受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

駒込中学校

2023年10月13日(金)

仏教の教えに基づく伝統的な人間教育を土台に知識を習得し、社会で輝く人間に

 駒込中学校は1682年に了翁(りょうおう)禅師が開設した「勧学講院」を起源とする伝統校です。仏教の教えに基づいた人間教育を継承しながらも、グローバル教育やSTEAM教育など時代に合わせた新しい学びを積極的に導入しています。

 この日の説明会では中学副校長の角田淳先生があいさつに立ち、「わたしはよく生徒たちに『今の年齢に十を足したときの自分を想像してごらん』と語ります。予測できない未来を前にしたとき、学力は当然必要ですが、人間力も不可欠であると考えます」と話しました。同校の教育理念は、およそ1200年前、天台宗を開いた伝教大師である最澄が唱えた「一隅(いちぐう)を照らす」ということばに基づいています。「一隅」とは自分の場所という意味で、「照らす」とは「努力をして光り輝く存在となる」ということです。つまり、「自己が光り輝き周囲によい影響を与えられるような人物」の育成が同校の教育目標の一つとなっているのです。

 続いて、具体的な教育内容について中学教頭の吉田宏一先生から説明がありました。6か年一貫教育プログラムのうち中学3年間は「国際先進コース」とされ、入試の成績によって習熟度別の「Sクラス」と「Aクラス」とに分かれて学びます。自律学習の確立が最大の目標とされており、中1・2の生徒は自分でテーマを決めて学習する「自学ノート」に取り組みます。大学生がチューターとなって指導する「学習サポートセンター」の設置、自宅学習を補うアプリの導入、教員が指導する全員参加型の特別講習の開講など、サポート体制は充実しています。グローバル教育にも力を入れており、クラスを2分割して少人数制で行う英会話授業、スピーチコンテスト、レシテーションコンテストといった表現力を試す場を多く設けているほか、希望者を対象としたハワイセミナーなどの海外研修プログラムも実施しています。

 人間教育への取り組みも紹介されました。同校では中学3年間は給食があります。吉田先生は「食事ができることに心から感謝をし、『いただきます』と毎日手を合わせています」と話しました。また、中2で行う日光山研修や高1での比叡山研修といった仏教の教えを体験できる研修もあります。このほか、農村体験がメインの林間学校、班別に主体的に行動する奈良・京都修学旅行なども行われ、情操教育の機会となっています。

 中高一貫生は、高校では国公立大学・難関私立大学をめざす「Sコース」への進学が基本となりますが、一定の基準を満たせば、海外大学への進学も視野に入れた「国際教養コース」や、理系に特化した「理系先進コース」も選択可能です。同校では高校からの入学生と中学からの内部進学生が同じクラスに編成されますが、吉田先生は「高校進学時には内部進学生が約3分の1、高校からの入学生が約3分の2という割合になります。中高一貫生は3コースのいずれにも進めるよう、幅広く奥深い知識を身につけるカリキュラムで学びます」と話しました。

 大学合格実績も紹介され、2023年度の卒業生484名のうち、GMARCH以上への合格者がのべ309名と、過去最高を更新したそうです。国公立大学には40名、医薬・看護・獣医学部には55名、芸術系大学・学部には17名が合格し、幅広い進路を実現させていることがわかります。

 最後に、2024年度入試について説明がありました。全部で5回行われる入試のうち、第2回と第4回の午後入試の開始時刻が従来の午後2時から30分繰り下げられ、午後2時30分に変更されます。吉田先生は「他校の入試を午前に受ける受験生が本校の入試を受けやすくなるよう、時間を変更しました。なお、第4回の算数1科・国語1科入試に合格すれば特待生となりますが、ほかの入試の成績優秀者も特待生の対象となります。ぜひ、チャレンジしてください」とエールを送りました。

イメージ写真 東京メトロ南北線「本駒込」駅から徒歩5分、東京メトロ千代田線「千駄木」駅から徒歩7分、都営三田線「白山」駅から徒歩7分。複数の路線が使える立地も魅力です

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