受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

横浜富士見丘学園中学校

2022年10月20日(木)

「未来を幸せに生きる国際教養人」をめざし、少人数でのきめ細かい教育を実践

 「敬愛」「誠実」「自主」を校訓に掲げ、1923年の創立以来、女子教育を行ってきた横浜富士見丘学園は、2023年の創立100周年に向けた教育改革の一環として、2019年度からは男女共学へとかじを切りました。

 成長段階に応じた指導を行うため、中学では男女別の少人数クラスで学びます。高校は男女混合の「特進クラス」のほか、看護系や栄養系を含めた私立文系進学をめざす「女子進学クラス」も設置されています。なお、一部の授業は中学でも男女混合で、部活動・生徒会活動・学校行事はすべて男女が一緒に取り組むため、別学と共学の両方のメリットを享受できます。

 この日のオンライン説明会で校長の駒嵜健先生は、「真の教育は魂の教育」「教員生徒一心不離」という同校の教育理念を紹介し、「わたしは校長に就任してからも中1の理科を担当しています。入学してからの1年間、授業を通して生徒たちとしっかりと向き合い、全員が満足して卒業していく姿を見届けたいのです。中高6年間で最も重要なのが最初の1年間です。ここで自己肯定感を築き上げれば、自己有用感を持って社会に目を向けることができます」と語りました。

 続いて、教育目標である「未来を幸せに生きる資質・能力の育成」について、「わたしたちも保護者の方と同様に、子どもたちに幸せになってほしいという願いを持っています。学びの財産を、さまざまな人々と分かち合い、みずからの夢を社会的使命へとつなぐことができる国際教養人の育成を目標としています」と述べました。その教育目標を達成するためにカリキュラム・ポリシーに掲げているのが「確かな学力」「活きた英語力」「理数教育」「生きる力」の育成です。

 「活きた英語力」を伸ばすため、中1・2ではネイティブ教員が各クラスの副担任を務め、「英語好き」の生徒を育てます。駒嵜先生は「授業だけではなく、生活のなかでも日常的に英語を使うことで抵抗感をなくします。小規模な本校ならではの取り組みです」と話します。中3・高1では週1回のオンライン英会話を行うほか、英語を母語としない外国人留学生と英語で交流する「グローバルアイ」を必修とするなど、アウトプットの場も豊富です。

 一方、「確かな学力」の基盤となるのが、週37コマという豊富な授業数です。時間をかけてきめ細かく指導し、確かな基礎学力を身につけさせるのが狙いです。習熟度別授業は中2から、英語・数学で行っています。また、「理数教育の強化」では、希望する進路、受験する学部・学科にかかわらず、すべての生徒が理数分野の教養を身につけることを目標に掲げています。「生きる力」は社会人の基礎となるジェネリックスキルを意味し、プレゼンテーション力・協働力・課題解決力を育んでいます。

 中学で新しく始まった取り組みについても紹介がありました。国語の授業で「聴く力」を養う「ディクテーション」を導入したのもその一つで、教員が読み上げる文章を時間内に書き取る訓練などを行います。駒嵜先生は「デジタルネイティブ世代の国語力を上げることが目的です」と話します。感性を磨き、心を豊かに育むプログラム「FLAP(Fujimigaoka Liberal Arts Program)」では、バイオリン、油絵、英語の多読・多聴(中1・2)、国際教養基礎講座(中3)などを通じて、品位を持った教養人となるための資質を高めます。

 最後に駒嵜先生は「教員が生徒のほうを向き、心を込めて教育を行っている学校という点では絶対に他校に負けません。本校での6年間を通じて、一生涯学び続ける『学び人』となるための基礎を築いてほしいと願っています」とメッセージを送りました。

イメージ写真 人気があるクラブはダンス部やチアリーディング部などで、バドミントン部は強豪です。共学化に伴い、フットサルやeスポーツなどの同好会も新設されました

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