受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

富士見中学校

2023年6月16日(金)

自分と、人と、課題と向き合う「17の力」を育て、社会に貢献できる自立した女性を育てる

 1924年に発足した富士見高等女学校を前身とし、1940年から現在の山崎学園による運営になった富士見中学校高等学校は、「純真・勤勉・着実」を建学の精神に掲げる中高一貫の女子校です。

 説明会の開始前には、体育祭の伝統行事である高3生の創作ダンスの映像が上映されました。その後、あいさつに立った校長の佐藤真樹先生は、「教育目標の『社会に貢献できる自立した女性の育成』の実現に向けて、本校では生徒たちが『自分と、人と、課題と向き合う力』を育てていきたいと考えています」と述べました。具体的には、「自分の意見を形成する力」「聴く力」「課題を発見する力」などから成る「17の力」を育てようと、多彩な取り組みを実践しています。佐藤先生は「各教科の授業はもちろん、探究学習、グローバル教育、社会連携、生徒活動といった、学校生活のすべてに主体的に取り組むことが、『17の力』のベースとなります。さまざまな活動を通じて、『17の力』を少しずつ身につけながら、『こういう人生を送りたいな』『社会とこういうかかわりを持って生きていきたいな』という思いを生徒自身に持ってもらいたいと願っています」と結びました。

 次に登壇したのは、主に中2を担当する岩堀夏子先生です。6年間の探究プログラムの特徴として岩堀先生が挙げたのは、「成長段階に沿って設計されていること」「生徒が楽しく学べるように、多彩なアプローチから迫り、さまざまなアクションも行っていること」の二つです。中1では「問う」をテーマに、生徒個人があるモノについて探究していきます。中2では、グループ単位で「ねりま探究」というテーマに取り組み、学校のある地域について調査を進める過程で、インターネットや書籍以外にもさまざまな調べ方があることを理解していきます。中3では「my探究」をテーマに、自分の興味のあることに的を絞って卒業研究を行います。自分の考えを他者に「「伝える」という経験を通して、論理的に考える力や自分の意見を形成する力を身につけます。

 入試広報部長の藤川建先生からは、進路に関する説明がありました。2023年春の国公立大学への進学実績は、北海道大学3名、大阪大学1名、お茶の水女子大学2名、電気通信大学1名、東京外国語大学2名、東京農工大学2名などでした。難関私立大学への進学者についても、早稲田大学8名、慶應義塾大学5名などと、具体的な数字が挙げられました。藤川先生は「理系をめざす生徒の割合は年々増えています」と述べ、2022年の2学期から東京理科大学との教育提携が本格化した影響に言及しました。また、例年1割程度の卒業生が家政系、芸術系、体育系の学部・学科に進学するなど、進路の選択肢は多様です。藤川先生は「学校推薦型選抜(指定校推薦)の枠は100校分ありますが、本校の生徒の多くは、一般受験で希望する大学に挑戦しています」と強調しました。

 入試については、ここ数年、新型コロナ感染症の対応として各教科の試験時間をそれぞれ5分短縮していたのを、以前の時間に戻すことが発表されました。2024年度は国語・算数は各50分、社会・理科は各40分になります。

 最後に「生徒の学び ~成長の瞬間~」と題し、理科と英語の学習について説明がありました。理科では、新中1生が入学前の春休み時期を利用して桜を観察し、その内容をレポートにまとめて発表しているそうです。英語では、同校に勤務する外国人講師に向けた旅行計画を作成し、英語でプレゼンテーションする中3の「トラベルプランナーアワーズ」などが紹介されました。「いずれの教科でも、生徒が楽しみながら学べるよう、工夫を凝らしています。こうした取り組みを通じて一人ひとりの好奇心を育て、視野を広げ、論理的に考察する力を伸ばすとともに、『学びを得ようとする意識』を持てるように促しています」とのことです。

イメージ写真 「Learning Hub」と呼ばれる図書館は、学びの核としてさまざまな教科で利用されています。2階にはグループワークができるスペースがあり、プロジェクターやWi-Fiも完備されています

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