受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

未来を期待される学校

(「23年10月」より転載/23年9月公開)

サレジアン国際学園世田谷中学高等学校

充実した英語環境と探究活動で
グローバル社会で活躍するための 「世界市民力」の育成をめざす

所在地〒157-0074 東京都世田谷区大蔵2-8-1

交通小田急線「祖師ヶ谷大蔵」駅より徒歩20分、小田急線「成城学園前」駅、東急田園都市線「用賀」駅、東急田園都市線・大井町線「二子玉川」駅、東急東横線・東急目黒線「田園調布」駅、JR・東京メトロほか「渋谷」駅よりバス

TEL03-3416-1150

HPsalesian-setagaya.ed.jp

 カトリック女子修道会であるサレジアン・シスターズを設立母体に持つ目黒星美学園中学高等学校が、今年4月にサレジアン国際学園世田谷中学高等学校に改称し、共学校として生まれ変わりました。本科クラスとインターナショナルクラスの2コース制の下で展開される、探究活動やPBL型授業を取り入れた特色ある教育内容について、インターナショナル推進部長の上田かおり先生と、本科推進部長の市橋朋之先生に伺いました。

「本科」と「インター」の2コース制
互いを尊重し切磋琢磨する第1期生たち

校長写真
インターナショナル推進部長 上田 かおり 先生
本科推進部長 市橋 朋之 先生

広野 この4月に第1期生が入学されました。1学期を振り返って、生徒たちの様子はいかがですか。

市橋 入学して間もないですが、本校のめざす教育を十分に理解してくれていると感じます。文章にまとめる、発言するといった活動に意欲的で、「自分の意見を誰かに聞いてほしい」という積極性のある生徒が多いです。

上田 インターナショナルクラス(インター)のホームルームは、英語初学者が中心の「スタンダード」と、帰国生など英語既習者が対象の「アドバンスト」の2グループを混合した編成ですが、スタンダードの生徒はアドバンストの生徒に追いつきたい一心で努力しています。一方のアドバンストの生徒も、困ったことがあるとスタンダードの生徒を頼っています。バックグラウンドの異なる者同士が、互いの個性を尊重して切磋琢磨することで、それぞれの長所を引き出す姿がよく見られ、非常に頼もしく感じています。

学際的な探究活動を中心に
高い論理的思考を身につける

広野 カリキュラムの特色について教えてください。

市橋 本科クラスでは「熱く探究する生徒」の育成をめざし、探究活動に力を入れています。中1は「プレゼミ」、中2・3は「ゼミ」、高1・2は「ゼミEX」と3段階のプログラムを設定し、まずは自然科学、人文科学、社会科学といった学問領域を知るところからスタートします。そこから興味に応じてテーマを決め、徐々に学際的な探究を進めていきます。そうした活動を重ね、最終的には自身のアイデンティティーや価値観を確立してほしいと思っています。

上田 インターで特徴的なのは、外国人教員であるインターナショナルティーチャーが主導する「Salesian Academic Program(SAP)」です。これは、オールイングリッシュで行う探究活動で、中1は文化学、中2は環境問題、中3は社会問題をテーマに、関心のある課題と向き合います。探究活動の過程では、世界97か国に兄弟校を持つサレジアンのネットワークを生かして、オンラインでのディスカッションやビデオレターなどで意見交換も行います。生徒たちには、パーソナルな視点からローカルな視点へ、さらにグローバルな視点へと、多角的なものの見方を身につけてほしいと願っています。

広野 国際交流を兼ねた画期的な試みですね。それぞれのコースで大切にしていることはありますか。

市橋 本科クラスで重視しているのは論理的思考です。情報の多い時代だからこそ、「これは何だろう?」「なぜだろう?」と、足を止めて考えることが必要だと考えているからです。そのために、多彩な校外学習や、学校を自由に探索して気になったことについてプレゼンする「校内ウォーク」などの企画を設けています。身の回りにある事象に疑問を持ち、その目的や原因を探りつつ、論理的思考や批判的思考を養うことを狙いとしています。

上田 インターでは、英語力の養成だけでなく、多様な価値観を受容する精神を大切にしています。めざすのは、21世紀に活躍するための「世界市民力」の育成です。不確実な時代にあっても、異なる価値観を持つ人と友好的に協働していく姿勢を養いたいと思っています。

2026年度からインターにDDPを導入
充実した英語環境で生徒の挑戦を後押し

イメージ01生物室・化学室・物理室の三つの理科室に加え、2022年にはサイエンスラボも新設。充実した実験設備を整えています

広野 第1期生が高校を卒業するまでに「こういう力を育てたい」という具体的な目標はありますか。

市橋 ひと言でいえば「レジリエンス」です。これから探究活動を進めるなかで、生徒たちはさまざまな困難に直面するでしょう。そこから、たとえ失敗しても必ず軌道修正できることを学び、その先の人生に生かしてほしいのです。また、論文の書き方や研究の進め方といった、大学で求められるスキルを中学段階から学ぶので、一般入試に限らず、総合型選抜や学校推薦型選抜といった大学入試にも十分に対応可能です。ちなみに本科クラスでも、週8コマある英語の授業のうち、3コマはインターナショナルティーチャーによるオールイングリッシュの授業ですから、そこで磨かれた英語力も、進路選択にぜひ役立ててほしいと考えています。

上田 インターでは、中1の終わりからポジションペーパーの書き方やアカデミックライティングのルールを学び、高2で本格的な英語論文が書けるような実践的な力をつけていきます。それと並行し、教科学習ではディスカッション中心のPBL(Problem Based Learning)型授業を展開して、英語力と思考力を磨きます。さらに、第1期生が高校に進学する2026年度からは、オーストラリアの高校卒業資格を取得できるデュアル・ディプロマ・プログラム(DDP)を導入する予定です。オールイングリッシュで講義を行う国際教養系の国内難関大学はもとより、海外大学にも積極的にチャレンジできる環境を整えていくつもりです。

広野 最後に、受験生に向けてメッセージをお願いします。

市橋 本科クラスでは、突き抜けた発想や前例にとらわれない解決策を創出できる人材の育成をめざしています。「好きなことをとことん突き詰めたい」「得意な分野で世界に貢献したい」と考えている受験生に、ぜひ入学してほしいですね。

上田 インターは、英語のシャワーを思う存分浴びたい生徒、将来は国際社会で羽ばたきたいと考えている生徒に最適なコースです。まずは一度、実際に学校に足を運び、充実した英語環境を確かめていただければと思います。

ONE POINT CHECK サピックスのワンポイントチェック

 言語教育に力を入れる同校では、本科クラスとインターナショナルクラスともに週8コマを英語の授業に当てています。さらにインターナショナルクラスでは週2コマ、オールイングリッシュで行うサレジアン・アカデミック・プログラム(SAP)があります。インターナショナルクラスの英語は、すべての時間で「スタンダード」「インターミディエイト」「アドバンスト」に分けた習熟度別のオールイングリッシュ授業を展開。さらにアドバンストの生徒は、数学・理科・社会の授業もオールイングリッシュで学びます。圧倒的な英語量で力を伸ばすカリキュラムに注目が集まります。

INFORMATION

学校説明会などの情報はこちらよりご確認ください。
https://salesian-setagaya.ed.jp/description/

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