受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

江戸川女子中学校

2023年10月2日(月)

時代のニーズにかなった教養と未来を開拓する力を養う

 江戸川女子中学校・高等学校は、1931年に開校した城東高等家政女学校を前身とする進学校です。建学の精神に「教養ある堅実な女性の育成」を掲げ、きめ細かい学習指導と情操教育により知性と品性を備えた「自立した人」の育成をめざしています。

 冒頭、あいさつに立った校長の菊池今次先生は、校訓の「誠実・明朗・喜働(きどう)」について説明しました。「喜働」は造語で、このことばには「何事にも創意工夫と向上心をもって臨み、自分にも周囲にもより良い結果をもたらすように考えながら率先して行動する」という意味が込められています。菊池先生は、「学びは生涯続きます。そのための土台づくりとして、中高6年間で基礎学力をしっかりと身につけることが大切です。生徒には、夢や希望の種をまきながら、たゆまぬ努力と高い志を持って未来を切り開き、達成感と充実感にあふれた人生を歩んでもらいたいと願っています」と述べました。

 2021年に創立90周年の節目を迎えて以降、同校では大規模な学校改革に取り組んでいます。2022年度には、選択授業などに活用できる演習室や自習室などを備えた高3専用の新校舎が完成しました。大学受験に専念できる環境を整備し、制服も新しくなりました。さらにカリキュラムも刷新し、授業がこれまでの1コマ65分から45分に変更され、平日は2コマ増えて7時限までに、土曜は1コマ増えて4時限までになりました。菊池先生によると「座学中心の授業は、時短により集中力を高めています。一方、理科実験やディスカッションなどアクティブ・ラーニング型の授業は2コマ連続で展開し、学び合いや考察を深める時間を十分に確保して、思考力の強化を図っています」とのことです。

 教科学習においては英語に重点を置き、公立校の約2倍に相当する週9コマの授業を設定しています。単語・文法から発話練習までを行い、基礎力を徹底的に身につけます。小テストや補習が多く、講習も開講されています。9コマのうち1コマはネイティブ教員が担当する英会話の授業に充て、スピーキング力・リスニング力の強化や英検®対策にも取り組んでいます。さらに1人1台のタブレット端末を持ち、洋書の多読やオンライン英会話(週1コマ)などに幅広く活用。「TOKYO GLOBAL GATEWAY」での国内英語研修や、中学生全員が参加するスピーチコンテストなどで英語による発信力も鍛えています。

 2021年度には高度な英語力を養成する「国際コース」も新設しました。このコースではネイティブ教員が副担任を務め、英語の授業は、英検®2級以上の生徒を対象とした「Advancedクラス」と、英検®3級・準2級の生徒が対象の「Standardクラス」に分かれて少人数制で行います。音楽・美術を英語で学ぶ「イマージョン教育」、英語で行う探究授業「Global Studies」、バリ島海外研修(中3)などを通して4技能を鍛えていきます。また、今年度から希望制で、高校在学中にアメリカの高校の卒業資格が得られる「デュアルディプロマプログラム」も導入し、海外大学を志望する生徒に夢への門戸を開いています。

 生徒の自立心を養うため、探究活動にも力を注いでいます。遠足や社会科見学といった校外学習は現地集合・現地解散で行い、見学内容も生徒たち自身の話し合いにより決定します。生徒たちは、訪問前の準備・計画立案・プレゼンテーションといった一連の作業に主体的に携わり、課題解決能力・情報収集力・発信力などを磨きます。中1・2では柴又・上野・横浜などを訪問し、中3ではその集大成として、3泊4日で修学旅行に出掛けます。班ごとに自主研修を中心にしたスケジュールを組んで、奈良・京都を巡ります。

 最後に2024年度入試について、2月1日午後に適性検査型入試を新設すること、基礎学力型入試(旧AO入試)が2日午後にも追加されることなどが伝えられました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 情操教育にも熱心で、中1で茶道、中2で筝曲、中3で華道の授業をそれぞれ週1コマ行っています

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