受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さっぴーの社会科見学へ行こう!

こちら昭和基地

女の子 「南極はどこの国の領土でもなくて、各国が観測基地を構えているのね。日本のメイン基地は、1957年設立の昭和基地。ここでは現地の様子がチェックできるよ」

男の子 「昭和基地のジオラマはもちろん、ライブカメラの映像も見られるね。ひゃあ、やっぱり向こうは雪だらけ。今は、現地は春なのに、寒そうだなあ」
女の子 「あっ、隊員が使う基地内の個室の再現よ。四畳半というから、わたしの勉強部屋と同じくらい。広くはないけど、ちゃんと一人になれる空間があるんだ」
男の子 「基地での暮らしを追ったビデオも流れているよ。お風呂は24時間いつでも入れるのか。娯楽室や理髪室もあるし、想像よりも快適に過ごせそう」

岩石・隕石から
太陽系の歴史を探る

男の子 「地球や宇宙の成り立ちは、石を調べることでもわかるんだ。このゾーンには南極の石がたくさん並んでいるぞ」

女の子 「ええと、これは『マグネシオヘグボマイト-2N4S』という、日本の観測隊が発見した新鉱物。顕微鏡で実際の岩石を見ると、赤い鉱物が交じっているのがわかるね」
男の子 「赤がルビー、青がサファイア。インドやスリランカなどでよく採れる鉱物なのか。それが南極で発見されたってことは、大昔、南極はインド辺りと地続きだった証拠になるわけだ」
女の子 「南極では隕石も多く見つかるのね。この二つはそれぞれ月と火星から飛んできたもの。宇宙を旅してきたなんてロマンチックだなあ」

極寒の生命・生態を探る

女の子 「見て見て、極地の生き物たちのゾーンだよ。これは南極に生息するウェッデルアザラシ。幼獣はくりくりの目玉でかわいいけど、大人になると、体長3m、体重400kgにもなるんだ」

男の子 「こっちのナンキョクオキアミは、いろいろな生き物の栄養源になっているのか。クジラもこれを大量に食べて、あの巨体を保っているんだね」
女の子 「へえ、コケは極地にも生えるんだ。南極の池の底には、コケと藻が絡み合ったオブジェのような『コケボウズ』が立っているのね。これは日本の観測隊が発見したものなんだって」
男の子 「最近は野生動物に小型記録計を取り付けて、生き物の目線で暮らしを撮影する『バイオロギング』が行われているんだって。これも日本が開発した技術で、ゾーンの一角ではその貴重な映像も見られるぞ」

オーロラの謎を探る
さっぴー

男の子 「極地ならではの現象がオーロラだよね。ここではオーロラが出現するしくみを詳しく説明しているんだ」
女の子 「オーロラのもとになるのは、太陽から飛んでくる電気を帯びた粒なのね。この電流を担う電子が地球の磁気とぶつかると電流が流れて、さらに地球の空気の粒にぶつかると、赤や緑やピンクに光る幻想的なオーロラが現れるのね」
男の子 「地球を大きな磁石ととらえると、南極がN極で、北極がS極だから、電気を帯びた粒も極地に引き寄せられるんだ。それでオーロラも極地や極地に近いところに出現するんだね」
女の子 「オーロラは極点よりも、少しずれたエリアでよく見られるんだって。このエリアはオーロラベルトと呼ばれていて、昭和基地もこのベルトのなかにあるんだ」
23年12月号 さっぴーの社会科見学へ行こう!:
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