受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

学習院中等科

2023年6月8日(木)

“目白の森”で文武両道の学校生活を送り、多様な個性の持ち主を育てる

 学習院中等科・高等科は、1847年に京都で開校した公家の学問所を前身とする男子校です。1877年に東京・神田に移り、私立の華族学校として創立されました。皇室との縁が深く、1884年には宮内省管轄の官立学校となり、1908年には目白の現在地に移転しました。戦後は学制改革を機に一般の学校法人となり、幼稚園から大学院までを擁する総合学園に発展しています。「ひろい視野、たくましい創造力、ゆたかな感受性」という教育理念の下、多様な個性を持った、社会に貢献できる人材の育成をめざしています。

 この日の説明会の冒頭、中等科・高等科科長(学校長)の髙城彰吾先生があいさつに立ち、「神田で創立された本校が、明治期にこの地に移転してから100年余り。もともと官立学校だったことから都内の一等地に20万㎡もの敷地を有し、構内には緑があふれています。また、伝統的に自由を重んじる校風で、生徒が伸び伸びと育つ環境が整っています」と述べました。

 各学年とも約40名のクラスが五つと、比較的小規模であることに加え、ホームルームのすぐ横に主管(担任)室を置いているため、教師と生徒の距離が近い点も特徴です。生徒指導においては学校や教師の考えを押しつけることはありませんが、各年齢で身につけるべき素養はしっかりと培い、「自分でものごとを考え、みずからの進路をきちんと決められる人間を育てる」ことを目標としています。その前提に立ち、髙城科長は「一番の自慢は、何といっても生徒たちです」と語りました。

 続いて、学校生活の様子を記録した動画が上映されました。授業・クラブ活動・運動会・文化祭・校外教育などでの生徒たちの様子がよくわかりました。

 次に、教務課長の土屋良太先生が教育課程について説明し、「本校の教育目標は『多様性を認める』『個性を伸ばす』の2点で表されます」と語りました。その実現に向け、中等科では各教科を細分化し、より詳しく、わかりやすい授業を実施しています。たとえば、社会は地理・歴史・公民に、英語はリーダー・英会話・演習・LLというように分野ごとに分け、それぞれ専門の教員が指導します。また、すべての教科で必要なコミュニケーション能力の育成をめざし、国語・英語ではスピーチ、ディベート、プレゼンテーションなどを積極的に取り入れています。そして、数学・英語の授業は、中1より20名程度の少人数制で実施します。数学は中3から、英語は中1から習熟度別での分割授業として、それぞれの生徒が自分の理解度に合わせて学べるような配慮がなされています。さらに、中1・2では各クラスから英語の能力が特に秀でた生徒を5名程度選抜し、週に1時間、よりハイレベルな内容を学ぶ取り出し授業も行っています。

 中3では、生徒全員を対象とした選択制の授業も週に1時間導入されています。ネイティブ教員がオールイングリッシュで指導するコース、英字新聞や洋楽を教材にするコースなど10種類の選択肢があり、生徒は自身の興味に応じた内容の授業を選べます。国際教育にも注力しており、中等科ではホームステイをしながら現地校に通う10日間のニュージーランド短期研修などに参加できます。「一貫校の利点を生かし、学習院大学と連携した課外授業も設けています。大学教授が各専門分野についてレクチャーする『出張講義』や『特別授業』、夏休みに大学の研究室で実験に臨む『理学部研究室体験』など、生徒の好奇心を刺激する内容となっています」と土屋先生は話しました。

 最後に、生徒課長の松本和博先生が生徒活動について紹介しました。「本校では学習面はもちろん、あいさつ・ことば遣い・服装・礼儀なども日々きめ細かく指導しています。授業で積極的に発言することや、行事などで率直に自分を表現することが肯定される開放的な雰囲気があります。また、球技大会や運動会ではアグレッシブに相手に挑むような活発な子も多く、どんな子にもその個性に合わせた居場所がある学校です。おおらかで礼儀正しい子がたくさんいて、自分らしく6年間が過ごせるので、青春時代を文武両道で一生懸命に過ごしたいというお子さんには、おすすめの学校です」と結びました。

イメージ写真 JR「目白」駅からすぐの好立地に、東京ドームの3倍以上という広大な敷地が広がります。かつてはこのキャンパスだけで、豊島区の樹木の3分の1があったそうです

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