受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

恵泉女学園中学校

2023年6月27日(火)

「聖書」「国際」「園芸」を柱とした教育により、平和な社会を実現する女性を育てる

 キリスト教精神を基盤とした教育を実践する恵泉女学園中学・高等学校の創立者は河井道です。新渡戸稲造の勧めでアメリカのブリンマー大学に留学し、帰国後は女子英学塾(現在の津田塾大学)の教授を経て、YWCA設立活動にも尽力した女性です。第一次世界大戦を経験した河井氏の「広く世界に向かって心の開かれた女性を育てなければ戦争はなくならない」という思いを受け継ぐ同校は、平和な社会を実現する女性の育成をめざしています。

 同校は小田急線「経堂」駅から徒歩約12分の閑静な住宅地にあります。この日の説明会は、朝には讃美歌が響き渡るフェロシップホールで開催されました。学校紹介DVDが上映された後、同校の卒業生でもある校長の本山早苗先生が登壇し、三つの教育基盤「考える恵泉」「英語の恵泉」「園芸の恵泉」について説明しました。

 「神を畏れ 人を愛し いのちを育む」を理念に掲げる同校では、「自ら考え、発信する力を養う」ために、さまざまな取り組みを通して生徒の自主性を育んでいます。その象徴の一つが自由服での登校です。制服がなく、校章をかたどったバッジかペンダントをつければ、服装やカバン、靴などに制約はないことについて本山先生は「服装は個性を表現し、己を知る手立てとなりますが、一方ではTPOに合わせる必要があり、相手に礼を尽くすものでもあります。生徒自身が『その日にふさわしい服装かどうか』を考えることが大切なのです」と話します。

 そして、人間教育の土台となるのがキリスト教です。毎朝の礼拝では、日常生活のなかで感じたり考えたりしたことを文章にまとめ、ほかの生徒たちに伝える「感話」が全員持ち回り(年に3回)で行われますが、これにより、自己を見つめる力、表現力、他者に寄り添う共感力が養われます。本山先生は「中1では原稿用紙数枚程度しか書けなかった生徒も、高3になれば8枚以上書き上げるようになります」と述べました。

 国際理解に必要な英語力を養うため、開校時より英語教育に注力しているのも特徴です。中学では「確実な基礎力の養成」をめざし、検定教科書とオリジナル教材を併用して行われる授業を軸としながら、単語テストやレッスンテストもこまめに実施しています。また、どのような間違いをしたかを自己分析させるために「直しノート」の提出を義務づけ、小テストの成績が一定の基準に満たない場合は指名制の補習の対象となります。さらに、高校では習熟度別授業や選択授業が取り入れられており、英語力を試す機会として、ネイティブ教員とのセッションや英語スピーチコンテストなども開催されています。こうした成果は外部試験でも示され、昨冬に5年生(高2)全員が受検したGTEC®の平均点は952点と、全国平均の781点を171点も上回ったそうです。

 創立以来続く「園芸」の授業は、中1と高2で週2コマあり、いずれも必修です。畑を耕し、種をまき、収穫するまでの過程を通して、仲間と共に苦労や喜びを分かち合います。命の尊さを知るとともに、感謝する心、生きる力、周囲と協働する力が養われる場にもなっています。中2では山梨県の清里高原で2泊3日のファームワークも行われます。このように、五感を使って自然や土の恵みを知る体験が、「労働と食」「自然との共生」「環境問題」などを考えるきっかけになっているのか、農・畜産・獣医・薬・環境などの学部・学科に進学する卒業生も多いそうです。ほかにも、グループごとにテーマを設定し、実験・結果分析・結論発表に取り組む「探究実験」や、専門家の指導の下、継続的な研究に挑む「サイエンスアドベンチャー」など、生徒の興味・関心を広げ、主体的な学びに導く取り組みが実践されています。その結果、工学系を含む理系分野への進学者が36%にまで増加しました。

 生き方を考えるキャリア教育も充実しており、働く現場を知り、社会貢献について考える「企業訪問」や、高大連携協定を結ぶ順天堂大学や東京女子大学による医学や経済学の講義が行われています。ほかにも、上級生や卒業生の話を聞くプログラムが豊富です。

イメージ写真 ガジュマルの樹が枝を広げるメディアセンターは、約9万冊の蔵書を誇る図書室、目的に応じて使い分ける二つのコンピュータ教室、学習室、放送スタジオなどを備えており生徒たちの自立的な学びを支えています

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