受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東京都立立川国際中等教育学校

2023年9月14日(木)

物事を大きくとらえ、自分のできることから行動できる国際リーダーを育成

 2008年に開校した東京都立立川国際中等教育学校は、都立の中高一貫教育校として唯一、校名に「国際」の文字が含まれます。「国際社会に貢献できるリーダーとなるために必要な学業を修め、人格を陶冶する」を教育目標に掲げ、探究的な学びや国際教育 に力を入れています。昨年4月に附属小学校が開校し、公立では全国初の小中高一貫教育校となりました。

 この日のオンライン説明会には校長の市村裕子先生が登壇し、①探究的な学び、②語学教育と国際教育、③教養主義と進路指導、④学校行事と部活動という四つのテーマで同校の特色を語りました。

 市村先生は冒頭で、「本校のモットーである“Think Globally, Act Locally”とは、物事を大きくとらえ、まずは自分のできることから行動するという意味です。本校の教育プログラムを通して、考える人、伝える人、行動する人になることが目標です」とあいさつし、そのための探究的な学び「立国LEADERプログラム」について詳しく説明しました。

 前期生(中学生)のテーマは1年生(中1)が「世界を知る」、2年生(中2)が「日本を知る」、3年生(中3)が「英語劇」です。総合的な学習の時間を中心に、外国語教育や行事とも関連づけながら学びを深め、文化祭で成果を発表します。

 後期生(高校生)は「ソーシャルチェンジ×SDGs」をテーマに、グループでアクションリサーチに取り組みます。校内のポスター発表で代表に選ばれたチームは、探究学習の全国大会「クエストカップ」にも参加しています。昨年度は、知的障がい者が必要とする支援を種類別に「ウィズマーク」として可視化したチームが同大会に出場し、チェンジメーカー賞を受賞しました。そのほか、生徒自身が企画・提案・調整・実施した臓器移植の待機者を減らすための取り組みが注目されました。「行動する人」として、取材を受けたり、教職員対象セミナーで講師として発表したりした事例も紹介されました。

 次に、語学教育について説明がありました。英語の授業は習熟度別のクラスに分かれて行われます。前期生の3年間での授業時間は学習指導要領よりも140時間多く、週5~6時間の頻度で英語に触れられます。昨年度は、学校全体で7名が英検®1級に合格しました。1年生(中1)から4年生(高1)まで全員が受検するケンブリッジ英検では、すべての生徒がCEFRの A2(英検®準2級相当)以上の高成績を収めています。授業以外にもイングリッシュ・プレゼンテーション・デイ、英語合宿、英語劇などさまざまな行事を通して英語力を磨き、5年生(高2)では全員がオーストラリア・スタディ・ツアーに参加してホームステイを経験します。

 このように英語を強みとする同校ですが、進学先は国際系・英語系に限りません。理系進学者が半数を占めています。市村先生によると、教養を大切にする同校では、5年生(高2)まで文系・理系のコース分けは行わないとのことです。

 市村先生は最後に、求める生徒像を「三つのC」にまとめて「人を大切にして協働できるCollaborationの人、いろいろなことに挑戦できるChallengeの人、新たなことを創造しようとするCreateの人をお待ちしています」と呼びかけ、説明会を締めくくりました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 探究的な学びの拠点「ラーニング・コモンズ 」には図書館、対話コーナー、マルチメディア室、視聴覚ホールの機能が集約されており、探究的な学習のプロセスが一つのフロアで完結するようになっています

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