受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

甲陽学院中学校

2023年8月28日(月)

校舎の場所や学校行事も中高別で
発達段階に適したカリキュラムを用意

 甲陽学院中学校・高等学校は、官立校にない自由な学校をめざして、1917年に設立されました。校風は「明朗・潑溂・無邪気」で、生徒一人ひとりの可能性を最大限に引き出す教育を実践しています。

 関西を代表する男子進学校として知られる一方、完全中高一貫校でありながら、中学校と高校が別の場所に立地しているのも特徴の一つです。この日の説明会の冒頭では、両キャンパスの全景写真を紹介。どちらも同じ西宮市内ですが、中学は海側に、高校は山側に位置し、講堂や体育館、グラウンドなど、すべての施設が双方にあることがわかります。

 学校行事やクラブ活動も中高別で行うため、下級生を指導する中心学年を2度経験できるのもメリットです。また、キャンパスが変わることで環境が一新され、一貫校にありがちな「中だるみ」とも無縁で過ごせます。英語・国語・数学の教員は6年間の持ち上がりを原則としているため、学業面はもちろん、精神面でも継続的にケアできる仕組みを整えています。

 その意図について、中学校アドミッション室・室長の杉山恭史先生は、「発達段階の違いに最大限に配慮するためです。中高一貫校ですが、別の学校に思えるほど、中高それぞれの生徒に適した環境・教育方針・カリキュラムを用意しています」と説明しました。中学では「自立」をめざし、あいさつや礼儀作法の指導を通じて、生活の基本を確立し、ノートチェックなどで学習の基本を身につけます。一方の高校では、「自律」を目標に主体性を育て、みずからの手で未来を切り開く力を養います。

学ぶ楽しさを知る、6年間の学校生活
卒業後も交友が続く一生の仲間ができる

 後半は、中学校での様子が動画とともに紹介されました。通学路や校舎内、授業や学校行事、クラブ活動の様子が映し出されるのに合わせて杉山先生が解説。白衣を身につけ、真剣な表情で実験や解剖に取り組む姿や、美術の授業で制作した船をプールに浮かべる様子、「音楽と展覧の会」(文化祭)で協力して飾り付けをしていく過程など、生徒たちの楽しそうな様子が伝わってきました。

 「自律」をめざす高校の特徴についても説明がありました。高2からは文系・理系で必要な授業は異なりますが、クラスは最後まで文理混合のまま。これはお互いに教え合い、学び合うことを大切にしているためです。同校で培った同窓生とのネットワークは卒業後も続き、一生の財産となります。

 中高ともに週6日制で月曜から金曜は6時間、土曜は4時間の授業があること、習熟度別クラスを設けていないことも同校の伝統です。特別な進路指導はしませんが、難関国立10大学への合格率はほぼ毎年一定で、全国でベスト5の常連であることも紹介されました。

 最後に、杉山先生は「生徒には手段としての学びではなく、目的としての学びを深めてほしいと考えています。また、本校には個性豊かな生徒が多く、どのようなタイプであっても居場所があります。伸び伸びと学びながら、一人ひとりの花を咲かせる場にしてほしいと思います」と述べ、説明会を終了しました。

イメージ写真

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