受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

この人に聞く


探究心は大学が求める力にも通じる
社会貢献を視野に入れた進路を開拓

イメージ04地学室には天文ドームもあり、高校天文部の活動拠点となっています。9月の文化祭では一般公開も

広野 社会に目を向けた探究型の学びは、おのずと進路を考えるきっかけになることでしょう。

俵田 確かに、本校の生徒たちは、社会に出てからどういうことをしたいかで進路を選ぶ傾向が強いと思います。生徒には常々「探究学習と教科の学びは密接に結びついている」と伝えていますし、授業での学びが、みずからの探究を深めることを肌で感じる機会は多くなるはずです。

広野 近年の大学進学実績は好調で、とりわけ国公立大学の合格者数はすばらしいものがあります。

俵田 今春は東京大学2名を含め、東北大学、九州大学などの国公立大学に40名の現役合格者を出すことができました。医学部医学科への進学者も5名出ています。

広野 進路実現に向けた取り組みを教えてください。

俵田 大学入学共通テストを受けることを前提に、高2までは文系・理系の科目選択は一部にとどめ、幅広い科目を学ぶカリキュラムにしています。一方、高3では個々の希望進路に合わせた選択科目が中心になります。ここ数年は、大学入試のスタイルも多様化し、学校推薦型選抜や総合型選抜など、自分が学んできたことをアピールする入試においては、5~6年にわたって探究活動を続けてきた本校の生徒は強みを発揮しています。現高3でも、高校での探究活動をもとに、東京大学や東京工業大学の推薦入試に出願する生徒がいます。一般入試でも、図表やデータを読み取り、自身の考えを述べるような問題が出される傾向にありますが、それに対応する力は付け焼き刃では身につけられません。その点、本校の生徒は探究学習で鍛えられているので、有利といえるでしょう。

広野 頼もしい限りですね。進学面でも、後に続く生徒が増えて好循環が生まれそうです。

俵田 今の学びが将来どのようにつながっていくのか、その意識づけは早くから行っていきたいと思っています。本校では、卒業生の合格体験記や、大学・学部から職業へとキャリアを築くためのステップなどをまとめた「進路の手引き」という冊子を毎年発行しているのですが、2023年度からは高校生だけでなく中学生にも配布するようにしました。希望の進路を切り拓いた先輩たちの足跡は、少し先の未来に向かう大きな指針になるからです。

少人数制授業、海外校との交流
確かな英語力を養い、国際感覚を磨く

広野 もう一つの柱に「国際理解教育」を掲げていますが、そちらの内容もお聞かせください。

俵田 現在、東京都教育委員会より「GE-NET20(Global Education Network 20)」「国際交流リーディング校」「海外学校間交流推進校」の三つに指定されています。英語の学習面では、中1から1クラスを2分割した少人数制の授業を実施しています。週1時間はネイティブ教員による英会話の授業とし、中3からはオンライン英会話も導入しています。中1では、福島県のブリティッシュヒルズでの「国内英語研修」を行い、中2では、ニュージーランドの姉妹校の生徒20名ほどを迎えて、生徒宅にホームステイをしながら学校生活を共に過ごす機会も設けています。中3・高1の希望者を対象に、夏休み期間を利用したニュージーランド語学研修やオーストラリア語学研修も行っています。さらに、高2の修学旅行では台湾を訪れ、現地の高校生や大学生との交流プログラムも設定しています。東京都の次世代リーダー育成道場研修生として、1年間留学する高校生もいます。

広野 実に多くの体験ができる6年間ですね。それでは最後に、受験生と保護者の方にメッセージをお願いします。

俵田 社会を変えていく力を養うためには、中高の6年間でいろいろな体験をしなくてはなりません。本校はまだ発展途上にありますが、社会に目を向け、探究する学びをより充実させていくつもりです。都立校でも有数の広さを誇る約4万㎡ものキャンパスには、世界基準の広さのサッカーコートが取れる人工芝のグラウンド、トレーニング室や柔道場を備えた体育館などの施設がそろい、部活動もとても盛んです。より広いエリアから多くの生徒に集まってもらいたいと思っています。ぜひ一度ご来校いただき、充実した環境を確かめてください。

イメージ05 物理・化学・生物・地学の各分野の実験室をはじめ、特別教室も充実しています。和室では日本文化や伝統芸能を学ぶことができます

イメージ06 図書館の蔵書数は約4万8000冊で、洋書も豊富にそろっています。図書委員の活動も活発で、生徒のリクエスト書籍が好評です

外観写真1
東京都立大泉高等学校・附属中学校

所在地
〒178-0063 東京都練馬区東大泉5-3-1
西武池袋線「大泉学園」駅より徒歩10分、JR・京王井の頭線「吉祥寺」駅、西武新宿線「上石神井」駅よりバス

TEL 03-3924-0318

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24年2月号 この人に聞く
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