受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

日本大学藤沢中学校

2022年10月5日(水)

「健康・有為・品格」を校訓に掲げ、社会に貢献できる有為な人材を育てる

 日本大学藤沢中学校は、日本大学藤沢高等学校の併設中学として2009年4月に開校しました。2015年には日本大学藤沢小学校も開校し、隣接する日本大学生物資源科学部を含めて、小中高大が集結する一大キャンパスとなっています。

 同校では、日本大学と同様に「自主創造」を教育理念に掲げ、「健康・有為・品格」という校訓の下、「心身ともに健全で、世の中で役に立つ、品性豊かな人間を育てる」をめざした教育を実践しています。そのなかでも「有為」は、「世の中の為になる人」を意味し、社会に貢献できる人物を育てるために、生徒が多くの「成功体験」を積めるようサポートしています。この日の説明会で、校長の楠本文雄先生は「6年間の学校生活のさまざまな場面で、生徒自身が『がんばっている』と実感できることが重要であり、それが自信につながると考えています。本校ではそのために知識・行動力・社会性を身につけさせ、社会に貢献できる有為な人材を育てていきます」と述べました。

 続いて、中学教頭の薄井敎靖先生が、教育内容について話しました。今年で創立14年目を迎える中学校では、2021年度に初めて小学校からの内部進学生を迎え入れ、現在は中学受験を経て入学した生徒との混合クラスを編成しています。特に重視しているのは、生徒一人ひとりが希望する進路を実現できるよう、中高6年間で確実に学力を伸ばしていくことです。同校は日本大学の付属校のなかでも他大学への進学率が高く、国公立大学や私立の他大学に進む卒業生が全体の50%前後を占めています。一方、日本大学への内部推薦枠を使って希望する学部に進学するためには、全国の付属校生を対象に実施される「基礎学力到達度テスト」の成績に基づくセレクションを通過し、推薦を受ける必要があります。

 高校では、入学時に実施される選抜試験の結果によって、主に日本大学の希望学部や他大学をめざす「総合進学クラス」と、国公立大学・難関私立大学・日本大学の難関学部をめざす「特別進学クラス」に分かれて学びます。「特別進学クラス」は3クラス設置され、そのうち1クラスは付属小・中学校からの内部進学生のみですが、残る2クラスは内部進学生と高校から入学した生徒全体からの選抜者とで構成されます。内部進学生のみの特別進学クラスには、中学で上位40位までの成績を取っていれば進むことができます。現状では、内部進学生の2人に1人がこのクラスに進んでいるとのことです。薄井先生はこうした背景を踏まえたうえで、「日本大学にエスカレーターで進学できるから、勉強はそこそこでいいという心構えで入学すると、その後の勉強が大変になります。本校に入学したからには、特別進学クラスから日本大学以上の大学への合格をめざしてほしいのです」と強調しました。

 大学付属校のメリットを生かした中高大連携も大きな特長の一つです。隣接する日本大学生物資源学部の施設を利用して、中1では農場実習を、中2では食品加工実習を行います。農場実習は週2時間あり、季節に応じて水菜・サツマイモ・ジャガイモ・ピーマン・トマトなどを栽培しています。大学教授の指導の下、大学生も授業の一環として参加して、生徒をサポートします。育てた野菜は家庭に持ち帰り、調理して食べることで、食に対する興味・関心を高めていきます。

 国際理解教育についても説明がありました。コロナ禍で海外渡航が難しいなか、生徒から好評を得ているのが国内語学研修です。中3~高2の希望者を対象に、各国の留学生が来校して3日間のグループワークを行うというものです。オールイングリッシュによるディスカッションやスピーチに挑戦した生徒は、英語学習へのモチベーションを高めているそうです。

イメージ写真 日本大学生物資源学部に隣接する同校までは、小田急江ノ島線「六会日大前」駅から徒歩約8分。400mトラックのある人工芝のNFグラウンドには1200席の観客席が設置されています

www.fujisawa.hs.nihon-u.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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