受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東京都立桜修館中等教育学校

2023年10月24日(火)

前期課程3年間の「国論」「数論」で
論理的思考力・表現力を鍛錬

 国際社会で活躍するリーダーの育成をめざし、教育方針に「高い知性、広い視野、強い意志」を掲げている東京都立桜修館中等教育学校の歴史は、1929年に設立された旧制東京府立高等学校にさかのぼります。戦後に東京都立大学附属高等学校となり、2006年に中高一貫の中等教育学校に改組されました。

 SAPIX代々木ホールで開催されたこの日の説明会では、校長の石崎規生先生が同校の教育の特色を紹介しました。一つ目は、国語・数学の「論理学習」です。「国語で論理を学ぶ(国論)」「数学で論理を学ぶ(数論)」というアクティブ・ラーニング形式の授業を1~3年生(中1~3)で毎週行い、グループワーク・プレゼンテーション・レポートなどの課題を通して、情報収集力・思考力・考察力・表現力を鍛えます。4年生(高1)で研究テーマを絞り込んだ後、5年生(高2)ではそれまでの学びの集大成として5000字におよぶ論文を書き上げます。

世界各地の生徒同士が交流を図る
国際理解教育の機会も豊富

 二つ目の特色として挙げられたのが、「国際理解教育」です。希望者を対象に実施されるプログラムとして、夏休みに現地の高校に通う「オーストラリア海外語学研修(3〜5年生)」、カリフォルニア大学バークレー校で学ぶ「リーダーシップ育成アメリカ研修(4・5年生)」、海外の留学生とグループワークを行う「グローバルスタータープログラム(1~3年生)」などがあり、異文化理解を深めると同時にコミュニケーション能力を高めています。「今年度はこれまでにアメリカ、オーストラリア、韓国からの生徒が本校を訪れました。これからも台湾、トルコ、ブータンから生徒がやってきます。現地に行くだけではなく、海外から本校に来てもらうスタイルの国際交流にも力を入れています」とのことでした。また、後期課程の4・5年生では、自由選択科目として第二外国語を週2コマ受講できます。

 昨今、注力している取り組みとして、「理数研究」の紹介もありました。これは、科学部で活動する生徒の研究への協力や、科学コンテストに向けた支援をするものです。その成果として、2021年から数々のコンテストでの受賞が増え、2022年度の全国総合文化祭の自然科学部門でも表彰されました。石崎先生は「受賞した生徒の一人は総合型選抜で東大に合格しました。一般入試以外で東大に入学した卒業生は初めてです」と話します。

 2023年春は卒業生156名のうち、59名が現役で国公立大学に合格しました。中高一貫教育によって5年生(高2)までに高校の学習内容をほぼ終了するので、6年生(高3)は受験校を決定したうえで発展的な学習に取り組んでいます。2学期制を採用している同校では、土曜日にも年間18回の授業が行われています。石崎先生は「志望校は最終的には子どもが決めることが重要です。まずは本校に来ていただき、生徒の様子や学校の雰囲気を見てください」と結びました。

イメージ写真 東急東横線「都立大学」駅から徒歩10分。部活動も活発で、弓道部のほか、吹奏楽部や、科学部、日本文化部かるた班などが成果を上げています

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