片倉先生は「同プログラムは8校に1名程度しか審査を通過できない狭き門です。企画力・計画力・表現力などが求められますが、日ごろから行っているボランティア活動の経験が生かされています」と話します。

 ボランティア活動には、学年ごとにテーマが設けられています。中1では幼児や高齢者との交流を通じて「家族の絆」を体感します。中2では「地域の絆」をテーマに手話学習に取り組み、地域への奉仕活動を行います。そして、中3ではさまざまな体験を生かして映画制作に挑戦します。生徒たちは多様な立場の人とかかわりながら、共に過ごせる社会について考え、貢献する力を養っているそうです。

 高校のクラス編成に関する説明もありました。中高一貫生の多くは「一貫選抜類型」に進みますが、希望する進路に応じて高校からの入学生との混成クラスとなる「特進選抜類型」「理数選抜類型」「英語選抜類型」も選択できます。片倉先生は「『チーム順天』とも呼べる万全のサポートできめ細かな進学指導を行っています」と強調します。

 大学進学実績も堅調です。2022年春の卒業生の49%が国公立大学、早慶上理ICU、GMARCHに進学しました。また、高校卒業時には69%が英検®2級以上を取得しているそうです。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 2017年に完成した「理軒館」。ラーニングコモンズ、セミナールームなど、グループワークに最適な環境が整っています

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