受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

鶴見大学附属中学校

2023年7月26日(水)

禅の教えに基づく人間教育を実践し、どのような場所でも自分らしく輝ける人を育てる

 曹洞宗大本山總持寺(そうじじ)を母体とする鶴見大学附属中学校・高等学校は、2024年に創立100周年を迎える伝統校です。約50万m²の広大なキャンパスには、幼稚園や大学、大学歯学部の附属病院などもあり、落ち着いた学習環境が整っています。中学校・高等学校では、学力向上・人間形成・国際教育を三本柱に、自立の精神と豊かな知性を育み、国際社会に貢献できる人材の育成に努めています。

 この日のオンライン説明会では、入試広報部の阿部未来先生が学校概要と教育内容について説明しました。禅の精神に基づいた人間教育を重んじる同校の建学の精神は「大覚円成(だいがくえんじょう)」と「報恩行持(ほうおんぎょうじ)」です。「これは『感謝を忘れず真人(ひと)となる』と言い換えられ、『当たり前のことが当たり前にできるようになる』という意味です。本校では、学力を高めることだけでなく、人として成長することも大切に考えています」と阿部先生は述べました。

 また、同校では「随所に主となる」という教育目標を設けています。この目標を達成するために「自己理解と他者理解」「興味・関心」「主体性」という三つのキーワードに沿った教育を推進し、「どのような場所でも自分らしく輝く」スキルを培っています。

 まず、「自己理解と他者理解」を育てるために、禅の作法の一つである「黙念」を取り入れています。生徒は日々の朝礼と終礼の際に、心を落ち着かせて自分自身と向き合い、日常的に心を穏やかに整える術を養います。また、同校オリジナルの自己管理手帳「ジャイロ手帳」を活用し、学習の計画・課題・目標の設定や事後の振り返りなども行っています。それらを習慣化すると時間管理能力が鍛えられ、自己理解が深まります。さらに、学校行事でも一人ひとりが個性を発揮して仲間と協働し、他者理解を深める絶好の機会となっています。

 「興味・関心」を育てる取り組みとしては、「教科エリア・図書館」の活用が挙げられます。同校の校舎は教科ごとに階が分かれており、専門性を考慮した、全体が学びの場となるように設計されているのが特徴です。また、英語のみで過ごすイングリッシュキャンプ(中1・2)や、ファームステイを体験するオーストラリア語学研修(中3)などで、海外への興味を刺激します。阿部先生は「興味を深めることは、人としての強みになります。生徒がそれぞれ興味をひかれる課題について深掘りしていく『特活自由研究』では、研究が進むにつれて知識が増え、考察力や発想力もどんどん豊かになるのを感じます」と語りました。

 同校では、学習にも部活動にも意欲的に取り組みたい生徒が対象の「進学クラス」と、学力をより高めたい生徒が対象の「難関進学クラス」を設置し、生徒自身に自分に合うクラスを選ばせています。また、校舎は教科エリア型となっているため、生徒は拠点をホームベース(各クラスのホームルーム)に置きながら、時間ごとにそれぞれの教科教室に移動するスタイルです。こうしたことが「主体性」の養成につながっています。

 放課後の過ごし方にも多彩な仕掛けがあります。この日は、卒業生が学習補助を行う「チューター制度」、テスト前に教員が図書館で質問対応をする「フェローシップ」、留学生を招いて英語で文化交流を行う「イングリッシュラウンジ」などが紹介されました。最後に阿部先生は、「本校の教育の軸は禅の教えにありますが、けっして堅苦しいものではなく、日本人が大切にしてきた作法や道徳を学んでいくものとお考えください」と結びました。

 続いて、入試広報統括部長の川野正裕先生が2024年度の入試概要などについて説明しました。来年度から新たに、難関進学クラス入試の3科・4科受験生および適性検査入試受験生を対象に英検®による優遇制度が導入されるとのことです。また、高校に歯学部コースが新設されることも報告されました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 校舎は「教科エリア+ホームベース」型です。隣接する鶴見大学、鶴見短期大学との連携授業も行っています

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