受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

桜美林中学校

2023年9月28日(木)

キリスト教精神を基盤に、平和の架け橋となる「ピースメーカー」を育てる

 桜美林学園は東京都町田市の緑豊かなキャンパスに、幼稚園から大学・大学院までを擁しています。前身は、清水安三が中国の北京に1921年に設立した「崇貞学園」です。貧困に苦しむ子どもたちのために学校を開いた創立者の理念を受け継ぐ同校は、「キリスト教精神に基づく国際人の育成」を掲げ、グローバル社会に貢献できる人材を育成しています。

 この日の説明会であいさつに立った校長の堂本陽子先生は、人間力を育てる学びの大切さに触れ、「人間は人間同士のかかわりのなかでしか成長することはできません。本校では、人と触れ合う豊かな経験を重視し、日々の学校生活を通してコミュニケーション力や協働力を培います。思いやりとたくましさを持ち、未来をつくり、平和を実現する“ピースメーカー”となるために、生徒たちには“他者と共に生きる力”を身につけてほしいと考えています」と語りました。

 続いて教頭の太田桃子先生から、桜空祭(文化祭)や中1の林間学校、中2のサマースクールなど、今年度実施された行事での生徒たちの様子が伝えられた後、具体的な教育内容の説明がありました。

 同校では創立以来、“学んだことを人々や社会のために役立てよう”という「学而事人(がくじじじん)」をモットーに、「キリスト教教育」と「国際理解教育」に取り組んでいます。太田先生は、一つ目の柱である「キリスト教教育」について、「生徒が花を1本ずつ持ち寄る『花の日礼拝』(6月)、米を1合ずつ持ち寄る『収穫感謝礼拝』(11月)、クリスマスを祝う『クリスマス礼拝』(12月)などが行われますが、宗教を強制するようなことはありません。学校が大切にしていることを生徒一人ひとりにも大切にしてほしいという趣旨です」と述べました。

 二つ目の柱となる「国際理解教育」については、中3生全員を対象とする12月のオーストラリア研修旅行が紹介されました。「現地では、4人ほどのグループに分かれてファームステイも体験します。今年は4年ぶりに再開するので、生徒たちは心待ちにしながら準備を進めています」と太田先生は話します。このほか、オーストラリア、中国、韓国の3か国に8校ある姉妹校と提携しての多彩な留学プログラムも準備しています。2023年度は、韓国の姉妹校訪問(高1・2)、イギリス短期留学(高1・2)、シンガポールでの語学研修(中2・3)、カナダ長期留学(高1)が実施されました。カナダ、ニュージーランドへのターム留学(高1)、フィリピン英語研修(中3)も予定されているそうです。

 英語教育には定評のある同校ですが、アジアとの結びつきも強く、第二外国語として中3からコリア語(韓国・朝鮮語)や中国語も履修できます。太田先生は「UPAA(海外協定大学推薦制度)、UPAS(海外大学進学協定校推薦制度)といった制度を整えており、北京外国語大学やマレーシアのテイラーズ大学といった名門大学の指定校推薦枠もあるため、そのような海外大学への進学を選ぶ卒業生も増えています。今秋からは、本校に通いながらアメリカの名門高校の卒業資格を同時に取得できるオンラインでの『USデュアルディプロマプログラム』もスタートしました」と説明しました。もちろん、国内の大学への進学にも力を入れています。高校には国公立大学進学をめざす「国公立コース」、早慶上理などをめざす「特進コース」、GMARCH進学をめざす「進学コース」の3コース制を導入しました。近年では、医歯薬系学部への進学者も増えているそうです。

 2024年度は、帰国生入試の実施はありません。2月1日の午前(2科・4科)と午後(2科)、2日の午後(2科)、3日の午後(2科)に「教科別入試」が、1日の午前と午後には「総合学力評価テスト」がそれぞれ行われます。変更点として、3日の教科別入試が算数1科から国語・算数の2科になることが挙げられました。なお、午後入試には、二つの時間帯が設定されていて、当日選べるようになっています。

イメージ写真 一定の成績条件を満たしていれば全員が学校推薦型選抜で桜美林大学を受験できます。合格後は被推薦権を保持したまま他大学の受験も可能です

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