私がサピックスに入室したのは新３年生のときで、まだ「受験」ということをよく理解しておらず、なんとなくという気持ちで通っていました。しかし、あるときに偏差値が一気に下がり、とても悔しく、それまで軽い気持ちで受験勉強に臨んでいたことを強く後悔しました。
　その後は、「基礎力トレーニング」を毎日欠かさずやるようになりました。５年生からは毎晩寝る前に「コアプラス」を読み、基礎を徹底して固めました。わからない問題は質問教室に持っていき、理解するまで何度もやりました。
　その成果が出たため、５年生のころにはいつも中の上のクラスに入れるようになりました。私は算数が苦手で、ほかの科目よりも成績が低かったのですが、ほかの科目で成績を伸ばして、苦手な算数の足りない部分をなんとか補ってきました。
　そこまでは順調に進んでいましたが、６年生になり、算数がほかの科目で補えないほど下がっていき、10月にはクラスがいちばん下のブロックまで落ちました。私はとても落ち込みましたが、先生たちが言っていた「受験当日まで成績は伸びる」ということばを信じて、志望校を変えず、あきらめずに勉強しました。
　２月１日の受験当日、緊張せずに自分の持っているすべての力を出し切って、全身全霊で入試に臨みました。あのときに自分が本気で取り組んだことが、合格を手にした一つの鍵だと思います。
　合格発表のとき、私は入試のときよりどきどきしていて、受かるかどうかとても心配でした。自分の受験番号を入れてボタンを押し、合格の画面が出たときは信じられず、とてもうれしかったです。
　これから受験する方にも、ぜひ、最後まで志望校をあきらめず、合格を勝ち取ってほしいと思います。