受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

普連土学園中学校

2023年7月7日(金)

1学年3クラスの家庭的な環境の下、一人ひとりの可能性を広げる教育を展開

 米国留学中だった新渡戸稲造と内村鑑三の助言を受け、アメリカ・フィラデルフィアのキリスト教フレンド派(クエーカー)に属する婦人伝道会の人々によって1887年に創立されたのが普連土学園です。日本で唯一のフレンド派の学校として、「個々の生徒に与えられたかけがえのない価値を、大切に育んでいく」ことを目標に掲げ、1学年3クラス編成の家庭的な雰囲気の下、生徒の個性を尊重しながら、一人ひとりに目の行き届く指導を行っています。

 この日の説明会の冒頭、4年ぶりに中高合同で開催された体育祭の動画が上映されました。校長の青木直人先生は「真面目でおとなしいと評されることが多い普連土生ですが、行事などでは力の限りを尽くし、思い切り楽しみます。自分をしっかりと持っていて、集中すべきときは集中できる生徒が多く、めりはりをつけて学校生活を謳歌する校風が根づいています」と話しました。その背景にあるのは、フレンド派の特色でもある「誠実・平和・平等・簡素」の精神です。「誠実に仕事に取り組み、争いを起こさないように、さまざまな人の考え方を尊重する」という生き方が日常になっているからです。

 そんな生徒たちの成長を印象づける出来事として、青木先生は「生徒会が主体となって企画・運営する研究発表会で、東京大学大学院名誉教授の上野千鶴子先生を招き、成功させたこと」や「理科部がモデルロケット国際大会で世界1位を獲得したこと」を紹介しました。「リーダーシップを発揮する生徒もいれば、これまでに自分が身につけた力を適切に使い、他者のために生かそうとする生徒もいます。どんなタイプのお子さんにも、居場所がある学校です」と結びました。

 続いて、広報部長の池田雄史先生が教育内容とカリキュラムについて説明しました。同校の朝は早く、午前8時には出欠確認が行われ、その後の20分間が礼拝の時間となっています。月曜日・火曜日は教員の話を聞く日、水曜日は「沈黙の礼拝」、木曜日はクラス礼拝、金曜日はさまざまな委員会の委員長の話を聞く日というように、曜日によって内容が異なります。池田先生は「さまざまな場で話す順番が全員に平等に回ってくるので、周囲の人がどんなことを考えるのかがわかり、同級生はもとより、先輩・後輩や教員との距離を縮める良い機会になっています」と語りました。

 学習面では、きめ細かい指導によって基礎力の向上を図る方針で、中学では少人数での分割授業を多く導入しています。たとえば数学は、2名の教員が担当するチームティーチングか、分割授業を行い、ていねいに指導しています。さらに、小テスト、ノートチェックなどで一人ひとりの理解度を確認し、高校では英語・数学・古典・化学なども習熟度別による少人数制授業となります。

 「みずから主張し、発信できる」ことをめざした英語力の養成にも力を入れています。生徒全員が英語で話す機会を増やし、ペアワークやグループワークを活性化させるために、中学では全学年でクラスを分割して授業を行います。週6コマのうち、中1・2は週2コマ、中 3は週1コマがクラスを2~3分割した少人数制で行われ、ネイティブ講師がリスニング・スピーキングを重視して指導します。なお、ほかにも、タブレット端末を活用しての英語スキット作製、ネイティブ講師や海外からのゲストと一緒に昼食をとるイングリッシュランチ、夏休みの3日間を英語だけで過ごすイングリッシュキャンプ(中3)などを通して、楽しみながら力をつけていきます。高校ではイギリス夏期研修、スミスカレッジプログラム(アメリカ)といった海外研修プログラムがあるほか、中期・長期留学への支援体制も整っています。

 春・夏の長期休暇中や放課後には、さまざまな分野への関心を広げるための「教養講座」も開講されます。高2からは文系・理系に分かれますがコース制はとらず、選択科目(高2は週8コマ、高3は週10~18コマ)を履修して、希望進路を実現させています。

イメージ写真 慶應義塾大学三田キャンパスにも近い、静かで落ち着いた環境です。建築家・大江宏氏が設計した中学校舎は、東京都選定歴史的建造物です

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