受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

清泉女学院中学校

2022年10月18日(火)

“愛”を中心とした「10の価値」を6年間で身につけ、社会のために貢献する人に

 鎌倉市の玉縄城跡にある清泉女学院中学高等学校は、スペインで創立された聖心侍女修道会が1947年に開校したカトリックのミッションスクールです。「神の み前に 清く 正しく 愛ふかく」をモットーに掲げ、中高一貫教育を通じて「真理を探究する心」と「周りの人を喜ばせることを自分の喜びと感じる心」を育み、知性と思いやりを兼ね備えた自立した女性を育成しています。

 この日の説明会の冒頭、あいさつに立った校長の高倉芳子先生は、校地が室町時代の武将・北条早雲が築いた城の跡で、富士山、丹沢山系、湘南の海まで見渡せる自然豊かな立地であることに触れた後、「生徒には、困っている人を見たら、必ず『大丈夫?』と声を掛けてあげられるような人になってほしいと思っています。ぜひお子さんと一緒に来校し、生徒の様子をご覧ください」と語りました。

 続いて、教育の特色について説明したのは中学入試広報部長の北宮枝里子先生です。まず、2022年度の卒業生3名が東京大学に合格したことを報告したうえで、「本校は東大に進学させるための教育を行っているわけではありません。めざせば、どんな大学にも合格できる環境があるということです」と強調しました。そして、「本校での学びを通して、彼女たちが何を得たのかを知ってください」と述べ、同校の取り組みについて詳しく紹介しました。

 教育の柱となっているのは、「ライフ オリエンテーション プログラム」「グローバル プログラム」「ライフ ナビゲーション プログラム」「サイエンス・ICT プログラム」の四つです。そのなかでも最も重視されている「ライフ オリエンテーション プログラム」は、中高6年間一貫して体験型の「こころの教育」を実践し、周囲への優しさや思いやりを育むとともに、自己肯定感を高めるものです。「愛」「生命の尊重」「無償性」「一致・兄弟愛」「正義・連帯」「和解・平和」「喜び・希望」「真理」「自由」「責任」から成る「清泉が大切にする10の価値」を身につけるため、学年ごとにテーマを決めてさまざまな活動を行います。たとえば、入学直後に1泊2日で行われるライフオリエンテーションキャンプでは、レクリエーションを通して他者を大切にする経験をします。また、倫理の授業では、中学ではキリスト教の価値観について、高校では世界のさまざまな価値観について学び、社会の物事を倫理的な観点から考えます。

 「グローバル プログラム」は、世界の人々とともに地球市民として生きることを主眼に置いたものです。英語では習熟度別授業が採用されており、中1・2はクラスを3段階に分け、レベルに応じてきめ細かく指導します。英語を使う場としては、世田谷区にある清泉インターナショナルスクールでの1週間国内留学をはじめ、ベトナムの教育施設でボランティア活動を行うベトナム・スタディツアー、模擬国連大会などがあります。このように、国際交流や異文化交流のプログラムも充実しています。

 一方、「ライフ ナビゲーション プログラム」は、進路、職業、生き方などを考え、自分の将来を具体的に描くことが狙いです。そのなかでも各自が興味・関心をひかれた物事を学問レベルに引き上げる進路探究プログラム「My Story Project」は、中3の生徒が1年かけて探究活動に取り組み、その成果を論文やスライドにまとめて自由な表現方法で発表するものです。東大に合格した卒業生も、このプログラムをきっかけに、より深く学べる環境を求めて東大に進学したとのことで、現在も研究を進めているそうです。そして、「サイエンス・ICT プログラム」では1人1台のタブレット端末を導入し、ICTを活用しながらレポート作成やプレゼンテーションを行うようになりました。理科の授業では実験・観察が重視され、年に1回野外学習も実施されます。

 2023年度入試については、2月1日の1期入試、2月3日の3期入試で募集人員を5名ずつ増やします。詳細は学校ホームページでご確認ください。

イメージ写真 北条早雲が築いた玉縄城跡に建てられたキャンパス。約7万㎡の広々とした敷地には、野生動物のいる森林も残されています

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