受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

頌栄女子学院中学校

2023年6月6日(火)

高雅な品性や豊かな国際感覚を備えた、社会に貢献・奉仕できる女性を育成

 頌栄女子学院は、現在の校長・岡見清明先生の曽祖父・岡見清致先生によって1884年に設立された女子進学校です。「神の栄光をほめたたえる」という意味の校名「頌栄」が示すように、キリスト教の教えを基盤とした教育によって、高雅な品性や豊かな国際感覚を養い、社会のために貢献・奉仕できる人材を育てています。

 あいさつに立った岡見先生は、「本校が大切にしているのは『基礎学力をつけること』『自発的に取り組む気持ちを奮い立たせること』『生徒が満足のいく進路に導くこと』の三つです。あわせて、女子としての品性と情操を磨くよう、きめ細かい指導を実践しています」と語りました。同校の一日は毎朝の礼拝から始まり、週1回の聖書の授業は必修科目となっています。また、強制ではありませんが、日曜日には教会に行くことを推奨しているため、40年前から週5日制をとっています。

 学院標語に「讃美と奉仕」を掲げ、年間を通してさまざまな奉仕活動を行っているのも特徴です。老人ホームを慰問する夏休みのワークキャンプ、障害者協会の方を招いての「ふれあい講習会」などをはじめとする活動には、生徒会が中心となって自主的に取り組んでいることが伝えられました。

 次に、学校生活全般について、生徒指導部長の塚田智矢子先生が説明しました。同校には35のクラブがあり、9割以上の生徒がいずれかに所属しています。なかでも、聖歌隊や模擬国連部は大会での受賞経験があり、弓道部はインターハイに出場するなど目覚ましい活躍をしています。学校行事や校外学習も豊富です。中学・高校のクラス別対抗で行う合唱コンクール、1974年から続いている研究発表会「コ・ラーナーズ・デイ」、奈良・京都を訪れる歴史研修旅行などが行われています。

 一方、国際理解プログラムや語学研修としては、イギリス語学研修(高校生対象)のほか、4年ぶりに実施されるカナダ語学研修(2023年度は高校生対象)などがあります。「ホームステイやアクティビティーを通して、現地の人々との交流を深めている」そうです。また、夏休み中の5日間、留学生を同校に招いて連日英語漬けで過ごす「グローバルスタディーズプログラム」という国内留学プログラムも毎年実施しています。

 教育課程と進路指導の説明は、教頭の小島和夫先生が担当しました。同校では全校生徒の約20%を帰国生が占め、高1までは1学年5クラスのうち3クラスが一般生と帰国生の混合クラスという編成です(2023年入学生は2クラスが混合クラス)。どの生徒も4年間で1回は混合クラスに所属するので、一般生も自然に英語に親しみ、多様な背景を持つ生徒たちと触れ合えます。英語の授業は高1までは週6コマありますが、そのうち2コマは外国人教員が担当し、クラスを2分割した少人数制で進めています。高2からは文系・理系に分かれ、高3では選択制の授業も行われます。

 進学指導においては、例年、卒業生の過半数が現役で国公立大学や早慶上智に進学していますが、2023年の春はその割合が62%に達し、過去最高値を更新しました。また、難関大学への指定校推薦枠も多数用意ありますが、ほとんどの生徒が一般入試での挑戦を選択するそうです。小島先生は「一般入試で合格できる学力を養うという方針のため、早めに進路が決まった生徒も卒業まで学びを続けています。大学合格はゴールではないからです。本校では大学入学後やその先を見据えた学力の養成に力を注いでいます」と語りました。

 最後は中学入試についてです。広報部長の湯原和則先生より、「算数では、解き方のプロセスが伝わるように計算式などを書く練習をしましょう」「社会では地歴公民の3分野の融合問題を出題する予定で、配点も大きめです」などのアドバイスがありました。

イメージ写真 都営浅草線「高輪台」駅から徒歩1分の立地ながら敷地内には緑が多く、グラウンドを囲む木々は港区保護樹林に指定されています。礼拝堂として使われる多目的ホールや武道場、礼法室などの施設も充実しています

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