受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

佐久長聖中学校

2023年5月15日(月)

「自由と愛」の教育理念の下、生徒の自主性を養う

 長野県佐久市にある佐久長聖中学・高等学校は、1995年に県内初の中高一貫教育をスタートさせた共学校です。全国有数のスポーツ強豪校でありながら、難関大学に多数の合格者を輩出する進学校としても知られています。

 SAPIX代々木ホールで実施された説明会では、校長の佐藤康先生があいさつに立ちました。前任校の渋谷教育学園渋谷中学高等学校の立ち上げ時から責任者として尽力し、柔道部の総監督も務めた佐藤先生は、9年前に同校の校長に就任して以来、「大切にしているのは生徒の自主性を育てること」だと言います。たとえば部活動の練習も、「今日はやる気が出ないから、やりたくない」と言えば、「いいよ」と答えるそうです。「練習をするかどうかの判断を生徒に委ねると、不思議と短期間でやる気を取り戻します。無理強いするより『楽しくがんばる』ほうが成長するのです。理不尽な規則なども次々に見直し、ゆったりと構えた学校づくりをしています」と、自身の多様な経験を踏まえて改革を進めていることを語りました。

 このほか、自主性を育む具体的な取り組みとして挙げたのは「ノーチャイム」と「カジュアルデー」です。授業の始まりや終わりを知らせるチャイムを鳴らさないノーチャイムは、生徒にみずから時間を管理しなければならないと意識させるのに有効です。一方、制服を着用しないカジュアルデー(中学は月1回、高校は月2回)では、中高生らしい服装を自分なりに考えるなど、楽しみながら主体性を養っています。修学旅行の代わりに高2で行われる「リフレッシュ・ツアー」も「自分で考え、行動する」行事の一つです。これは行き先の異なる複数のプランから各自が選んで参加する宿泊行事で、「参加しない」という選択をするのも自由だそうです。

 続いて、教頭の小市昌夫先生が学校全般について説明しました。同校では「授業・体験学習・寮生活」の三位一体の教育を柱に、英語学習を中心としたグローバル教育や、パソコンを使ったICT教育などを行い、世界で活躍できる人材の育成をめざしています。

 中1では、全員が共通のカリキュラムで学びますが、中2からは高校内容を先取りする「アドバンストクラス」と、学習指導要領の内容をじっくりと学ぶ「スタンダードクラス」とに分かれます。アドバンストクラスでは英語と数学が習熟度別授業になるほか、学力が伸びた生徒には選抜講座を受講させ、最難関大学受験に対応する学力を養成します。

 体験学習も充実しています。中1では和紙作りや乗馬体験など「挑戦」をテーマにした探究学習を行い、その成果をポスターセッションで発表します。中2は職場訪問や、2人1組で現地の家庭にホームステイをするカナダ語学研修があります。これは「自分発見の活動」として位置づけられています。中3では「未来への探求」をテーマに、企業と提携してキャリア教育などを実施します。昨年度の中3は「社会に変化をもたらす可能性の追究」を軸に協働学習を行い、その成果を発表しました。

 生徒寮には専任教員が住み込み、生活面や学習面を手厚くサポートしながら、自立(律)心と社会性、思いやりの心を養っています。小市先生は「学校の延長ではなく、家庭の延長といえるようなぬくもりを感じる寮で、親睦を深めてほしい」と話し、特に中1には中学校生徒寮「聖朋館」に入寮することを勧めています。学習面では、毎日1時間半の「夜の学習会」が開かれ、授業の予習・復習に取り組むほか、週末には高校生が中学生に勉強を教える「学習サポート」もあります。各界から招いたゲストと理事長による対談や、平日の夜に40分程度の軽いスポーツイベントを行うなど、寮ならではの活動も充実しています。今年度からは寮生の提案により、寮の委員会活動もスタートしました。

 英語教育にも力を入れています。具体的には、複数の外国人教員が在籍することや、週1回のオンライン英会話、学生インターンシップの受け入れ、外国人教員と英語を楽しむプログラム「Active Conversational English」などを実施していることが伝えられました。

イメージ写真 最寄りの佐久平駅は、東京駅から北陸新幹線で75分ほどの場所に位置し、比較的アクセスしやすい環境です。来年度には同校を運営する学校法人が、長野県内に小学校2校を開校させる予定です

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