受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

暁星中学校

2023年7月10日(月)

キリスト教の奉仕の精神を基盤に、社会に貢献できる人材を育む

 暁星学園は、1888年にフランスとアメリカから来日した修道会「マリア会」の宣教師によって設立されたカトリックの男子校です。創立当初から英語とフランス語の両方を必修科目とし、多言語・多文化主義の教育を実践しています。

 説明会で登壇した校長の髙田裕和先生は、「本校は135年の歴史のなかで、多様性を重んじた教育を心がけてきました。大学合格実績などの数字に固執するのではなく、いかに生徒一人ひとりの人間性を開花させていくかを大切にしています。学校選びでは、大難関大学への合格者数ではなく、その学校が6年間でお子さんをどう育てているかに注目してほしいと思っています」と語りました。

 次に、企画広報部長の川奈部智久先生より、フランス語教育について説明がありました。中学では英語とフランス語の両方が必修となっており、どちらか一方を第一外国語として選択すると、もう一方は第二外国語となります。第一外国語は週6コマ、第二外国語は週2コマの授業が設定されています。フランス語を第一外国語とするクラスは、2022年度より「エトワールコース」に改称され、内容も一新されます。中学のうちに段階的にオールフレンチでの授業に移行するほか、フランス語検定の取得も推奨し、フランス語圏の地理や歴史も学びます。川奈部先生は「本コースでは、年に1回校内で開催される『フランス語フェスティバル』でフランス語劇を披露したり、スピーチをしたりします。また、在日フランス人学校やフランスの姉妹校、フランス在住の暁星OBなどと幅広く交流しています。こうした授業以外の多彩な活動を通して、世界基準のフランス語能力を身につけています」と話しました。

 続いて、英語科の高橋秀彰先生が英語教育について説明しました。中学では緩やかなグレード別で授業を行っていますが、進度やテストは同一です。高橋先生は「ネイティブ教員による授業を週2コマ実施しているほか、家庭学習にも使える英語学習アプリを導入し、リスニング力・スピーキング力を強化しています。高校ではエッセイライティングの授業を年に3回行い、ネイティブ教員による添削指導によって、英語で的確に表現する力を磨いています」と説明しました。このほか、GTEC®やケンブリッジ英検といった検定試験を受検させており、フィリピンに2週間滞在する希望制の海外研修なども実施しています。

 外国語以外の学習の説明は、再び川奈部先生が担当しました。それによると、数学は中3から習熟度別クラスで学ぶとのことです。高2からは文系・理系に分かれますが、それぞれのなかで習熟度別授業が行われています。夏休みには1週間の夏期講習があり、教科横断型の講座も開設して、生徒の学習を多角度からサポートします。また、年5回の定期試験と年3回の実力試験を通して生徒それぞれの学力を把握しながら、長年のデータに基づく進学資料をもとに志望大学への合格可能性を予測して進路指導に生かしています。

 例年、医学部への合格実績が高いことも同校の特徴です。今春は卒業生157名のうち、医学部医学科に57名(うち国公立大学8名)が合格しました。川奈部先生は「例年、医学部医学科への進学率が高いのは、キリスト教の奉仕の精神から『人のために役立ちたい』と考える生徒が多いということもあるでしょう」と分析します。

 説明会の終盤には中1・2と高1の生徒が登場しました。高1生が司会を担当し、質疑応答する形式でしたが、「付属小からの内部進学生とは、席が近くなれば自然に仲良くなれる」「フランス語の授業では文法を一から学べて、テスト前には対策プリントももらえる」などと、生徒の目線から学校の魅力を紹介しました。このほか、「将来やりたいこと」については、「弁護士である親の会社を継ぎたい」「ユニセフなどで立場の弱い人を支援したい」「言語を覚えていくことと脳との関連性について研究したい」などと回答し、生徒それぞれが目的意識を持って、さまざまな進路をめざしていることが伝わってきました。

イメージ写真 二つの人工芝のグラウンド、五つの実験室、蔵書数約4万2000冊の図書館など施設は充実しています。2023年夏には新しい聖堂が完成予定です

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