受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

法政大学第二中学校

2024年6月13日(木)

付属校ならではの強みを生かした「総合的な学び」で「自由を生き抜く実践知」を育成

 1939年に旧制法政大学第二中学校として開校した法政大学第二中・高等学校は、三つのキャンパスに15もの学部を持つ法政大学の付属校です。同大学が掲げる「自由と進歩」の精神を継承し、中高大の10年一貫教育を通して「自由を生き抜く実践知」を培っています。長く男子校でしたが、2016年から共学化し、校舎も新しくなりました。充実した施設・設備がそろう環境のなか、生徒たちは伸び伸びと学校生活を送っています。

 この日の説明会では、最初に副校長の下川禎先生が登壇し、「出会い、向き合い、自分をつくる」という教育方針について次のように紹介しました。「本校には個性豊かな生徒が集まっています。国際交流やクラブ活動も盛んで、学校生活を通じて、多様な仲間や文化との出会いを大切にしながら、互いを尊重し合い、協力し合う姿勢を育んでいます。複雑化・高度化するこれからの社会では、他者と協働して課題を解決し、みずから未来を切り開いていく力が必要です。生徒たちには本校での学びを一つのきっかけにして生き方を考え、自分を成長させていってほしいと考えています」

 続いて、入試広報副主任の飯野都先生が具体的な教育の内容を説明しました。同校では中1・2は1クラス30人以下の少人数制を採用しています。さらに全学年で英語と数学の分割授業や毎週の定着試験を行うなど、「わかる」を「できる」にするためのきめ細かい指導により、高校・大学で学びを深めるための基礎学力を養っています。

 一方、教育の三本柱に「主体性」「共同性」「総合性」を掲げ、体験学習や調査研究活動を積極的に取り入れた「総合的な学び」も重視しています。飯野先生は「たとえば、理科では中学3年間に70回以上もの実験を組み込み、生徒の関心・興味を刺激しながら学習意欲の向上を図っています。その影響からか、中学からの入学者は大学で理科系の学部に進学する割合が高い傾向にあります」と説明しました。

 また、各教科では数多くのレポートが課されます。約6万5000冊の蔵書を誇る図書館を拠点とした探究学習も盛んで、学んだ知識をもとに論理的に思考し、自分の考えを表現する機会が豊富です。中3で行う「総合」の授業は、その集大成です。広島での研修旅行に向けてグループごとにテーマを決め、1年間調べ学習を行います。現地視察後もグループディスカッションを重ね、その成果は最終的にプレゼン形式で発表します。飯野先生は「体育・家庭科といった実技教科に熱心に取り組んでいることも本校の教育の特徴です。物事をじっくりと考える時間や、受験で課されない教科の時間を十分に確保できることは付属校の強みです。広く、深い学びを通して思考力、豊かな感性を身につけ、バランスのとれた人間に育ってほしいと願っています」と述べました。

 法政大学と連携したキャリア教育も活発です。大学の講義体験やイングリッシュキャンプなど多彩なプログラムがあり、「なりたい自分を見つけやすい環境」が整っています。なお、法政大学へは「有資格者全入制度」があり、毎年卒業生の約9割が進学しています。専攻する学部・学科は、高3の12月に成績上位者から順に本人の希望に基づいて決定します。法政大学への被推薦権を保持したまま他大学を受験することも可能ですが、内部進学に切り替えた場合は、学部・学科については法政大学専願者の希望が優先されます。3学期は内定先の学部ごとにクラスが編成され、大学での学びに備えた授業を進めます。

 最後に、入試広報主任の黒田学先生から2025年度入試について説明がありました。同校では思考力や読解力を問う問題を中心に出題しています。「各教科とも学校での学びをいかに実生活と結びつけ、きちんと説明できるかが得点の鍵になります。過去問題集を解く際は正答率65%以上をめざしてください」とのアドバイスが送られました。

イメージ写真 時計塔校舎を中心としたキャンパスには、法政大学の蔵書も利用可能な図書館や1300人収容の木月ホールなど、さまざまな施設があります

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