受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

(仮称)開智所沢中等教育学校

2023年8月24日(木)

開智学園伝統の探究型の学びと国際バカロレア認定をめざす中等教育学校が誕生

 2024年春の開校に向けて、埼玉県所沢市で建設が進められている(仮称)開智所沢中等教育学校。同校は開智中学校や開智日本橋学園中学校で知られる開智学園のグループ校です。この日のオンライン説明会に登壇した教頭補佐の吉村昌輝先生は、校舎のイメージ図を示しながら説明しました。JR武蔵野線「東所沢」駅から徒歩約12分の場所に立地し、「東所沢」駅までは西武新宿線・西武池袋線「所沢」駅からバス便もあります。校舎は4階建てで、1階が併設の小学校、2~4階が中等教育学校の施設となっています。基本的な教育内容は、ほかの開智学園のグループ校と同様です。中等教育学校であるため、中高6年間を見通した一貫教育を行うことが特徴だと、吉村先生は強調しました。

 続いて、同校の学びの特色として二つのキーワードが挙げられました。一つ目は開智学園伝統の「探究型の学び」です。一人ひとりの興味・関心に合わせて生徒が主体的に取り組み、「疑問を発見する→仮説を立てる→実験・検証をする→考察する→まとめ・発表をする→調査・観察をする→再度、疑問を発見する」という一連のサイクルを大切にしているのが特徴です。この「探究型の学び」は、授業だけではなく行事など学校生活のあらゆる場面で繰り返します。たとえば、フィールドワーク(FW)では自然観察や史跡見学などに出掛け、グループで探究活動を行います。FWの内容については、中1は自然科学系、中2は人文・社会・経済系というように発達段階に応じてバランス良く学びを深めていき、高2ではそれまでの集大成としてイギリスでFWを行います。吉村先生は「行き先などの大枠は学校が決めますが、細かい部分は生徒が企画するため、探究的な要素が濃くなります」と話しました。

 二つ目は「国際バカロレア教育」です。国際バカロレア(IB)の中等教育プログラム(MYP)と高等教育プログラム(DP)の認定に向けて、日本の学習指導要領とIBが定める要件との双方を満たせるようにします。中1~高1の4年間をMYPで学び、高2以降はDPを選択することも可能にする予定です。

 生徒の主体性を尊重し、それぞれが能動的に活躍できるよう、体育祭・文化祭・合唱祭といった行事は実行委員会が中心となってつくりあげます。また、クラブについても、生徒同士の話し合いの中で設立していく予定です。吉村先生は「本校の毎日は、『探究』というキーワードで営まれます。生徒・教職員・保護者が一体となり、新しい学校を一緒につくりませんか」と呼びかけました。

 続いて、クラス編成に関する説明がありました。1クラスの人数は約30名で、8クラス設置される予定とのことです。入試の成績によって特待クラス(3クラス)と標準クラス(5クラス)に分かれます。特待クラスは特待合格者で構成し、理系・医系・文系(国際系)がそれぞれ1クラスずつとなる予定です。クラス分けについては、特待クラス・標準クラス共通で中3進級時に再編成します。高2進級時にも同様のクラス替えが実施されますが、希望する進路と学力を基準とした編成になります。

 最後に、入試について説明されました。帰国生入試は11月、第1回入試、特待A入試・B入試、算数特待入試、第2回入試は1月、開智日本橋併願入試は2月に行われ、全部で7回の実施となります。このうち、11月の帰国生入試と2月の開智日本橋併願入試は、開智日本橋学園中学校への出願を前提とし、希望者に対しては(仮)開智所沢中等教育学校の合否判定も実施します。そして1月に実施される入試はすべて開智中学校と共同で行われ、入試問題も同一となります。注意したいのは、開智中学校の入試問題の難易度です。吉村先生は「開智中学校の入試問題は回ごとに難度を変えて作問されています。易しい順に第2回、第1回、特待B、算数特待、特待Aです。これを踏まえて対策をしたほうが効率的でしょう」とアドバイスしました。

イメージ写真 校舎は2024年2月に完成予定。互いを尊重し、個性あふれる力強い仲間とともに未来を創造する学びが、ここから始まります

tokorozawa.kaichigakuen.ed.jp/secondary/ 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ