受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

城北埼玉中学校

2023年10月3日(火)

校訓「着実・勤勉・自主」の下、自律的な努力に励む男子を育てる

 城北埼玉中学・高等学校は、「着実・勤勉・自主」を校訓として、人間形成と大学進学指導を柱とした教育で生徒の可能性を引き出す男子進学校です。規律ある男子を育む環境と、きめ細かい学習指導ができる体制を整え、心身ともに健全で、自律的な努力に徹する人間を育てています。2022年度からは「未来を拓く『志』と『学力』を育む」というスローガンを掲げ、新しい試みも積極的に取り入れています。

 この日の説明会の冒頭、あいさつに立った校長の森泉秀雄先生は、「生徒たちは、学業だけではなく学校行事や部活動にも熱心に打ち込んでいます。広い敷地内には温水プールや剣道場などもあり、運動部の活動が活発です。その一方で、鉄道研究部などの文化部も盛んに活動する、どんな生徒にも居場所がある学校です」と話しました。文武両道を伝統とする同校ですが、「武を尊重した文の優先」がモットーで、「楽ではないが楽しい学校、おもしろい学校」をめざしているとのことです。

 さらに、森泉先生は「家事・手伝い」ができる子どものほうが学力も高いケースが多いことに触れ、「皆さんのご家庭でも、お子さんを『受験生だから』と特別扱いせずに、自分のことは自分でやる習慣を身につけさせてください。そうした自主性があれば、みずから受験を乗り越えようと努力し、成績も伸びるはずです」と参加者にメッセージを送りました。同校では「自立心のある生徒に入学してほしい」という意向から、中学入試当日のスクールバスの利用は受験生のみとし、保護者はバス停で見送る形をとっています。

 続いて、入試広報部の出合英之先生が教育内容について紹介しました。男子校の魅力として「異性の目を気にせず、何にでも没頭できる環境」を挙げた出合先生は、「幅広い教養や考え方の土台をつくる指導も行っています」と話しました。その例の一つが、同校の生徒が長年活用している「JSノート」です。このノートは、日々の学習計画、1週間の目標、各教科の授業内容を記録し、毎日提出するものです。主要教科を中心とした自学自習の習慣を定着させ、自己管理力を向上させるのが狙いです。このほか、新聞記事に対する自分の意見や保護者・教員の意見を書き込む「新聞ノート」も設けていますが、これは世の中の動きを知るとともに、それに対する自分の考えをアウトプットする習慣をつけさせるためです。ここでは、さまざまな考え方に触れ、広い視野を持つように促しています。

 続けて、同校のスローガンでもある「未来を拓く『志』と『学力』を育む」ための取り組みが紹介されました。一つ目は「JS Program」です。これは、社会人や企業・大学などの協力を得て体験学習を行うものです。具体的には、日本大学医学部の協力のもとで実施している高校生対象の「1日医師体験」をはじめ、埼玉弁護士会との連携プログラム、JAXAや理化学研究所の見学などがあります。

 二つ目は、自学自習の習慣の確立を促す目的で「放課後学習センター(JSLC)」を設けていることです。補習から発展的な内容まで多様な学習プログラムを受講できるシステムになっており、教員と同校の卒業生が生徒たちをサポートしています。

 また、「学校生活は団体戦」としてとらえ、「大切な仲間をつくること」を重視した学校行事も充実しています。中1では4月にオリエンテーション合宿を、2月にスキー教室を行うといったように、中学の各学年では年2回の宿泊行事を実施し、団体生活でのマナーなどを学びます。

 説明会終了後には学校見学会が行われました。広大な敷地内に点在するさまざまな施設のほか、同校が伝統として授業やホームルームの前に行っている「静座」の様子も紹介されました。これは30秒間、目を閉じて呼吸を整え、姿勢を正すものです。「心を落ち着かせてから授業に臨め、集中力も高まります」という説明がありました。

イメージ写真 中学には普通クラスと選抜クラスとがあります。スクールバスは東武東上線「ふじみ野」駅、JR「南古谷」駅、西武新宿線「本川越」駅から運行されています

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