受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東京純心女子中学校

2023年5月31日(水)

FYMプロジェクトが本格始動。多彩な体験学習を通して自分の使命を見いだす

 長崎市のカトリック修道会「純心聖母会」を母体とする東京純心女子中学校は、「聖母マリアのように神様にも人にも喜ばれる、清く、賢く、優しい女性を育てます」という建学の精神を掲げています。英語教育に定評があるほか、2023年度からはカリキュラムを大幅に刷新して体験学習にも注力するようになりました。高校では難関国公立大学をめざす「特進プログラム」と、多様な進路に対応した「セレクトデザイン」の2コース制を導入し、夢の実現に向かって努力する生徒にしっかりと寄り添いながら「自律する学習者」の育成をめざします。

 この日のオンライン説明会は、5月20日に開催された同校主催の学校説明会の動画を上映する形式で行われました。あいさつに立った校長の森扶二子先生は、聖書の一節から「Come and see.(ついて来なさい。そうすればわかる)」というイエスのことばにスポットを当て、「体験すること」の大切さについて、「実際にその場に身を置き、物事を目にすれば、得られるのは知識だけではありません。多くの体験を重ねながら自律的・主体的に学び、神様から一人ひとりに与えられた自分の使命を見いだし、平和な未来をつくることに貢献できる人に成長していってほしいと願っています」

 「英語の純心」とうたわれ、実践的で水準の高い英語教育を展開する同校では、体験学習の一環として複数の留学制度を設けています。なかでもターム留学は、オーストラリアでホームステイをしながら現地校に通う約2か月間のプログラムです。特進プログラムコースの生徒は原則として全員が参加します。セレクトデザインコースの生徒も希望者から選抜された2名が参加できます。この日の説明会では、各コースの留学経験者(現・高2)が2名ずつ登壇して体験談を語りました。英語力やコミュニケーション能力が向上したという話ばかりではありません。「日本と海外との常識の違いを知り、物事を客観的にとらえたり、他者の意見を受け入れたりできるようになった」「日本では母に依存していた弁当作りや洗濯を自分でするようになり、上達するにつれて自信がついた」「積極性が芽生え、生涯つき合える親友ができた」「将来は日本と海外との架け橋になりたい」などというコメントを多く耳にしました。

 次に、中学1学年リーダーの早川幸子先生が、現在の中1の学校生活を写真とともに紹介しました。入学式に始まり、新入生歓迎会、校歌の練習、オリエンテーションキャンプと続くなかで、日に日に生徒の表情が豊かになっていく様子がうかがえました。

 また、続いて登場した中学3学年リーダーの佐東八千代先生は、入学から2年あまりで、自己管理力や自学自習の姿勢が身についた生徒が多いことを挙げ、「特にその成長がよく見えるのが『学び方』という総合型学習です。情報を探し、読み、評価し、使いこなすといった探究学習の基盤となる力を身につけられるよう司書教諭や学年教員が連携して指導していますが、生徒4人に教員1人がつく手厚さです」と述べました。

 2023年度から本格始動した「FYM(FIND YOUR MISSION)プロジェクト」という活動も成長を後押ししているといいます。これは生徒が神様から与えられた使命(MISSION)を見いだすための学習と体験のプログラムです。2023年6月現在、43の学力養成講座のほか、体験講座も40あります。野菜栽培などを行う「労作ゼミ」、弁護士と憲法について学ぶ「憲法カフェ」、スポーツ体験、菓子作りなどです。生徒は自分の興味や関心に従っていくつでも選択できます。佐東先生は「FYMの最大の目的は、自分が本当にやりたい物事を発見することです。これからの時代は志をしっかり持つ学生が求められるので、体験の機会が豊富な本校は貴重な存在になるはずです」と意気揚々と語り、説明会を締めくくりました。

イメージ写真 JR「八王子」駅、京王線「京王八王子」駅から急行バスで約13分。キャンパスの総敷地面は積約6haで、高台に位置する緑豊かなミッションスクールです

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