受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

母校再訪

(「23年10月号」より転載/23年9月公開)

母校再訪

森村学園中等部・高等部

石幡 史泰さん(2022年卒業)
北村 知悠さん(2022年卒業)

充実した環境で文武両道に励んだ6年間
生徒の意見が尊重される「独立自営」の校風

 森村学園は、実業家・森村市左衛門によって1910年に設立された伝統校です。建学の精神は「独立自営」。認知能力と非認知能力を兼ね備えた人材の育成をめざすと同時に、みずから挑戦・活躍・貢献する心、すなわちイノベーションマインドの養成に力を入れています。そんな同校の教育や学校生活について、現在大学2年の卒業生のお二人に語っていただきました。

自然豊かなキャンパスで過ごした
学業と部活動の両立をめざす日々

石幡 史泰さん中央大学商学部2年今年の4月に、仲間と新しいフットサルサークルを立ち上げ、今では約100人のメンバーと共に活動しています。ここでも森村学園で学んだ「独立自営」の精神が生きています

―森村学園に入学したきっかけを教えてください。

石幡 緑に囲まれたキャンパスや広大なグラウンドなど、充実した施設面に魅力を感じたのがきっかけです。この学校なら、勉強だけでなく部活動などの課外活動にも力を入れることができそうだと感じました。

北村 わたしは森村学園の新体操部に入りたくて志望しました。知り合いの先輩も所属されていて、全国規模で実績のある強豪だと聞いていましたし、みずき祭(文化祭)で演技を披露する先輩の姿を見て、「わたしもここに入って力を伸ばしたい」と思ったことが、大きな動機になりました。

―お二人とも文武両道の生活を送られたようですね。

石幡 はい。中高6年間サッカー部に所属し、学業との両立を心がけました。ドローンを使って上空から試合を撮影し、良かったところや悪かったところを振り返るなど、「どうしたらもっと上手になれるか」を部員全員で試行錯誤しながら練習に励んだのはいい思い出です。

北村 わたしも入学前からあこがれていた新体操部で6年間活動しました。中2のとき、わずかなミスから全国大会への切符を逃すという苦い経験をしました。中3で部長とチームリーダーを任されることになり、「今年こそ全国大会に」と意気込んだわたしは、技術面の練習はもちろん、マネジメントにも注力しました。部員とのコミュニケーションの方法を模索したり、全体の士気をいかに上げていくかを考えたりと、常にチームを意識するように努めた結果、目標の全国大会への出場がかない、さらに入賞も果たしました。あのときの感動は今でも忘れられません。

高等部サッカー部顧問の江口徹先生と一緒に。石幡さんは試合の後すぐに、ラウンジなどで今後の練習法について先生に相談していたそうです

―思い出に残っている学校行事はありますか。

石幡 縦割りの五つのチームで競う体育祭です。中1から高3まで、学年を超えた連帯感や団結心が養われます。新入生のころ、応援指導や競技指導の際に上級生がフレンドリーに接してくれたのがうれしかったので、ぼくが高3で応援団長を務めたときも、かつての先輩がそうしてくれたように、後輩には優しく指導するように気を配りました。そうした伝統が受け継がれているのも森村学園のよいところです。

北村 新型コロナウイルスの流行で中止せざるを得なかった行事の代替として、生徒有志が声を上げて実現した動画制作プロジェクトが印象に残っています。クラスで一つの動画を作成し、それを学年の上映会で発表するというものですが、わたしたちは制服を着て海辺に行き、とあるJ-POPの楽曲のミュージックビデオを再現しました。コロナ禍でいろいろと活動が制限されて窮屈な思いをしていたなか、撮影も上映会も非常に盛り上がり、貴重な思い出の一つになりました。

生徒が自発的にアイデアを出し、
それを実現につなげられる寛容な土壌

北村 知悠さん早稲田大学基幹理工学部2年新体操部時代は幾度となくけがに悩まされてきたので、将来は現在学んでいる数理モデルを活用し、けがの治療や細胞の再生といった分野にアプローチできないかと考えています

―そのほかの課外活動には参加していましたか。

石幡 森村学園では、宿泊を伴う研修旅行が中1から高2まで毎年あります。ぼくは、その段取りを決める「研修旅行委員」を中1から高1まで務めていました。

 ふだん、学校での携帯電話の使用は禁止されていますが、高1の研修旅行では、「記念撮影のときだけは携帯の使用を認めてほしい」という生徒側の要望を受けて、研修旅行委員が学校側と交渉し、許可を得ることができました。何事も受け身で享受するのではなく、「能動的に参加してこそ意味がある」という自覚を持てたのは非常に有意義なことでした。これは、建学の精神である「独立自営」にもつながる経験だったと思います。

北村 部活を優先していましたが、コロナ禍の閉塞感を払拭するために発案された、校内をイルミネーションでライトアップする企画や、高3の「卒業を祝う会」において、プロジェクションマッピングで体育館の壁に映像を投影する企画など、生徒有志による単発のプロジェクトにはいくつか参加しました。どれもやりがいがあって楽しかったです。

 わたしは指定校推薦制度を利用したので、高3の2学期には大学受験が終了しました。そこで、同じようにひと足早く受験を終えた仲間と協力し、一般入試に臨む同級生に向け、校内に自生する竹を使って合格祈願のお守りを約200個作り、サプライズでプレゼントすることにしました。

朝は物理実験室でよく自習をしていたという北村さん。「早い時間から教室が開放されていたので、集中して勉強できました」

 このように、森村学園には、生徒が自発的に声を上げて、そこに賛同する人が集まって、みるみるうちに実現につなげていくという土壌があると思います。そして、それを寛容に認めてくれる先生方が多くいらっしゃるというのも、生徒にとっては非常に心強いことです。

石幡さんは中1、北村さんは中2のときの担任だった教頭の小澤宗夫先生と。明るく開放的な校舎は卒業後も訪れたくなる場所です

―最後に、受験生に向けてメッセージをお願いします。

石幡 これまでの人生を振り返って、「どの時期に戻りたいか」と言われたら、間違いなく森村学園で過ごした中高時代だと答えます。それくらい非常に濃密で有意義な6年間でした。受験勉強は不安や焦りの連続だと思いますが、その先には必ず明るく楽しい学校生活が待っています。勉強や部活動、委員会活動での活躍を楽しみに、がんばってほしいと思います。

北村 高等部時代の恩師が細かくコメントを付けて添削してくださった学習ノートを、今もお守りとして大事にしているくらい、森村学園で過ごした6年間は、今のわたしの土台になっています。受験生の皆さんにも、この温かみのある校風を感じてもらえたらうれしいです。

《学校のプロフィール》

森村学園中等部・高等部

所在地 〒226-0026 神奈川県横浜市緑区長津田町2695
東急田園都市線「つくし野」駅より徒歩5分、JR横浜線・東急田園都市線「長津田」駅より徒歩13分

TEL 045-984-2505
H P www.morimura.ac.jp 別ウィンドウが開きます。

《Information》

学校説明会などの情報はこちらよりご確認ください。

https://www.morimura.ac.jp/jsh/admission/event/

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