受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

灘中学校

2022年10月5日(水)

担任団が持ち上がりで
一つの学年を6年間かけて育てていく

 1927年に創立された灘中学校・高等学校。関西最難関の男子進学校として、歴史と伝統を積み重ねています。教育理念(校是)は「精力善用」(自己の持てる力を最大限に発揮する)と「自他共栄」(自他が共に栄えるという理想を追求する)。「生徒も教員もこの理念に基づいて行動しています。“こうしなさい”という校則はない自由な校風が特徴で、灘校生らしさを損なわない自覚を持って行動すれば基本的には自由です」と教頭の橘直弥先生は話します。

 続いて、同校の特徴である「担任持ち上がり制」についての説明がありました。中学入学時に8人の教員が担任団となり、この8人が、その学年を6年間受け持つというものです。1学年には4クラスがあり、1クラスに2人の担任がつきます。担任団は職員室でも席が同じ島に配置されているので、授業前・授業後、休み時間などに顔を合わせて情報交換ができます。「本校の“自由”は放任という意味ではなく、生徒一人ひとりをしっかり見ています。また、教員と生徒の相性があるので、生徒は8人のなかから相談しやすい教員を選ぶことができ、教員間でそれらの内容を共有しています」と橘先生。担任団のなかには必ず主要教科の英語・数学・国語の担当がいるのもメリットの一つといえます。「この3教科は授業数が多く、進度も速いのですが、6年間同じ教員による一貫した指導に加え、計画的な進め方ができます」とのことです。

生徒が主役のあらゆる活動のなかで
みずからの目標を見つける

 一方、学校行事の多くは生徒主体で企画・運営されています。文化祭を担う文化委員会は150名以上、体育祭を担う体育委員会は50名以上で組織され、中学生と高校生が一緒に行事をつくり上げていきます。「後輩は先輩のやり方を見て学び、伝統を受け継いでいきます。そして、受け継いだ伝統は、毎年更新されています。たとえば、文化祭のウェブ担当についてはコロナ禍以降、重要性が高まりました」と橘先生は話します。

 クラブ活動も盛んで、運動部・文化部あわせて40以上のクラブがあり、運動部と文化部を兼部している生徒が多いとのことです。生徒に行ったアンケートでは、「勉強で困ったらどうするか」という問いに、「友だちに聞く」という回答が多く、この「友だち」は「クラブの友だち」が多いそうです。お互いに教え合うという「自他共栄」の関係が生まれることにも、クラブ活動の大きな意味があります。

 「灘校は生徒が主役の学校です。クラブや委員会活動、学校行事での活動など、みずから進んで交流の幅を広げていけば、あちこちで優れた手本となる人と出会うことができます」と橘先生。進路についても、「みずから進路を選ぶ」ことを重視。「あらゆる活動のなかでいろいろな人に出会い、話を聞き、やりたいことを見つけ、それぞれが主体的に目標設定と進路選択をしてほしい。中学受験にもいえることですが、まずは“本人が納得する受験”をすることが重要です」とメッセージを送りました。

 最後に2023年度の入試について説明がありました。2023年度も出願はオンラインのみで、ホームページからアカウントを作成して出願手続きを行います。試験日は1月14日・15日の2日間。合格発表は今回から校内での掲示はなくなり、ウェブサイトでの発表のみとなります。

イメージ写真

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