受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

沖縄尚学高等学校附属中学校

2022年10月4日(火)

文武両道の多彩な取り組みを通してグローバル人材を育成

 沖縄の高校生の学力向上を目的に、1957年に設立された沖縄高等学校を前身とする沖縄尚学高等学校・附属中学校。1983年に現校名に改称し、その3年後に中学を開設して中高一貫校となりました。それ以来、「グローバル社会を見据えた文武両道のたくましい進学校」として、毎年多くの卒業生を難関の国公立大学や医学部医学科へと送り出しています。

 この日のオンライン説明会で、中学校長の屋比久秀正先生は、初めに学校の新しい試みをいくつか取り上げました。そのうちの一つが、「中3選抜クラス」の設置です。中3から高校の学習内容に入るなど、中高一貫教育のメリットを生かした先取り学習を早くから行っている同校ですが、今年4月に設置した「中3選抜クラス」では、高校難関コースで教える教員が担任を務めます。中3から4年間をかけて、医学部や最難関大学の受験に向けた学習指導を行い、生徒たちの希望進路実現をより手厚くサポートするのが狙いです。もう一つは、中学入試における「特待生制度」の新設です。これは、専願・併願を問わず、成績上位者5名程度を対象に、入学金と授業料は全額を、施設費は一部を免除するというものです。屋比久先生は「東京会場でも特待生入試を実施します。首都圏の受験生が積極的にチャレンジしてくれることを楽しみにしています」と語りました。

 続いて、同校の目標であるグローバル人材を育てるためのさまざまな取り組みについて紹介がありました。最も力を入れているのが、英検®の受検指導です。各学年で目標級を定め、生徒たちは平日の放課後に設定された対策講座のなかで、筆記試験やリスニング問題などに挑戦しています。こうしたプログラムによって、2021年度は、中3の61%が準2級以上を取得しました。そのほか、「英語スピーチ」「ディベートコンテスト」といったアウトプットの機会を設け、さまざまな角度から生徒たちの英語力を磨いています。

 加えて、全校を挙げて取り組んでいるのが「沖縄伝統空手」です。これには、体を鍛えるためという以上の意味があります。世界に誇れる日本の文化でもあるからです。生徒たちは、「高校卒業までに黒帯を取得する」という目標に向かって、週1回の授業のなかで練習に励んでいます。

 また、海外35の協定校と連携した「異文化交流」も同校が誇る国際教育の一つです。この2年間は新型コロナウイルスの影響でオンライン交流がメインとなりましたが、今年度から留学生の受け入れが少しずつ再開されています。屋比久先生は「校内にいながら、本格的な国際交流ができることは本校の強みです」と話しました。

 高校の「国際文化科学コース」では、2017年度から国際バカロレアのカリキュラムを導入しています。今年度は、フルディプロマと呼ばれる国際的な大学入学資格を12名が取得しました。例年、海外大学に挑戦する生徒が多いことも特徴で、今年も38名が海外大学に現役合格を果たしています。多彩な進路を実現させるため、同校ではさまざまな目標進路に対応できるコース制をとっています。中学入学時は「尚学パイオニアコース」「尚学チャレンジャーコース」の2コース7クラスでスタートし、高3では志望大学別に8コース13クラスにまで細分化されます。このように、生徒一人ひとりの学力と希望進路に合わせて、きめ細かいフォローに力を入れています。

 遠方から入学する生徒のためには「尚学舎」「尚学グローバル寮」と呼ばれる二つの寮を併設しています。尚学グローバル寮では、平日は外国人の先生が寝食を共にするほか、留学生も一緒に生活するため、入寮に必要な英検®の級と条件が定められていますが、それを満たせば、尚学舎から転寮することも可能です。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 中高ともに年に1回開催される、校内空手演武大会の様子。沖縄県空手道連盟の先生方が審判を務め、クラス別・流派別・個人別に型を競います

www.okisho.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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