受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

日本大学藤沢中学校

2023年10月3日(火)

湘南の自然と大学の最新設備を生かした実習で、知的好奇心と探究心を育てる

 日本大学藤沢中学校は、日本大学の付属校である日本大学藤沢高等学校の併設中学校として2009年4月に開校しました。隣接する日本大学生物資源科学部の施設を利用して多彩なフィールドワークが行われ、生徒は恵まれた教育環境の下で伸び伸びと学んでいます。

 この日の説明会では、初めに校長の楠本文雄先生が登壇し、学校の様子について紹介しました。現在は生徒会を中心に校則の見直しを検討している最中で、理由を明確に説明できない校則を廃止し、2024年度には新しい校則が施行されるそうです。楠本先生は「これから中学受験を迎える皆さんは、『ここで子どもがどう育っていくか』がイメージできる学校を選んでください」とメッセージを送りました。

 続いて、中学教頭の以西功司先生が教育内容について説明しました。同校は中高一貫校ですが、高校からの入学生の方が多くなっています。1学年は中学が3クラス、高校が12クラスです。中学では基礎学力の充実に重点を置き、英語は中1から、数学は中2から習熟度別の少人数クラスで学びます。英語・数学・国語では先取り授業を実施し、高2までに6年間の学習内容を終わらせるので、高3では演習中心の授業になります。高校進学の際には中学からの内部進学生も一緒に高校の入学試験を受けますが、その上位者120名のうち内部進学生の上位40名は、国公立大学や難関私立大学をめざす「内進生特別進学クラス」(1クラス)に所属します。高校からの入学生を含む残りの80名は「特別進学クラス」(2クラス)に入ります。それ以外は「総合進学クラス」(9クラス)に入り、日本大学や他大学への進学をめざします。高2以降の特別進学クラスは学業成績で選抜され、クラスの入れ替えも行われます。

 同校の教育の大きな特色として、大学との連携教育が挙げられます。日本大学の生物資源科学部と同じ敷地内にあることから、緑豊かな周辺環境を利用した各種実習が行われています。たとえば、中1では生物資源科学部のスタッフや大学生の指導の下、隣接する畑で整地、種まき、野菜収穫を体験します。食に対する意識の向上を図るのが狙いで、将来的には物流から販売までのキャリア教育としても活用する予定です。また、中2では、大学の施設でソーセージや豚の角煮を製造する食品加工実習を行います。加工からパッケージ封入までの一連の作業を体験しながら、食品づくりの安全性と食肉加工品の製造過程について学びます。

 グローバル教育としては、希望制の語学研修プログラムが充実しています。オーストラリア語学研修は、約2週間、現地の家庭にホームステイしながら姉妹校に通学するものです。また、日本大学の各付属校から2名ずつが選抜されるイギリス・ケンブリッジ大学でのイースタープログラムとサマープログラムでは、イギリスの言語・歴史・政治・芸術などを英語で学ぶ授業に参加します。ここでは、実践的な英語を身につけるとともに、アフタヌーンティーなども体験し、イギリスの文化を肌で感じます。このほか、各国の留学生と校内で5日間、オールイングリッシュでディスカッション、発表、スピーチに挑戦する国内語学研修や、全員が参加するカナダ修学旅行(高2)なども行っています。

 2023年度の大学進学実績は、日本大学と他大学が約半数ずつとなっています。以西先生は、「付属校ではありますが、日本大学を希望する生徒だけではなく、他大学をめざす生徒への進学サポートも手厚く行っています。特別進学クラスの中高一貫生のなかには、国公立大学や日本大学の生物資源科学部獣医学科の志望者も増えています」と語りました。

イメージ写真 大学のキャンパスと隣接した広大な敷地には、学習、探究活動、スポーツのための設備が充実。5階建ての中学棟および本館では、中高合わせて約2000名の生徒が学んでいます

www.fujisawa.hs.nihon-u.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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