受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

開智中学校

2023年5月31日(水)

探究・発信型プログラムを充実させ、みずから学ぶ姿勢や思考力を育てる

 開智中学・高等学校は「平和で豊かな世界の実現に貢献する創造力・発信力・コミュニケーション力を持った国際的リーダー・スペシャリストの育成」を教育理念に掲げる中高一貫の進学校です。「高度な教科学習の実践」「探究・発信型学習の実践」「生徒の自主性の育成」の三つを教育の柱としています。

 説明会の冒頭、校長の菅沼健児先生は「先行きの不透明な現代では、自分自身の手で人生を切り開く力を培うことが必要です。そのために、わたしが校長に就任した3年前に『外へ、未来へ』という学校目標を立てました。これには『学校の外にも目を向け、視野を広げてほしい』という願いが込められています。生徒たちもこの目標に応えるように、さまざまな活動に挑戦し始めています」と述べました。具体的には、模擬国連大会、数学オリンピック、SDGs(持続可能な開発目標)に関連したプログラム、地域のボランティア活動、地産地消プロジェクトなどへの参加です。

 同校が力を注いでいるのが、開校以来20年以上続く「探究・発信型学習」です。これは日常生活のなかで課題を発見し、仮説を立て、検証・考察を繰り返して思考力・探究力を養い、発表のスキルも培うというものです。疑問を感じたことについて個人で「探究テーマ」に取り組むほか、「磯のフィールドワーク」(中1)、「森のフィールドワーク」(中2)、「関西フィールドワーク」(中3)、首都圏フィールドワーク(高1)といった学年ごとに異なる多様な校外学習を設けています。その集大成となるのが、高2での英国フィールドワークです。生徒たちは現地の大学生に英語でプレゼンテーションをして、ディスカッションを行います。また、中学の道徳の時間は「哲学対話」として、「青春とは何か」など、 “正解のないテーマ”を生徒たち自身が挙げて議論を繰り広げます。「この授業では他人の意見を聞いたうえで、自分の考えを伝える力をつけていきます。テーマによっては、みんなで相談しながらさまざまな問題に粘り強く取り組む力や、より良い解決策を見つける力も磨かれます。生徒たちはこうした授業を通して培った力を部活動や学校行事でも発揮していますが、大学生や社会人になったときにもぜひ役立ててほしいと願っています」と菅沼先生は期待を込めました。

 2021年度からは中1~高1で進路別に分けた4コース制を採用しました。東大などの難関国公立大学や難関私立大学をめざす「先端IT」コース、医歯薬獣医系学部をめざす「先端MD」コース、グローバルな職業やIT業界など最先端分野をめざす「先端GB」コース、4年間の探究型学習を通じてじっくりと将来を考える「先端FD」コースが設けられています。菅沼先生は「コースは入学時に生徒自身が選べます。各コースの人数制限もありません。変化の激しい現代では、将来の目標や夢が変わるのは当然なので、中3ではコース変更も可能にしています」と述べました。今年度からは「先端特待入試」か「算数特待入試S」で特待合格者し、先端ITを選んで入学した生徒が「ガウス数学チーム」という数学の特別授業を受けられる制度もスタートしました。

 高2からは文系・理系・医薬系に分かれた進路別のクラス編成となります。同校は国際バカロレア(IB)のディプロマ・プログラム(DP)の候補校であるため、2025年度からは、これにバカロレアDPのクラスも加えられる予定です。

 日々の学習のフォロー体制や進学指導についても説明がありました。各学年で英語・数学を中心に、定期的な補習があり、長期休暇中には講習が開講されます。英検®対策の講座も開かれており、高2の秋以降には大学受験対策の放課後特別講座などを受けることもできます。夜8時50分まで利用できる自習室を校内に設けるなど、手厚いサポート体制についても伝えられました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 スポーツ施設も充実しており、四つのグラウンドをはじめ、フットサルコート、ハンドボールコート、温水プールなどを完備しています

ikkanbu.kaichigakuen.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ