受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

北嶺中学校

2023年6月10日(土)

「めざすなら高い嶺」を合言葉に、文武両道の教育を通して心豊かな未来のリーダーを育成

 北海道札幌市郊外にある北嶺中・高等学校は、「めざすなら高い嶺」をスローガンに掲げる男子進学校です。校技として柔道とラグビーを必修とし、柔道では95%以上の生徒が在学中に初段を取得します。中1~高2で「全校登山」を実施するなど、チームワークや目標達成力を重視したリーダー育成教育に定評があります。難関大学や医学部医学科への高い合格実績でも知られ、2023年春には国公立大学(準大学を含む)に113名が合格しました。そのうち東大は9名(現役8名)です。国公立大学医学部医学科(防衛医科大学校を含む)への合格者数は37名で、そのうち現役は31名にのぼります。

 SAPIX代々木ホールで開催されたこの日の説明会では、寮監長を兼務する校長の谷地田穣先生が学校生活や寮生活の様子などについて説明しました。全校生徒750名のうち、380名が併設の「青雲寮」で生活しています。その出身地は北海道が3分の1、道外が3分の2という割合で、本州出身の生徒は278名だそうです。また、医学部医学科に進学する卒業生が非常に多いことで知られる同校ですが、それについて谷地田先生は、「学校として、医学部への進学を誘導することは一切ありません。いろいろな大学や学部に関心を持ち、医師とは違う仕事にも目を向けて、幅広い視野で進路について考えるように指導をしています」と強調しました。

 2024年度の入試日は1月8日で、北海道内の5都市のほか、仙台・東京・名古屋・大阪で行われます。特待選抜入試において、成績が上位約1割に入った合格者は入学金や授業料が免除され、奨励金(月額1万円)が給付されます。また、学習支援体制を整えた「青雲寮」に入寮できる「青雲寮コース」にも自動的に合格となります。

 同校では、入学を考える家庭を対象に、個別見学、オープンスクール、そして各地での学校説明会を実施しています。学校を見学した家庭には、「見学証明書」が発行され、これがあれば東京・名古屋・大阪会場でも、学校見学をしていない「併願B」より有利な「併願A」という枠で受験することが可能になります。谷地田先生は「昨年は400組以上のご家族が個別の見学に来られましたが、本州在住の方が圧倒的に多いです。今年の見学者数はすでに、昨年の同じ時期までに比べて多くなっています」と話しました。

 同校の大きな特色として、谷地田先生が挙げたのは、1学年が120名で3クラス編成という小規模校ならではの、きめ細かい指導体制です。中1から週37時間の授業時数を確保し、生徒たちの学習の理解度をしっかりと確認します。習熟度別授業も取り入れられており、放課後や長期休暇中には講習が開講されます。こうした個々の能力に合わせた指導により、難関大学進学を見据えた学力を養います。

 生徒たちの学習意欲を刺激する探究プログラムも多彩です。最先端の医療を知る「北嶺メディカルスクール」、法学への理解を深める「北嶺ロースクール」、グローバルリーダーの育成をめざす「G(グローバル)プロジェクト」、科学分野の見聞を広める「S(サイエンス)プロジェクト」、マーケティングやファイナンスに触れる「北嶺ビジネススクール」、コンピュータ・サイエンス教育を行う「北嶺プログラミングAcademy」、北海道の自然や歴史を学ぶ「HOKKAIDOプロジェクト」、芸術や芸能に触れ合って感性や創造力を磨く「北嶺カルチェラタン」があり、どれも生徒たちが「本物に触れる」ことに主眼を置いています。なかでも、Gプロジェクトは、高1全員がボストンとニューヨークで全12日間のグローバルリーダー養成プログラムを体験します。事前準備学習として1月にハーバード大学の学生を招き、「北嶺ハーバードキャンプ」(中3・高1対象)を実施しますが、生徒はここでのワークショップを通じて英語でのコミュニケーション能力・プレゼンテーション能力を高めます。そして3月にハーバード大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)を訪れ、大学教授や大学院生による特別講義を受け、現役の学生たちとのワークショップに臨むという充実した内容です。谷地田先生は「学年全員でアメリカの名門大学を訪問するのは、日本国内では本校だけでしょう」と語りました。

 最後に、青雲寮についても説明がありました。青雲寮には、寮母と看護師の資格を持つ養護教諭2名が常駐し、生徒の体調管理を行っています。夕食後の夜7時から11時までが夜間の学習時間とされ、北海道大学医学部や札幌医科大学で学ぶ卒業生がチューターとして寮生を完全サポートしています。寮生向けのレクリエーションも豊富で、新入寮生歓迎ボウリング大会、プロ野球観戦、ジンギスカン祭りなど、楽しいイベントが毎月行われているそうです。谷地田先生は「学校見学や寮見学は常時受け付けていますので、事前にご連絡のうえ、ぜひ本校へお越しください」と結びました。

イメージ写真 ボルダリングウォールやサウナ、大展望風呂などを備えた新寮棟と、ルーフトップテラスがある食堂棟が完成し、寮生の生活環境がさらに充実しました 

www.kibou.ac.jp/hokurei/ 別ウィンドウが開きます。

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