受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

桐朋女子中学校

2023年9月16日(土)

特徴的な教育システムの下、時代をリードできる創造力あふれる女性を育成

 1941年創立の山水高等女学校を前身とする桐朋女子中学校・高等学校は、「こころの健康 からだの健康」をモットーに、生徒一人ひとりの個性を大事にして伸ばす教育を実践しています。「通知表を廃止し、個人面談を通して成績を伝達する」「2学期制で秋休みがある」「中高6年間を2年ずつに区切ったブロック制をとっている」など、特徴的な教育システムを導入しており、2023年4月には日本女子大学と高大連携協定を締結しました。出張授業の実施や科目等履修生制度への参加が始まり、2024年度入試からは連携大学推薦制度の利用も可能となります。

 説明会の冒頭、校長の今野淳一先生は「生きる姿勢を形作る」と題して、同校の教育について説明しました。そのなかで、アメリカの教育学者であり哲学者でもあるジョン・デューイの「Learning by Doing(“為す”ことによって“学ぶ”)」ということばを取り上げ、「2022年度の学校パンフレットを制作する際に再発見したこのことばは、本校の教育の根幹でもあります」と語りました。

 同校における「Doing」の代表的な取り組みとしては、多くの教科で行われているレポート作成、発表学習、ディベート、実験・実習が挙げられました。授業では学びのプロセスを重視しているのが特徴です。まず、入学後間もない中1生が調布市内を教員と一緒に巡り、そこで感じたことを原稿用紙8枚にまとめるという機会があります。ここでレポート作成の基礎を学んだ後、理科・保健体育などさまざまな教科でもレポートを書いてディベートを行い、論理的思考力・課題発見能力・情報収集力・分析力・表現力など、これからのグローバル社会で求められる力を培っていきます。また、「芸術科」の授業のなかでは、音楽・美術・書道を通してさまざまな表現方法に触れ、感性を高めています。

 英語の授業は、中1の段階から二つのコースに分かれて行います。中学から本格的に英語を学ぶ生徒が対象の「スタンダードコース」では、少人数制できめ細かく指導します。一方、帰国生対象特別入試や、Creative English入試での入学者、英検®3級以上の取得者、家族間で英語を使うなど幼少期から英語に接している生徒などが対象の「アドバンストコース」では、『New Treasure』を使用し、ハイレベルな授業が展開されています。

 国際教育も盛んで、米国夏季研修、豪州・シンガポール研修、ニュージーランド・ターム留学など、希望者を対象としたプログラムがあります。

 また、同校では、学習と生活に関する評価として通知表を使用しない代わりに、前期・後期にそれぞれ1回ずつ面談を行い、各教科の教員からのコメントを担任が集約して生徒に伝えます。面談では成績だけではなく学習状況や課題についても話し合い、生徒は自分の「面談ノート」に記録した内容を保護者と共有して今後の成長につなげています。

 高2からは大学進学を見据え、生徒自身が希望する進路に合わせて時間割を組める科目選択制を取り入れています。今野先生によると、2022年3月の卒業生158名の時間割は、実に138通りにも及んだそうです。「可能な限り、生徒一人ひとりの希望を尊重したいと考えています。芸術系大学も含め、どのような進路にも幅広く対応できるよう、さまざまな科目から自由に選べるようにしています」と話しました。

 こうした自由な時間割のなかでの空き時間を利用して、高3生が学校の魅力を紹介してくれました。その生徒は、家庭科の授業で「住居が果たす役割」について学んだのを機に、建築科への進学を決めたそうで、「レポートの作成が大変だったものの、自分の理解度を確認するのに役立ちました」と振り返りました。また、体育祭や文化祭などの行事では、「仲間と一緒に、充実した時間を過ごしました」と笑顔で語ってくれました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 電気通信大学、東京女子大学に加え、今年度から日本女子大学とも高大連携協定を締結。出張授業など、さまざまな連携プログラムを展開していきます

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