受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

獨協中学校

2023年6月16日(金)

幅広く学び、多くの人とかかわる6年間で、未来を担う「社会の優等生」へと成長させる

 1883年創立の「獨逸学協会学校」から発展した獨協中学校・高等学校は、日本でも有数の歴史と伝統を持つ完全中高一貫の男子校です。「日本近代哲学の父」と呼ばれる西周が初代校長で、知育・徳育・体育の三育と教養教育の重要性を説いたその教育理念を受け継いだ、社会に貢献する人材を育てる先進教育が実践されています。

 校長の上田善彦先生は、4月の新入生オリエンテーション、臨海学校(中1)、林間学校(中2)、海外研修プログラムといった行事を紹介しながら、「新型コロナの影響で中止となっていたものも、今年度は通常どおり実施します。生徒たちは仲間と共にいろいろなことに挑戦し、興味・関心の幅を広げながら、たくましく成長しています」と報告しました。

 同校では、男子の成長曲線に合わせ、中高6年間を2年ごとの3ブロックに分けて教育を展開しています。「中1・2の『基礎学力養成期』では、特に学習習慣を身につけさせることを徹底しています」と話すのは、教頭の坂東広明先生です。その一例として、みずからスケジュール管理を行うための「獨協手帳」が挙げられました。「ただ記入させるだけではなく、定期的な振り返りも促し、マネジメント能力を養成します。ノートの取り方も指導し、自学自習の姿勢を養っていきます」とのことです。さらに、単元ごとに実施される小テストでは、学習の遅れが心配される生徒に指名制の補習を実施。一方で、発展的なテーマに取り組む特別講習を開講し、学ぶことへの興味・関心を引き出していきます。

 続く「学力伸張期」(中3・高1)で伸ばすのは論理的思考力です。中3で取り組む「研究論文」では、テーマ選びから調査・研究までを1年かけて行い、学年末には優秀者による発表会が開催されます。さらに、蔵書数8万冊以上の図書館を利用した「読書会」、近隣の史跡を巡る「学校周辺文学散歩」など、生徒の学習意欲を高め、幅広い学びを実践していることが紹介されました。高2・3の「学力完成期」は、生徒自身が進路を具体的に考える時期となりますが、坂東先生は「大学進学にとどまらず、社会を見通す力の育成を重視しています」と語りました。

 外国語教育を主軸としたグローバル教育にも定評があります。英語は、週6コマのうち2コマを実用的な練習を繰り返すアウトプットに充て、中2からはオンライン英会話も実施しています。坂東先生は「4技能をバランスよく鍛える方針です。学年ごとのコンテストでは、語学力に加えパフォーマンスも評価し、表現力の向上を促します」と話しました。イギリスホームステイ(中3・高1)、ハワイ修学旅行(高2)、イエローストーンサイエンスツアー(高1・2の希望者対象)、ドイツ研修旅行(中3~高2の希望者対象)といった海外研修プログラムも充実しています。創立時からドイツ語教育に注力しているのも同校の特色で、高校では第2外国語としてドイツ語を選択できます。受講者はドイツに短期留学できるチャンスもあります。

 「環境教育」にも早くから取り組み、キャンパス内には在来種の樹木を植えた「獨協の森」、屋上菜園、ビオトープなど、日常的に自然と向き合える施設があります。それらの管理や緑化活動を担当しているのは、中1から高2までの有志で構成されている「緑のネットワーク委員会」です。自分たちで楽しむだけではなく、地域の方々を招いて野菜の収穫やホタルの観察などを行ったり、小学校への出張授業に出向いたりとファシリテート活動にも発展させるとともに、研究成果を大学などの機関に発表することもあるそうです。

 系列の獨協医科大学医学部へは、2021年度に「系列校推薦枠(獨協高校と獨協埼玉高校の生徒が対象で約10名)」が新設され、この春には卒業生11名がこの制度を利用して同大学に進学しました。獨協医科大学の講義・講演や獨協大学の留学生との交流会など、キャリア教育や学習面での高大連携体制も整備されています。

イメージ写真 柔道場やアーチェリー場などを備えた100周年記念体育館、体育館上グラウンドなど、運動施設も充実しています 

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