受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

八王子学園八王子中学校

2023年7月20日(木)

「探究ゼミ」で視野を広げ、人格を尊重し合える寛容な心を育む

 八王子学園は、地元有志が資金を出し合って1928年に設立された、全国的にも珍しい学校です。当初は「勤労を尊び、他人(ひと)のために汗を流すことを厭わず、世の中で使える学問を身に付けた青年を、この多摩の地域に育てること」をめざして「多摩勤労中学」と称していましたが、1948年の学制改革で「八王子高等学校」となりました。中学校の開校は2012年です。

 同校の転換点は1945年8月2日、わずか2時間で市街地の約80%が焦土となった八王子空襲です。説明会の冒頭、入試広報の波平慎太郎先生は「八王子市民による手作り教育の場として歩んできた本校では、このような悲劇を二度と繰り返してはならないとみんなで話し合い、『人格を尊重しよう』『平和を心につちかおう』というスクールミッションを掲げました。それ以来、一人ひとりの個性を認め、他者に寛容な心を育てる教育を実践しています」と話しました。

 2016年から実践している「探究ゼミ」も、その一環です。生徒全員が自分自身の興味・関心と向き合い、課題解決能力・論理的思考力・プレゼンテーション能力を高めています。波平先生は「プレゼンテーション能力は一朝一夕には身につきません。6年間かけて、大小さまざまな発表を経験し、場数を踏んでいきます」と説明しました。前期は「八王子学」(中1)など学年別のテーマに取り組み、後期は大学のゼミのように学年混合のスタイルで、ハイレベルなプレゼンテーションに挑戦します。2021年から参加している「八王子市私学プレゼンテーションコンクール」では、6年間の探究ゼミで培ったプレゼンテーション能力を発揮し、同校が2年連続で優秀賞を受賞しました。

 クラス編成については、中1から高1までの4年間は「東大・医進クラス」と「特進クラス」の2クラス制をとっています。東大・医進クラスは30人弱で1クラス、特進クラスは30~35人編成で2クラスとなります。入学時は特進クラスだった生徒も、成績によって東大・医進クラスに上がることが可能です。教科書は基本的には同じものを使用しますが、東大・医進クラスではハイレベルな副教材も活用しながら、応用・発展的な学習を行っているのが特徴です。医学部を志望する生徒には、医学部の講師によるガイダンスなど、生徒の学習意欲を高めるためのイベントが数多く実施されています。また、両クラスとも英会話に力を注ぎ、1クラスを3分割して少人数制で行われる授業は、ネイティブ教員が指導しています。中3の97%が英検®3級、70%が準2級を取得しているとのことです。さらに、中3・高1では各種ガイダンスを通して将来のキャリアを真剣に考える機会を設けています。高校には「文理コース(特選コース・特進クラス・進学クラス)」のほか、リベラルアーツ系・音楽系・美術系の大学をめざす「総合コース」や、体育系の大学をめざす「アスリートコース」もあり、多様な生徒が互いに刺激し合えることも同校の魅力です。

 こうしたきめ細かい教育の成果は大学入試結果にも表れています。2023年春は、中学から入学した卒業生のうち44名が医学部・歯学部・薬学部・看護学部・栄養学部に合格しましたが、この数は前年の5.5倍でした。波平先生は「中3で行われる各種ガイダンスを通して具体的な目標を持ち、大学入試に臨んだ生徒が多かったようです」と話しました。

 続いて、学校生活についても説明がありました。規則正しい生活習慣と学習習慣を身につけさせることを重視する同校では、十分な家庭学習時間を確保できるよう、最終下校時間を午後5時30分としています。また、食育の観点から中学生は教室で班ごとに自宅から持参した弁当、または注文弁当を食べます。ただし、土曜日は中学生も食堂を利用できるそうです。

 いじめや不登校に関しては、担任だけではなく学年全体の教員と教育コーディネーター、カウンセラーが問題を共有し、家庭と密に連携して早い段階で対処しています。

 波平先生は、「本校は、さまざまな価値観に触れたい子に向いています。SNSでも学校の様子を発信していますので、ぜひご覧ください」と語り、説明会を締めくくりました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 JR中央線「西八王子」駅南口から徒歩5分の場所にあります。100周年に向けて、食堂のリニューアルや記念講堂の新設プロジェクトが進められています

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