ぼくは、３年生の夏期講習からサピックスに入室した。授業はいつもとても楽しく、良い先生や友だちにも恵まれていたので、勉強はまったく苦にならず、とても楽しく感じていた。
　授業では、そのときに習うことを極力理解するように努めて、わからないところは家庭での学習で自分で考えて理解し、復習して確実に定着させた。また、特訓などにも真剣に取り組んだ。そのため、初めての受験である１月校には自信があった。
　しかし、その算数で、平均を大きく下回る結果になってしまったのだ。この入試の直前、ぼくは算数の勉強を怠っていた。なぜなら、算数は前から多くやっていると思い上がって、油断をしてしまったからだ。
　ここで伝えたいことは、少しでも油断すると、テストで点数が取れなくなる可能性が高くなる、ということだ。この経験の後、２月に入るまでの間は必死に算数に取り組んだ。
　そして、迎えた第一志望校の入試日である２月２日には、「今度は失敗しない」と自信を持って臨んだ。しかし、その入試のとき、理科がとても難しく感じられ、そこでの失点を算数で取り返そうと思って考え過ぎ、ミスをしてしまい、さらに厳しくなった。
　ここで、もう一つ伝えたいことがある。それは、試験ではたとえいくつかの教科で手応えがなくとも、そのとき解いている教科に全力で取り組むのが大切ということだ。考え過ぎると、かえって良い結果にならない。
　まったく自信のないなかで迎えた合格発表。自分で操作するのが怖く、親に合格発表のボタンをクリックしてもらった。結果は、合格だった。うれしすぎて、車の中なのに跳び上がってしまった。人生でいちばん幸せな瞬間だった。
　ぼくの伝えたかった二つのことは、どちらも事前に言われていたのに実践しなかったことだ。皆さんはくれぐれも気をつけて。
　皆さんの合格を心より祈っています。