受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

国士舘中学校

2023年6月17日(土)

生徒の夢の実現をバックアップ。社会生活に必要な「生きる力」を育てる

 国士舘中学校・高等学校は、世田谷区の閑静な住宅地にキャンパスを構えています。1923年に国士舘中等部が設置されて以来、男子校として歴史を歩んできましたが、1994年に共学の中高一貫校となりました。国士舘大学の併設校として「こころの教育」が重視され、礼儀作法や倫理・道徳観を養い、社会生活に必要な「生きる力」を育てています。

 この日のオンライン説明会は、教頭の神山優子先生が担当しました。国士舘は、幕末の長州藩の志士・思想家である吉田松陰の教えの系譜を継ぐ私塾として、柴田德次郎によって、1917年に設立されました。こうした沿革に触れた神山先生は、「夢なき者に成功なし」という吉田松陰のことばを紹介し、「本校は、生徒たちの夢(=目標)の実現に向けて、それぞれの家庭と連携しながら、『目標を達成する力』を育てていく学校です」と強調し、いくつかの実践内容を紹介しました。

 一つ目は、週1時間の「書写」「武道」の授業です。これは知識や技術の習得だけに偏らず、「礼節」の心を学び、相手の身になって考える心を培う目的で行われています。

 二つ目は、学校を中心としたサポートが特徴の「オールインワンサポートシステム」と呼ばれる学習指導です。毎日の朝学習では国語・数学・英語の小テストやワークに取り組み、約40分間の「放課後学習」ではそれらの振り返りを行います。この「放課後学習」では教員の指導の下、日々の授業の復習や予習など、生徒自身が必要だと感じる学習に取り組むこともできます。また、自習室「K-Improve」には個別ブースがあり、自学自習の習慣づくりをサポートしています。定期試験や長期休暇の前後には、弱点克服やさらなるステップアップをめざして、きめ細かいフォローが行われています。

 三つ目は、「生活と学習の記録」というノートを使ったタイムマネジメントです。生徒はこのノートに毎日、学習状況や生活について記録して提出します。すると、先生はその日のうちにコメントを記入して返却してくれます。こうしたやりとりを通して、生徒一人ひとりの心の変化を捉えながら、人間的成長を後押しする環境を整えています。

 同校は週6日制ですが、中2・3では毎週土曜日を「フレキシブルサタデー」として、時間割に縛られない活動に取り組んでいます。たとえば、語学研修前には英語の授業に充てる、学校行事前にはクラスごとの活動を増やすなど、学校生活をさらに充実させるための時間として活用しているのです。

 「体験から学ぶこと」も重視しています。学校行事は年間46回ほど(定期試験・検定を含む)実施され、さまざまな体験を通じて生徒の視野を広げる場となっています。中1の4月に行われるオリエンテーションでは、2泊3日の野外活動で親睦を深め、中3の9月に実施される下田移動教室では、シーカヤックやシュノーケリングなどを体験します。そして、毎年10月の芸術鑑賞会では、劇団四季や宝塚歌劇団の演目を鑑賞します。国際教育にも力を注ぎ、ネイティブ講師による英語の授業を各学年で行っているほか、TOKYO GLOBAL GATEWAY(東京都)やブリティッシュヒルズ(福島県)での英語研修も実施しています。

 中学校から大学までが一体となり、国士舘全体で取り組んでいるのが防災教育です。東京消防庁などの協力の下、VR防災体験車を使って地震や火災を疑似体験するほか、救命講習ではAEDの使い方などを定期的に学び、命の尊さについて考えます。

 中2からは2コース制へと移行し、成績に応じて「選抜クラス」と「進学クラス」とに分かれます。高校も同じく2コース制で、大学に進学する卒業生は約9割ですが、そのうち約4割が国士舘大学に進みます。神山先生は「常に温かく生徒に向き合い、全力でフォローしています。個別の授業見学にも対応しておりますので、ぜひお問い合わせください」と締めくくりました。

イメージ写真 緑豊かなキャンパスで、生徒の心を育てる「心学」と、社会の一員として人々の先頭に立って活躍する力を養成する「活学」が実践されています 

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