未来を期待される学校
(「23年9月」より転載/23年8月公開)
サレジアン国際学園中学校高等学校
解のない課題にも果敢に挑む
思考力を飛躍的に伸ばすPBL型授業を軸に
「世界標準の学び」がさらに進化
所在地〒115-8524 東京都北区赤羽台4-2-14
交通JR「赤羽」駅より徒歩10分、東京メトロ南北線・埼玉高速鉄道「赤羽岩淵」駅より徒歩8分
TEL03-3906-0054
女子校として歴史を重ねてきた星美学園中学校高等学校が、男女共学校の「サレジアン国際学園中学校高等学校」として新たなスタートを切ったのは2022年のこと。「21世紀に活躍できる『世界市民』の育成」を教育目標に掲げ、テクノロジーの進化により環境の大きな変化が予想される今後の社会を見越した教育活動を実践するなど、思い切った改革が注目を集めています。募集広報部部長の尾﨑正靖先生に、進化し続ける同校の今について聞きました。
バイタリティーあふれる1期生が
サレジアンらしい校風を牽引
広野 サレジアン国際学園としての1期生が中2、高2となりました。学校の雰囲気や生徒たちの様子はいかがですか。
尾﨑 非常に良い雰囲気です。男女共学になっただけでなく、本科クラスとインターナショナルクラス(インター)の2コース制になったことで、国籍や文化的な背景が異なる多様な生徒が、同じ空間を共有して学ぶのが日常の風景になりました。一人ひとりの個性を尊重しながらも、壁をつくらず、共に学び、活動しようという活気にあふれています。
驚いたのが、今年6月に開催した中高合同の体育祭です。学年対抗で競うのですが、中2が上級生を下して優勝したのです。1期生のパワーとバイタリティーをあらためて感じました。
広野 教育の特色を教えてください。
尾﨑 本校では、「21世紀に活躍する『世界市民』の育成」を教育目標としています。みずから主体的に考える力を育むために、すべての教科でPBL(Project Based Learning)型の授業を行っています。さらに、本科では中2からゼミナールに所属して探究活動に取り組み、高2で論文を書き上げます。現在、環境問題やエネルギー問題を扱う「E研」、文化芸術を掘り下げる「文藝批評・文化論ゼミナール」、歴史の謎に迫る「クラブヒストリア」など、八つのテーマで開講しています。
広野 1期生の中2がすでにゼミに参加しているのですね。
尾﨑 はい。ゼミは中高縦割りで編成しているのですが、高校生の発表にもひるまず意見し、時にはデータの間違いを指摘するなど、前向きに議論や対話をけん引する生徒が多く、頼もしく思うとともに、これからの成長に期待しています。
日常的に外国語が飛び交う環境で
英語を使いこなす力を伸ばす
最先端のラボや多様なラウンジ空間、カフェや体育館などを収容し、既存校舎に比べて約1.4倍の規模となります
広野 インターナショナルクラスはいかがでしょうか。
尾﨑 インターは、英語の習熟度でアドバンストグループ(AG)とスタンダードグループ(SG)の二つのグループに分かれています。AGは半数近くが帰国生で、滞在していた国は北米、ヨーロッパ、東南アジアなどさまざまです。英語はもちろん、数学、理科、社会の授業をすべてオールイングリッシュで行っています。SGでも、週10時間ある英語の授業のうち2時間はオールイングリッシュです。
広野 まさに「世界標準」の内容ですね。
尾﨑 本校には現在13名のインターナショナルティーチャーが勤務しており、彼らが主に担当するAGの英語・数学・理科・社会と、SGの英語は、海外の学校と同様の授業形式で行われています。先生の話を聞く講義型の授業はほとんどなく、ディスカッションやプレゼンテーション、グループ学習など実践を重視した学びが中心であり、だからこそ深く考え学ぶことができています。
広野 AGとSGとの交流はいかがでしょうか。
尾﨑 英語・数学・理科・社会の授業こそ別ですが、ホームルームは混合クラスです。学校生活は一緒に行います。これがSGの生徒たちに良い影響を与えていて、入学時と中2進級時のGTECRのスコアを比べると、平均約200ポイントも上昇していました。身近な友人が英語を使いこなす姿にあこがれて学習意欲が高まるようです。
広野 英語力次第でAGに移ることも可能なのでしょうか。
尾﨑 はい。ただし、AGがオールイングリッシュで行っている教科では、専門用語の英語表現がわからないと授業についていけません。そこで今年度から、数学や理科の既習範囲を英語で学び直す特別講座を始めて、AGへの移行を希望する生徒をサポートできる体制を整えました。
新校舎建設プロジェクトが始動し
さらなる進化に期待が高まる
広野 共学化でクラブ活動には変化がありましたか。
尾﨑 男子バスケットボール部など、新たなクラブも誕生して活性化しています。本校のクラブ活動は勝利至上主義ではなく、学びの一環だととらえ、週3日までとしています。限られた活動日を有効活用するために、生徒たち自身が練習メニューを工夫するなど、主体的に運営しています。
広野 学校行事などはいかがでしょうか。
尾﨑 5月の聖母祭や、お祈りと聖歌で心を落ち着ける朝礼などの宗教的な時間は、これまでどおり確保しています。グローバル化が進む時代だからこそ、こうした「心の教育」が学びの土台として重要だと考えています。一方、学園祭は、生徒たちの研究発表に重心を移し、より学術的な内容にリニューアルするなど、よき伝統は残しながら改革を進めています。また、コロナ禍で中断していたフィリピン研修旅行を今年から再開するほか、世界97か国に姉妹校を持つサレジアンのネットワークを生かして、さまざまな取り組みを充実させる予定です。
広野 今後、海外大学志望者が増えていくでしょうから、充実した国際ネットワークがあることは心強いですね。
尾﨑 本校の国際対応力も強化していきます。現在13名いる外国人教員をさらに増やして、海外大学への進学をサポートするチームを結成します。1期生が受験期を迎えるまでに、世界各国の大学制度や奨学金制度をリサーチし、海外に羽ばたこうとする生徒たちを支援していく考えです。
広野 最後に、受験生に向けてメッセージをお願いします。
尾﨑 現在、3期生の募集に向けて、ソフト・ハード両面で教育環境の整備が加速しています。特に大きなニュースは、地下1階・地上5階建ての新校舎建築計画がスタートしたことです。2026年9月からの使用を予定しており、2024年度の入学生は中3の途中から使えることになります。さらに飛躍するサレジアン国際学園で、ぜひ共に学びましょう。
ONE POINT CHECK サピックスのワンポイントチェック
JR「赤羽」駅からアクセスの良い、緑豊かな高台に建つ同校。都内では貴重な広い敷地を活用し、最先端のラボやラウンジなど充実した設備を備えた新校舎建設プロジェクトが着々と進行しています。世界に広がる姉妹校のネットワークを生かした交換留学の推進や、海外大学への進学サポートなど、「世界市民」の育成にふさわしい制度拡充も予定されており、6学年の共学化が実現する来春に向けて、同校の教育に対する期待がさらに高まります。
INFORMATION
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