受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

明法中学校

2023年10月13日(金)

一人ひとりに寄り添う少人数教育と、21世紀型スキルを培うプログラムを実践

 東京都東村山市にある明法中学・高等学校は、理想の教育の場をつくることを目的として、1964年に開校した併設型中高一貫校です。中学校は男子校ですが、高校は2019年度に共学校となりました。

 オンラインで開催されたこの日の説明会の冒頭、あいさつに立った校長の岡田貴之先生は、「お子さんにとって中学受験は大きな試練ですが、12歳で人生が決まるわけではありません。中学ではさまざまな挑戦をして、失敗や挫折を経験し、それを乗り越え、自分の能力や適性に気づいてほしいと思います。わたしたち教職員は、挑戦する生徒を全力で後押しします」と保護者への応援メッセージを送りました。続けて、教員が生徒と深くかかわり、その感性を高めることを重視している同校の伝統的な教育に触れ、「密度の濃い人間関係を築きながら、人格・識見に優れた生徒を育てていきます」と強調しました。

 次に、教頭の早川哲生先生が登壇し、教育内容について説明しました。その大きな特色は、21世紀型スキルを伸ばすプログラムとして、中学校に「サイエンスGE(Global Endeavors)」が、高校に「GSP(Global Studies Program)」が設置されていることです。このうちサイエンスGEには、通常のカリキュラムのほかに、基本講座と特別講座を週2コマ行う「GE講座」があります。生徒たちはロボットのプログラミングや科学実験に取り組み、学外のコンテストにも挑戦します。一方、GSPでは、高1の1月末からスタートするカナダでのターム留学を軸に、発信型の英語力やチャレンジ精神を身につけます。早川先生は「2024年度からは中1生全員がサイエンスGEとGSPを週1コマずつ学び、基礎を習得したうえでいずれかを選択し、中2から高1まで継続して学習する形に改編します。高2以降はそれまでの4年間の学びを土台に、個々の希望進路につなげられるように指導していきたいと考えています」と述べました。

 同校では、常勤教員1名当たりの生徒数が14名という少人数教育により、生徒に寄り添ったきめ細かい指導を実現しています。学習習慣を身につけ、基礎学力を定着させるためのフォローとして、敷地内にある学習施設「明法学院ハウス」で放課後学習会(テラコヤ)が実施されています。生徒たちは週末に課題を提出し、週明けに小テストを受けて理解度を確認します。

 「本物に触れる」教育を大切にしていることも特徴の一つです。早川先生は「中学生は週1回、器楽の授業を通して楽器の指導を受け、文化祭ではオーケストラの一員となって演奏を披露します。理科の授業では、充実した機器をそろえて実験・観察に力を入れています」と話します。このほか、外部講師の指導の下、チームで問題を解決していく「アドベンチャープログラム」も導入しているそうです。

 高校では、「特別進学クラス」と「総合進学クラス」の2コース制となり、中高一貫生も高校からの入学者と混合クラスになります。高2からは文系・理系別に「国公立大進学コース」と「私立大進学コース」とに分かれます。充実した進路指導についても説明がありました。本校舎地下にある「学習道場」の中には、独立したブース形式の自習机が置かれた「無言自習室」と、Wi-Fi環境が整備され、Web動画を利用した学習にも対応する「学習室」とが設置されています。また、進路指導部には常勤教員のほか、都内の名門私立中高一貫校や大手予備校などから招いた「進路アドバイザー」も配置し、総勢8名で手厚くサポートしているそうです。こうした取り組みが実を結び、今春は127名の卒業生のうち13名が国公立大学に現役合格を果たしました。

 2024年度の中学入試の日程は、2月1日午前・午後、2日午前・午後、5日午前の計5回です。2科・4科選択入試のほか、2科・1科(算数)選択入試や、適性検査型入試も実施されます。なお、英検®4級以上を取得している受験生や、文化・スポーツ活動に努力してきた受験生は加点される優遇制度もあります。詳細は、ホームページの募集要項をご覧ください。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 キャンパスには、200以上の楽器がそろう「音楽棟」や、理科4分野の実験室・講義室を備えた「理科棟」もあり、充実した学習環境が整っています

www.meiho.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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