受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

慶應義塾湘南藤沢中等部

2023年10月19日(木)

国際的視野を持つ生徒が多い環境で
オールマイティーな人材を育成

 慶應義塾湘南藤沢中等部・高等部は、2022年に創立30周年を迎えた慶應義塾で唯一の中高一貫校です。高等部の卒業生は原則として、全員が慶應義塾大学の10学部のうちいずれかに進学します。

 SAPIX代々木ホールで開催されたこの日の説明会は、サピックス教育情報センター本部長の広野雅明先生による2023年度入試の分析から始まりました。広野先生は、実際に出題された問題をスライドに映すと、「問題数は少ないものの、思考力を問う内容が多いという印象です。過去問を解き、しっかりと対策を練ることが重要です」とアドバイスしました。

 続いて登壇したのは、部長の尾上義和先生です。創立以来、帰国生を多く受け入れてきた同校の特色を紹介し、「帰国生入試の条件を満たさなかったため、一般入試で入ってきた生徒も含めると、全体の20~25%を海外生活経験者が占めます。国際的視野を持つ生徒が過ごしやすい環境です」とアピールしました。“約4人に1人が海外生活経験者”ということから、多様な背景の持ち主がいるとわかります。

 尾上先生は、同校のめざす生徒像を「社会的責任を自覚し、知性・感性・体力にバランスのとれた教養人」ということばで表しました。そして、「特定の分野に強い“とがった”学生を育てることよりも、偏りなく知性を伸ばすことを大切にしています。国際的な活躍を見据えた、オールマイティーな人材を大学に送り出すことが目標です」と述べました。

社会の国際化・情報化を見据え
質の高い英語教育と情報教育を実践

 福澤諭吉が社会の国際化・情報化に合わせて慶應義塾を創設し、その慶應義塾大学が1990年に湘南藤沢キャンパスを開設したのは、再度の急速な変化に対応するためでした。同校が1992年に設立されたのも、それらに順応できる中高生を育てたいという思いからです。

 国際化における取り組みの一つが、質の高い英語教育です。習熟度別授業を3段階に分けて行い、13名のネイティブ教員が指導を担当して実践的な英語力を磨いていきます。国際交流も盛んで、7か国14校との間で短期交換留学プログラムを設けているほか、タイやマレーシアのトップ校で行う1年間の長期留学も人気です。

 一方、情報化に対応して注力しているのが「データサイエンス」です。文系志望か理系志望かを問わず、すべての生徒が学びます。理解を促すため、実際に「サイコロを100回振ってみよう」という気の遠くなるような授業もあります。尾上先生は「これらは、大学受験がないからこそできる学びなのです」と、同校の強みを強調しました。

 慶應義塾大学への推薦枠は、慶應義塾の系列の高校すべてに同じ比率で与えられていますが、「本校は他校に比べて理工学部、総合政策学部、環境情報学部の志望者が多い傾向にあります」とのことです。

 最後に尾上先生は、求める生徒像として、慶應義塾の創立者である福澤諭吉の「出来難き事を好む精神を持った人」ということばを挙げると、「未来の先導者となる皆さんの入学をお待ちしています」と締めくくりました。

イメージ写真 小田急江ノ島線・相鉄いずみ野線・横浜市営地下鉄ブルーライン「湘南台」駅からバスで15分、JR東海道線「辻堂」駅からバスで21分。開放感があり単なる箱型ではない校舎は、さまざまな交流を生み出します

www.sfc-js.keio.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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