受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

お茶の水女子大学附属中学校

2022年10月31日(月)

自主性と主体性を育む伝統校
充実した学習環境が魅力

 1882年に創設された東京女子師範学校附属高等女学校を起源とするお茶の水女子大学附属中学校は、国立の中学校としては最も古い歴史を持ちます。戦後の学制改革により、1947年に東京女子高等師範学校附属中学校(男女共学)に改称された後、お茶の水女子大学の附属中学校となりました。「自主自律の精神をもち、広い視野に立って行動する生徒を育成する」という教育目標を掲げ、大学との連携による最新の教育研究が行われています。一方、幼稚園から大学までが集うキャンパスで、「あたたかく深い人間力」「グローバルな視座」「科学的・論理的思考力」の三つを育てる教育が実践されているのも特徴です。中学の生徒の男女比は1対2で、附属高校へは女子のみが進学します。

 この日、オンラインで開催された説明会では、副校長の佐々木善子先生が同校の教育内容を紹介しました。「本校の魅力は何といっても、生徒、教員、そして学習環境にあります」と佐々木先生は話します。体育大会や生徒祭(文化祭)などの学校行事は生徒主体で行われます。体育大会では3年生がリーダーとなってダンスや競技の練習を指導します。競技それ自体が楽しいのはもちろんですが、係活動などを通して大会の運営にかかわる充実感が得られることも、生徒の喜びになっています。また、生徒会活動も活発で、生徒会が中心となって在校生の要望を吸い上げ、盛夏時における自由服の着用などを実現させました。今年度は多様性を尊重する制服のあり方についても検討を重ねているそうです。

 生徒がそれぞれ興味・関心を持っていることから課題を見いだして解決する「自主研究」は、40年以上続く同校独自の探究的な学びです。学習意欲を引き出し、論理的な思考力を養ううえでも役立っており、卒業生からは、「自主研究で学んだことが高校からの学習に生かせた」「将来の進路選択に大きく影響した」と評価されているそうです。

大学の設備・施設も利用が可能
専門的な学びの機会も豊富

 同校には、帰国生に対する特別な指導を行う「帰国生徒教育学級」があり、帰国生との活動や触れ合いのなかで、多様な価値観を受け入れる心を育むことも大切にしています。生徒たちは授業や行事のなかでさまざまな人たちと交流しながら、自分の意見をしっかり持ち、異なる意見を認め合うことを学び、国際的なセンスを身につけていきます。

 研究室訪問や、大学の教員による講義といった専門的な学びの機会が豊富なことも、附属校ならではのメリットです。津波発生装置や放射線測定器といった実験器具、講堂、グラウンドなどの施設・設備も利用できます。

 中学卒業後は、女子の多くが連絡進学制度を利用して、お茶の水女子大学附属高等学校に進学します。男子は3年間での学力の伸びが大きく、自分の希望する進路を切り開いていきます。

 最後に佐々木先生からは、「各種の活動に対して『やってみよう』という気持ちで積極的に取り組んでください。また、毎日の授業を大切にして、各教科の基礎・基本をしっかりと固めましょう。さまざまな経験を通して身につけた知識や力を使って、答えのない課題に向き合うことを大切にしてください」とのメッセージが送られました。

イメージ写真 東京都文京区にあるキャンパスは東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅から徒歩7分の立地。中学校は共学ですが、高校は女子校となっているため、男子は全員が外部の高校に進学します

www.fz.ocha.ac.jp/ft/ 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ