受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

成城学園中学校

2023年6月23日(金)

「自学自習」「自治自律」の精神を基に、課題に対して積極的に行動できる力を養う

 1917年、成城学園は当時の教育界のトップリーダー・澤柳政太郎によって、まず小学校が設立されました。中学校の開設は1922年のことで、1926年には7年生の高等学校となりました。「天分を伸ばす」「自学自習」「自治自律」の精神に基づき、子どもたちの自主性を尊重する教育方針は、このころから受け継がれているものです。

 説明会の冒頭、登壇した校長の中村雅浩先生は、「本学園には初等学校、中学校、高等学校とがあり、いろいろな年齢の新入生が入ってきます。異なる経験を積んだ児童・生徒が集うのは、本学園の魅力の一つです。今後、子どもたちが持つ『人間力』と結びつけて、多様な活動をしていきたいと考えています」と話しました。

 続いて、撮影・編集をすべて生徒と教員とで行った手作りの学校紹介動画が上映されました。入試広報部長の青柳圭子先生は、「本校では、目の前の課題を自分事として捉え、自主性を持って積極的に行動することを大切にしてきました」と語ります。その例として、「60年以上前に生徒たちが古新聞の回収で得た資金でグラウンドに植えたサクラの木」「生徒・教員・保護者が協力しながら田んぼを埋め立てて作ったグラウンド」「生徒が作詞・作曲を手がけた校歌」などが挙げられました。

 カリキュラムについては、中高6年間を3段階に分け、中1・2は「基礎・基本の充実」を、中3・高1は「応用・発展の習得」を、高2・3は「自己実現へ前進」をそれぞれテーマとして学習を進めています。中1・2での特徴的な取り組みに「海の学校」「山の学校」があります。ここでは心肺蘇生の実習、着衣水泳などを通して命の尊さ、協力することの大切さを学びます。中3・高1では探究教育と選択授業が始まり、より主体的に学ぶ姿勢を身につけます。そして高2・3では希望進路別のコース制となります。成城大学への内部推薦希望者が中心の「Aコース」、難関大学の文系学部をめざす「Bコース」、医歯薬理工系学部をめざす「理数コース」の3コースに分かれるのです。今年度からは新たに「ゼミナール」も始まりました。50年以上にわたって実施してきた「ゼミ」を改称したもので、論文の執筆やプレゼンテーションなど「発信」を重視したさまざまな学びを実践します。「狙いは大学での学問につながる幅広く奥深い知識を養うとともに、探究スキルを習得すること」と青柳先生は言います。

 英語教育では、独自の指標に基づく一貫教育プログラムを導入しています。授業を通して「聞く・話す・読む・書く」の4技能を総合的に伸ばしながら、国際人として英語を運用できる表現力を身につけることが目標です。オーストラリア短期留学、姉妹校であるアメリカ・メリーランド州のマクダナ校との交換留学など、さまざまなプログラムがあり、今後さらに拡充していく予定だそうです。

 論理的思考力を高める理数教育も重視しており、オリジナルのプリントを中心に授業が行われています。中1の理科の授業では約3分の2の時間を実験・観察に充てています。高校の「課外教室」も、特徴的な学びの一つです。約25のコースがありますが、高1~3の間にそのなかから最低一つには参加しなければなりません。参加したいものがたくさんあるなら、上限はないとのことです。

 成城大学への内部進学率は50~60%で、進学に当たっては高校3年間の成績が選考基準となります。付属校でありながら、他大学進学のためのサポート体制も整っており、内部進学の権利を保持しながら他大学を受験することも可能です。

 最後に、入試について説明がありました。漢字・計算・基礎知識といった標準問題が中心で、4科目のすべてで記述問題が出題されます。また、①第1回に不合格で第2回を受ける場合、第1回の合計点の5%が第2回の得点に加点される、②追加合格者は、第1回・第2回の両方を受けた受験生のなかから選ぶ、といった優遇制度が設けられているそうです。

イメージ写真 蔵書数約7万冊の図書室には、それぞれの学習スタイルに合わせて自習に取り組めるスペースが豊富に用意されています 

www.seijogakuen.ed.jp/chukou/ 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ