受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

母校再訪

(「23年11月号」より転載/23年10月公開)

母校再訪

成城中学校・成城高等学校

山本 理寛さん(2022年卒業)
根来 勇輝さん(2022年卒業)

先生との距離が近い温かな校風
親身なアドバイスで進路を実現

 1885年創立の成城中学校・成城高等学校は、「社会に有為な人材を育成する」を建学の精神に掲げる男子進学校です。「自学自習」「質実剛健」「敬愛親和」「自治自律」という校訓の下、質の高い学びを通して主体的な学習者を育成しています。現在、大学2年生で、同校のチューターとして後輩の指導に当たる2人の卒業生に、学校生活の思い出について語ってもらいました。

卒業後も学校に顔を出したくなる
生徒と先生の距離の近さが魅力

山本 理寛さん早稲田大学創造理工学部2年医療系から機械系まで幅広い分野をカバーしていると知って、この学部を選びました。部活はウインドサーフィン部に所属しています。

―成城中学校に進学した理由を教えてください。

山本 小学5年生のときに足を運んだ成城祭(文化祭)で、テニス部と水泳部の部員によるウォーターボーイズの出し物を見たのがきっかけです。息の合ったアーティスティックスイミングと、熱狂的な観客の雰囲気に圧倒され、「自分もこの学校に通いたい」と感じました。

根来 男子の進学校でありながら、生徒それぞれの個性を尊重する自由な校風にひかれたからです。中高生活を伸び伸びと送れそうだと思い、志望しました。

―卒業して気づいた、学校の魅力はどんなところですか。

山本 先生と生徒の距離が近く、仲が良いところです。ぼくも含め、周囲の成城出身者は、卒業後も「学校に顔を出して先生と話をしたい」という人が多いですね。

根来 広大なグラウンドやプールなどがあり、施設面が充実しているところです。都心の学校としては、とても恵まれた環境だったのだと卒業してから気づきました。

―思い出に残っている学校行事はありますか。

山本 中1の夏の臨海学校です。千葉県の南房総市で行われる3泊4日の宿泊行事で、泳力に応じて班を分け、海で遠泳を行います。高2の先輩も補助員として参加し、親切に指導してくれるので「自分もこんな先輩になりたい」と目標を持つことができました。

根来 最も印象に残っているのは、中間試験の翌日に行われる中学行事です。少人数の班を作り、学校近隣にある大学や研究施設、美術館、博物館を散策します。班で行動するので、友人の知らない一面を知ることができ、チームワークを深めるのに有意義なイベントでした。

添削でお世話になった、中1時の担任で国語科の村本春香先生と。昼休みは友だちとグラウンドで思いっ切り体を動かしてリフレッシュしました

―成城中にはさまざまな国際交流プログラムもありますね。

山本 ぼくは中3のときにエンパワーメントプログラムに参加しました。これは、5日間にわたって校内でディスカッションを行うもので、海外のトップ大学の学生がファシリテーターを務めます。英語で発言することに少しずつ慣れていき、最終日には学んだ内容についてすべて英語で発表を行います。大学でも大勢の前でプレゼンテーションをする機会がたびたびあるのですが、その際に抵抗感なく堂々と発言できるのも、このエンパワーメントプログラムを経験したことが大きいと感じています。

根来 中3のときにオーストラリア・グローバルリーダー研修に参加しました。英語があまり得意でなかったぼくは、ジェスチャーと簡単な単語でコミュニケーションを試みました。必死に辞書を引いて「自分のことばで気持ちを伝えたい」とあがいた経験は、今の成長につながっています。大学に在学している間に一度は海外に出て、日本とは異なる環境で自分の力を磨きたいと考えています。

―部活動についてはいかがですか。

山本 ぼくはテニス部に所属し、高1の文化祭では、念願のウォーターボーイズに出演しました。夏休みを丸ごと練習に費やし、本番では一日に6公演もこなすのは体力的に大変でしたが、小学生のころからあこがれていたウォーターボーイズの一員になれてすごくうれしかったです。

根来 中学ではバレーボール部、高校ではバドミントン部に所属していました。日々の学習と両立しながら練習に励むのはハードでしたが、それぞれの部で仲の良い先輩・後輩をつくることができ、そこで得た経験や人間関係が大きな財産になりました。

※現在は「グローバルスタディズ・プログラム」に名称を変更

悩んだときに背中を押してくれた
先生方の親身で現実的なアドバイス

根来 勇輝さん東京理科大学理学部2年将来の夢は、数学の教師です。知識が豊富なのはもちろん、進路の相談にも親身に応じてくれた、高校時代の担任の先生が目標です。

―進路指導の特徴について教えてください。

山本 担任の先生には、模試のたびに「ここはもっと強化したほうがいい」「ここは今伸びているから、もう少し様子を見てみたら」などと現実的に分析していただき、それがぼくの学習の指針になりました。大学入学共通テストの直後にも面談があったのですが、「この点数で第一志望校に出願してもいいのだろうか」と不安になっていたぼくに、「ほかの大学に出願して後で悔やむくらいなら、志望校を変えずに挑戦すべき」と背中を押してくださったので、覚悟を決めました。自己採点が難しい、国語や英語の記述問題をつきっきりで指導してくださったことも、大きな力になりました。

根来 校訓に「自学自習」とあるように、成城にはみずから学ぶ姿勢を尊重する校風があります。空き時間には自習室の「自修館」を積極的に利用し、課された宿題や志望校の過去問を解いて少しずつ力を伸ばしていきました。また、定期的に先生との面談の場が設けられていたのも心強かったですね。つい話し込んでしまい、気づけば2時間経っていたということもありました。

―大学では何を専攻されていますか。

バレーボール部の練習が終わると部員みんなでこのピロティに集合し、先生も交えてミーティングをしていました

山本 機械工学を学んでいます。大学で学んでみると、興味のある学問がたくさんあることに気づき、そこから何を専門にしようかと日々模索しています。最終的には、海外で活躍するエンジニアになりたいと考えています。

根来 中1のころから「数学の教員になりたい」という夢を持っていたので、理学部数学科に進みました。実は、入試直前まで教育学部に行くべきか悩んでいたのですが、高校の先生に「教師としてのキャリアは、大学でどれだけ深く学んだかが左右する」とアドバイスをもらったことをきっかけに、数学を体系的に学ぶことができる今の学科を選びました。

―お二人は大学生チューターとして、在校生の学習サポートをされているそうですね。

山本 放課後に自習室「自修館」で、数学や英語などのわからない問題や、さまざまな質問に対応しています。伝えたいことが山ほどあるので、在校生よりもぼくのほうが前のめりになっているかもしれません(笑)。

根来 学習面の質問だけではなく、「進路相談がある」と言って来てくれる後輩もいます。ぼくの経験が役に立つのであれば、何でも答えたいと思っています。

―最後に、受験生に向けてメッセージをお願いします。

山本 ぼくにとっては、自分の学びたい学問が明確にイメージできた大学受験よりも、“何となく”勉強していた中学受験のほうが苦しかったです。ですから、皆さんには、成城での楽しい学校生活を想像しながら、日々のモチベーションを維持してほしいと思います。

根来 暑い日も寒い日も、塾に通って勉強している皆さんの努力は裏切りません。自分を信じて、“成城に合格したい”という強い気持ちを最後まで失わないでほしいと思います。

《学校のプロフィール》

成城中学校・成城高等学校

所在地 〒162-8670 東京都新宿区原町3-87
都営大江戸線「牛込柳町」駅から徒歩1分

TEL 03-3341-6141
H P www.seijogakko.ed.jp 別ウィンドウが開きます。

《Information》

学校説明会などの情報はこちらよりご確認ください。

https://www.seijogakko.ed.jp/admission/events/

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