受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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  • 24年4月号 [入試に出る時事問題]これだけは知っておこう! さぴあニュースバンク

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さぴあニュースバンク 2024年2月

5 月曜日 気象・災害 この日の午後から深夜にかけ、本州の南を低気圧が通過した影響で、関東や山梨県、長野県を中心に大雪が降った。翌6日午前9時までの24時間に観測された東京都心の降雪量は9㎝だった。列車の運休や遅延が多く出て、帰宅の足を直撃した。
6 火曜日 気象・災害 石川県は能登半島地震で壊れた建物を解体したときなどに生じる災害廃棄物の量が約244万トンになりそうだと発表した。この量は県全体で年間に出るごみの約7年分に相当する。同県では2026年3月末までに処理を完了することをめざしている。
8 木曜日 文化 将棋の第73期王将戦七番勝負の第4局で、藤井聡太八冠が菅井竜也八段を破り、対戦成績を4勝0敗としてタイトル防衛を果たした。藤井八冠は2020年6~7月の棋聖戦で初めてタイトルを獲得して以来、これで20回連続でタイトル戦に勝利したことになる。1963~66年に大山康晴十五世名人が達成した19連勝という記録を58年ぶりに更新した。
9 金曜日 経済 財務省は、国債・借入金・政府短期証券を合計した「国の借金」が2023年12月末時点で、前年末より29兆4528億円多い1286兆4520億円になったと発表した。この額は過去最大で、国民1人当たりに換算すると、約1037万円に相当する。
14 水曜日 国際 東南アジアのインドネシアで、大統領選挙の投票が実施された。全部で3人が立候補したが、ジョコ現大統領の政権で国防大臣を務めるプラボウォ・スビアント氏が約6割の票を獲得したとみられ、勝利宣言をした。ただし、正式な結果が出るのは数週間後となる見込み。 もっと詳しく参照
14 水曜日 国際 大韓民国(韓国)外交部(外務省)はキューバと国交を樹立したと発表した。1959年の革命で社会主義国になったキューバは、韓国と対立する北朝鮮と友好関係にあるだけに、韓国側には核・ミサイル開発を続ける北朝鮮のさらなる孤立化を図るねらいがあったとみられる。これにより、キューバが北朝鮮と国交を断絶するわけではないが、北朝鮮にとっては打撃になったと思われる。
15 木曜日 経済 2023年の日本の国内総生産(GDP)について内閣府は、物価変動の影響を受ける名目GDPが前年より5.7%増え、591.4兆円になったと発表した。しかし、円安のため、アメリカドルに換算した名目GDPは1.1%減の4.2兆ドルで、4.4兆ドルのドイツに抜かれて世界第4位になったという。日本が当時の西ドイツを追い越したのは1968年だが、それから55年ぶりに日本とドイツの立場が逆転したことになる。なお、GDPが最も多い国はアメリカで、それに次ぐのが中華人民共和国(中国)。
17 土曜日 科学 この日の午前9時22分55秒ごろ、日本の新型ロケット「H3」2号機が、鹿児島県にある種子島宇宙センターから打ち上げられた。宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、搭載していた2機の小型衛星と、アルミ製の模擬衛星を予定通りに分離し、すべてのミッションを完了した。 もっと詳しく参照
22 木曜日 経済 株式を取引する東京証券取引所プライム市場に株式を上場している、日本の代表的な企業の株価を基に計算する「日経平均株価」のこの日の終値が3万9098円68銭となった。「バブル経済」と呼ばれ、地価と株価が異常な値上がりを見せていた時代の1989年12月29日に記録した3万8957円44銭という史上最高値を超えたことになる。約34年ぶりの記録更新で、日本企業の好調な業績や円安などが影響しているとみられる。なお、この最高値はその後、さらに更新され、3月4日には4万円を超えた。
26 月曜日 国際 ハンガリーの議会がスウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)への加盟を承認し、スウェーデンのNATO加盟が確定した。加盟国はこれで32か国となる。この結果、バルト海沿岸国はロシアを除いてすべてNATO加盟国になり、ロシア軍の活動は大きく制約されることになる。
27 火曜日 社会 厚生労働省が2023年の人口動態統計(速報)を公表した。同年に国内で生まれた子どもの数(外国人を含む出生数)は75万8631人と8年連続で減り、過去最少となった。後日発表される日本人だけの出生数は70万人台前半になるのが確実。また、婚姻数は48万9281組で、戦後初めて50万組を割った。日本の場合、結婚と出産との結びつきが強いとされるだけに、今後のさらなる少子化が予想される。

東南アジアの地域大国インドネシアで大統領選挙を実施

 2月14日、東南アジアの群島国家(多くの島から構成される国家)であるインドネシアで、大統領選挙の投票が実施されました。全部で3人が立候補したのですが、ジョコ現大統領の政権で国防大臣を務めるプラボウォ・スビアント氏が約6割の票を獲得したとみられ、勝利宣言をしました。ただし、正式な結果が出るのは数週間後となる見込みです。

 インドネシアは、約2億7000万人という世界第4位の人口を抱え、国内総生産(GDP)が1兆ドルを超える(世界第16位)、東南アジアの地域大国です。東南アジア諸国連合(ASEAN)をリードする国でもあり、ASEANの本部は首都ジャカルタに置かれています。また、国民の約87%がイスラム教徒で、イスラム教徒が世界一多い国です。

 最初に群島国家と述べたように、インドネシアには赤道をまたぐ地域に1万7000を超える島があります。首都のジャカルタはジャワ島に位置しますが、ジャワ島は人口が約1億5000万人と、世界一人口の多い島です。ジャワ島の面積は約12万6000㎢で、約22万8000㎢の本州の約55%の広さしかないのですが、世界で2番目に人口の多い島である本州(約1億人)を大きく上回る人が住んでいるため、非常に過密です。人口が1000万人を超えるジャカルタでは地盤沈下や交通渋滞が深刻化しています。このため、2019年には日本の支援でジャカルタに地下鉄が開業しました。

 また、インドネシアは日本と同様に、地震や津波、火山の噴火による被害が多発する国でもあります。人口がジャワ島に集中しているということは、こうした災害に弱い状態になっているということです。

 そこで、ジョコ大統領は首都をジャカルタからカリマンタン島(ボルネオ島)東部に移転する計画を発表しました。新首都の名称は「ヌサンタラ」で、インドネシア語で「群島」という意味です。移転先の建設作業はすでに始まっており、2045年までに移転を完了させる予定です。壮大な実験ともいうべきこの事業は世界から注目されています。

将来の宇宙開発の根幹を担う新型ロケット「H3」の打ち上げに成功

 2月17日午前9時22分55秒ごろ、日本の新型ロケット「H3」2号機が、鹿児島県にある種子島宇宙センターから打ち上げられました。宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、搭載していた2機の小型衛星と、アルミ製の模擬衛星を予定通りに分離し、すべてのミッションを完了しました。

 H3は従来の基幹ロケット「H2A」の後継機として開発されてきました。狙いは世界各国の衛星の打ち上げを受注することです。そのため、より一層の高性能化と低コスト化を目標としてきました。運べる衛星の重さはH2Aの3割増しの6.5トン以上で、打ち上げ費用はH2Aの半額の約50億円をめざしています。

 H3の初号機は2023年3月7日に打ち上げられました。ところが、第2段エンジンへの点火が確認されなかったため、搭載していた衛星の軌道への投入に成功する見込みがなくなったと判断し、機体は地上からの遠隔操作で破壊されました。

 つまり、今回の打ち上げは「再チャレンジ」だったのです。各国の衛星の打ち上げを受注する競争は激しさを増す一方で、内閣府によると、2022年に打ち上げられた人工衛星などは世界で2368機を数えます。この10年ほどで約11倍に増えました。それだけに、無事にミッションを完了することができ、関係者は胸をなでおろしたのではないでしょうか。日本は今後、H3の打ち上げ成功の実績を着実に積み重ね、信頼性を高めることが必要です。

 この2月には、1月の日本の「SLIM」に続く探査機の月面着陸というニュースもありました。22日午後(日本時間23日朝)、アメリカの宇宙企業インテュイティブ・マシーンズの開発した無人着陸船「オデュッセウス」が月の南極への着陸に成功したのです。民間企業による月面着陸は世界初の快挙で、月の南極への着陸成功は2023年8月のインドの「チャンドラヤーン3号」以来、2回目です。アメリカとしては1972年のアポロ17号以来、約半世紀ぶりの月面着陸でした。

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