受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

母校再訪

(「23年7月号」より転載/23年6月公開)

母校再訪

逗子開成中学校・高等学校

日下 航太朗さん(2022年卒業)
佐々木 優さん(2022年卒業)

自然豊かな環境のなかで、学業や行事に励み
仲間と切磋琢磨しながら人間性を高める

 逗子開成中学校・高等学校は、校名の由来となっている「開物成務(人間性を開拓・啓発し、人としての務めをなす)」の理念の下、海に近い環境を生かした海洋教育や国際研修などの体験教育プログラムに力を入れています。高い志を持ち、社会に貢献できるような人物や時代をリードする人物を育成する同校の学校生活について、東京大学に進学した2人の卒業生に話を伺いました。

逗子開成ならではの行事が充実
貴重な経験が将来の財産に

日下 航太朗さん東京大学文科二類2年先生は生徒の行きたい大学を尊重し、面接対策や論述の添削など、一人ひとりの受験形態に合わせて手厚く指導してくださいました。生徒と真摯に向き合う姿がとても印象的でした。

―逗子開成を志望した理由を教えてください。

佐々木 小さいころからイベントごとが好きで、逗子開成には、ヨット製作・帆走、遠泳やニュージーランド研修など、楽しそうな行事が多いことに魅力を感じました。

日下 ぼくは水泳部がある学校を探していたなかで、逗子開成の文化祭を見学し、校風や環境の良さにひかれました。海の近くにあり、自由で伸び伸びとした雰囲気がよかったです。

―逗子の海を利用した「海洋教育」が特徴的ですね。

佐々木 中1でヨット製作、中1~3でヨット帆走の実習が4回あります。ヨット帆走は、回を重ねるごとにだんだんとこつをつかんで上達していけたので、楽しく参加できました。中3の遠泳では1.5km泳ぎますが、十分な水泳指導があるので、入学時に泳げなかった人も泳ぎ切っています。

日下 自分たちでヨットを作って操作をしたり、遠泳をしたりするのは、海が近い逗子開成ならではの行事です。一生話題にできるくらい、貴重な体験となりました。

日下さんが水泳部で練習していた屋外の温水プール。水泳部顧問の吉川智己先生(左)、髙橋良明先生(右)と一緒に

―海外研修の機会はどうでしたか。

日下 中3のニュージーランド研修旅行が印象に残っています。4泊6日で、2泊はホームステイでした。ランギトト・カレッジの生徒と一緒に授業を受けたり、ニュージーランドの文化に触れたりもしました。全員参加の行事なので、みんなで体験を共有できることも魅力です。

佐々木 ぼくは英語が得意だったのですが、ニュージーランド研修に行くまでは、スピーキングがどれくらいのレベルなのか、わかりませんでした。実際に生の英語に触れてみて、自分の実力を知ることができました。また、高1の夏休みには、希望者対象のセブ島研修にも行きました。英語漬けの生活を送ったおかげで、かなり力がついたと思います。

委員会やクラブ活動を通じて
リーダーとしての振る舞い方を学ぶ

佐々木 優さん東京大学文科一類2年記憶に残っている授業は、中1・2の特習数学です。演習がメインで、解き終えなかったら補習があります。問題を解く力がつき、今までやってきた内容の定着度がわかるのがよかったです。

―お二人は委員会活動にも力を入れていたそうですね。

佐々木 中3から3年間、文化祭実行委員に所属し、高2のときはステージ部門のリーダーを務めました。ミスターコンやダンスコンテスト、のど自慢大会などの企画や司会、出場者の募集などを担当しました。文化祭実行委員は高2までだったのですが、主体的に動くことが楽しかったので、高3では体育祭の応援団に入りました。

日下 中2から5年間、体育祭実行委員を務め、高3では審判部の部門長になりました。高2のときは、新型コロナウイルス感染症の影響で体育祭ができなかったため、高3で復活させたいと思い、幹部や先生方と時間をかけて対策を話し合いました。その結果、無事に開催することができたので、そのときの感動は今でも忘れられません。

―クラブ活動にも積極的に参加されていましたね。

佐々木 6年間バドミントン部に所属していました。大切にしていたのは、コミュニケーションです。先輩と後輩の縦のつながりを深められるようにと、いつも心がけていました。後輩とは今でも一緒にご飯を食べに行ったり、バドミントンをしたりしていて、仲の良い関係がずっと続いています。

日下 中高水泳部で、高3のときは副部長でした。チームを支えられるように、指示を出したり、みずから行動で示したりと、後輩を引っ張っていくことを意識していました。

佐々木さんがバドミントン部の練習で、汗を流した体育館。「ハードだった練習も、今では良い思い出です」

―委員会活動やクラブ活動で、得たものはありますか?

佐々木 もともと前に出るタイプではなかったのですが、文化祭実行委員でステージ部門のリーダーになったことで、リーダーシップや話す力が養われました。時にはつらいこともありましたが、そんな状況でもだんだんと楽しくなってきたので、何事もポジティブにとらえる力がついたのだと思います。ぼくは受験勉強をつらいと思ったことがないのですが、それはこの力のおかげかもしれません。

日下 この6年間の経験で、団体をまとめ上げるための話し方やコミュニケーションの取り方が、わかるようになってきました。また、水泳の練習は、つらいと思っても力を振り絞って泳ぐことの繰り返しなのですが、受験勉強も似ています。受験直前の成績が思わしくなく、志望校を変えるという話も出ましたが、「最後のひとかきまであきらめない」という気持ちを貫き通し、東大に合格できたのは、水泳部での経験があったからこそでした。

―東大をめざした理由は?

佐々木 ぼくは高1まで、志望校についてあまり考えていませんでしたが、先生から「東大に行けるぞ」と言われてから自信がつき、妥協せずに一番をめざそうという気持ちで、東大を志望するようになりました。各教科の先生が、いつも論述の添削にすぐ対応してくださったおかげもあり、塾に行くことなく合格できました。大学では今、さまざまな価値観の人と出会って新たな影響を受けながら、将来の進路などを考えているところです。

日下 ぼくもトップの学校をめざそうと思ったのと、学内に東大をめざしている仲間がいたことが後押しになりました。周りのレベルが高かったから、自分もがんばろうという気持ちになったのだと思います。大学ではこれから学部選択をすることになるので、さまざまな授業を受けながら、今後の進路を考えたいと思っています。

学校の前にある海で、二人の担任経験がある秦健二先生と。昼休みに海を見に行ったり、ビーチバレーをしたりして、受験勉強の気分転換をしていたそうです

―最後に、受験生に向けてメッセージをお願いします。

佐々木 逗子開成は、海洋教育や海外研修が充実しているなど、唯一無二のところが多い学校です。勉強だけではなく、生徒主体の行事も楽しめるので、めりはりのある学校生活を送りたい人にぴったりだと思います。

日下 さまざまなことが経験できる学校で、ひと言でまとめると「すごく楽しい6年間」が待っています。がんばってください。

《学校のプロフィール》

逗子開成中学校・高等学校

所在地 〒249-8510 神奈川県逗子市新宿2-5-1
JR横須賀線「逗子」駅、京急逗子線「逗子・葉山」 駅より徒歩10分

TEL 046-871-2062
H P www.zushi-kaisei.ac.jp 別ウィンドウが開きます。

《Information》

学校説明会などの情報はこちらよりご確認ください。

https://www.zushi-kaisei.ac.jp/examin/

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